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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年05月24日

アイデンティティ・クライシス

数年前、「モチベーション3.0」(ダニエル・ピンク 大前研一訳 講談社)を読んで、
モチベーション危機こそ、現在の課題だと思った。

特に大学生や若手社会人にとって
モチベーションの危機が離職などの
様々な課題につながっていると思った。
言わば、「モチベーション・クライシス」だ。

「モチベーション・プロデューサー」を肩書きに、
若手をモチベートすることこそ、自分の役割だと思った。
今でもそれは変わらないのだが、

「モチベーション・クライシス」の根っこに、
コミュニティの崩壊があるということを
最近実感している。

なぜ、モチベーションが上がらないのか?

これについて「モチベーション3.0」は
自分があるいは自分のやっている仕事にやる気が起きるのは、
金銭的、精神的報酬があるときよりも、
仕事そのものを楽しめたり、「誰かのためになっている」という実感があるときだ。

「誰かのためになっている」
それこそ、コミュニティの中の構成員としての自分を
認識するということではないのか。

そしてそのときに、
自らのアイデンティティが形成されていく。
自分は人の役に立てる何者か、なのだと。

その機会が少ないのだ。

家庭で手伝いをすることもなく、
地域のスポーツ少年団で後輩の面倒をみることもなく、
クラス委員となって、真剣にクラス運営を考えてみることもなく、

とにかく勉強すること。
そして早くやりたいことを見つけ、夢に向かうこと。

そんな効率性重視の教育や地域の中で失われたもの。
それが役割とそれに伴うアイデンティティ。

地域コミュニティ崩壊の問題はどこにあるかと
言われるとたくさんあるとは思うが、
若者にフォーカスすれば、
それは、アイデンティティの不安と連動していることであると思う。

自分が何者なのか?
自分は交換可能な誰かなのか?

いや。
そんなことはない。

自分にもオンリーワンな仕事、天職がどこからにあるはずだ。
自分を待っている人が必ずいるはずだ。

確かにそうだ。

しかし。
それは考えて、選んで見つけるものではない。

いつかたどり着く、終わりなき旅だ。

今すぐに出会えなくても、
一歩ずつ、目の前の役割を果たしながら、
歩みを進めていくこと。

アイデンティティの構築はすぐにはできない。
ひとつずつ、瞬間重ねて、年輪を重ねるようにできていくもの。

モチベーションクライシスは
アイデンティティ・クライシスから。
そしてその要因であるコミュニティ・クライシス。

それを同時に解決するソーシャルデザインがいま、
求められているのだろう。  

Posted by ニシダタクジ at 06:23Comments(0)日記