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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年06月07日

「Yes,and」が会議とコミュニティを活性化させる

山崎亮「まちの幸福論」(NHK出版)
またまた登場。
シビれますよ、これは。

118ページ。
宮崎・延岡のまちづくり会議。

延岡ではかつて、
線路によって東西に分断されている
ことが駅周辺の衰退の原因だとして
線路の高架化と立体交差の計画があった。
線路を上に上げて、道路を通すという計画だ。

ところがお金がかかりすぎるということで、
現在は陸橋を建設するということになっている。

だから。
会議をしていても
「そういえば立体交差はどうなった?」
という話になる。

それを否定されては、
自分自身までも否定された気分になる。

そこで山崎さんは言う。

「確かに立体交差が一番の解決策ですよね。
線路が高架になれば、その下に道をつくって、
東西の人が簡単に行き来できますし、線路の下のスペースは
雨が降っても濡れずに済むわけですから、そこに市民が集まって、
さまざまな催しもできます。そうなれば、まちも賑やかになると私も思います。」

こう言うと、相手は
「おや?」という顔をする。

山崎さんが立体交差を否定しているわけではないということがわかると、
相手の物腰も柔らかくなる。そして話に耳を傾けてくれる。

「一番いい方法が実現できなくなったのは本当に残念ですが、
高架の下に東西の市民が集まっていろいろな交流できたはずだという
立体交差のメリットはなんとかしてつくり出したいですよね。」

これだ!!

と思った。
ひとつひとつの手法を否定しても、何も生まれない。
会議の雰囲気が悪くなるだけだ。

一段高い「目的」から、もういちどいまを見る。
そうすれば、全ての手法は、そこに向かっているのだから、
もう一度、出発点に立てる。

山崎さんの真骨頂はまさにここにある。

「Yes,and」が会議を、コミュニティを活性化させるのだ。

いいね。
この本。
悔しいぐらいに素晴らしい。

  

Posted by ニシダタクジ at 07:35Comments(0)