プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 105人
オーナーへメッセージ

2012年10月18日

福祉国家と資本主義国家

かつて森嶋通夫氏は、その著書「イギリスと日本」(岩波新書 1977)の中で

資本主義国では、分配の仕方に変更を加えることを好みませんから、
国民の物質的幸福を増すには、純生産物の総額を増加せねばなりません。
これに反し福祉国家では、国民の幸福を大きくするには、
純生産物をどう分配するかを考えますから、純生産物が増加しなくても、
分配の仕方を改良して幸福を増進することができます。

福祉国家にとって経済成長率が低いことは、苦しいことではありますが、
致命的ではありません。福祉国家の成績は、それ自体の尺度で評価すべきであり、
古典的資本主義を見る目で採点してはなりません。

と言った。
金銭で表される経済価値だけを豊かさだと考えるか、
老人や障害者、自然環境をも含めてすべての人々が
生活の福祉をともに実現しようとする状態を豊かさと考えるか
――そこには豊かさに対する考え方に大きな違いがある。
(「豊かさとは何か」より)

なるほど。

福祉国家は
「どう分配するか?」がテーマなのか。

こりゃどうしようもない、と思ったかもしれない。
しかし、幸運にも日本は、これから超高齢社会へと突入していく。

どう分配するか?
を考えずには、成り立たない社会、そして時代だ。

価値観の大きな変動期に立っているのだなと強く感じた。  

Posted by ニシダタクジ at 07:18Comments(0)