プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2012年06月15日

消費社会と自分探しの病理


第四の消費(三浦展 朝日新書)
タイトルにピンと来て、買いました。

これは。。。
ちょっと難しい・・・ 

ですが。
かなり時代の流れをつかんでいます。
これは勉強になります。
そして、恐ろしい本だと思います。
内田樹「下流志向」と並ぶ、おそろしさがあります。

80年代から90年代。
消費者の志向は「自分探し」へとシフトする。

つまり、みんなと同じ「人並みの」モノではなく、
みんなとの差別化ができるモノを欲しがった。

それを企業は敏感に察知し、
「自分探し」を広告・マーケティングのテーマにした。

そして若者は、いや若者だけではない
多くの人は「自分らしさ」主義者になった。

そしてそれを「消費」によって実現しようとした。
自分らしい車、自分らしいテレビ、自分らしいインテリア。
雑貨屋さんで部屋に飾るかわいい小物を
買うことは、自分らしさの形成のプロセスなのだ。

そういえば、
僕もパソコンは道具だと思っていたのに
あの、センセーショナルなSONYのVAIOのブランディングに完全敗北して、
VAIOとVAIOソフトケースを購入したっけ。

i-phoneを買うときも、携帯電話を買う感覚ではなく、
i-phoneユーザーであるという誇りを買うような感覚に陥った。

こうして、
モノによって、自分を形成していくという消費スタイルが
出来上がっていく。

これは、生活必需品としてのモノが行き渡り、
企業が成長していくために、モノを売り続けなければならない
宿命にあるので、ある意味、必然だった。

しかしながら、これが悪夢の始まりだった。と
三浦さんは言う。

自分らしい携帯電話を手に入れること。
それは、携帯電話を自分そのものと同等にしてしまうのと同じことだ。
だから、携帯電話を持たないと不安になる。
たしかに、友達の連絡先やメールが全て入っているのだから
もはやもうひとりの自分だ。

もうひとつの特徴は永遠志向である。
海外高級ブランド志向は
「変わらない何か」を身につけることで
自分というものを確立しようとした。

さらに自己改造志向が見てとれるのだという。
今の自分は「自分らしく」ないから、
学んだり、運動したりして自己を改造していくことが必要となる。

これが第三の消費社会だったと三浦さんは言う。
そしていま、第四の消費が始まろうとしているのだと。

シェア。
共有。
コミュニティ。

それをどのように消費社会にアレンジしていくか、
消費社会が新たな次元にテイクオフしていくために、
考えることは多い。  

Posted by ニシダタクジ at 08:35Comments(0)