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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年12月10日

志のある本屋3 本は人を介してまちを創ることができる

志のある本屋3 本は人を介してまちを創ることができる

これは、何度も話している
郡山のヴィレッジヴァンガードでの話だ。

書店営業で福島県を回っていた私は、
いつものように駅ビルにある本屋さんへ。

ヴィレッジヴァンガードはどこの店も
美しく作ってあるが、そのお店は
特別、きれいに見えた気がした。
きっと気合入れて棚つくっているんだろうな。

店長さんと話をして、盛り上がり、
大量注文をもらい、気分よく店を出ようとしたその時。

目の前にカフェを始める人のためのコーナーが広がっていた。
「コーヒーの淹れ方」「お菓子作り」「カフェを始める人のための本」などの本に
マグカップに、ランチョンマット、小さな小物などがキレイに並んでいた。

僕は営業マンだから、
まったく軽い気持ちで、営業トークをする。

「カフェのコーナー、充実してますね~」

店長が言った一言に、動きが止まる。
「郡山にカフェをつくろうと思ってるんです。」

「え?」

「このコーナーをきれいに気合入れて作れば、
読んだ人がカフェをやるかもしれないじゃないですか。
僕、東京から来たんですけど、のんびり落ち着けるカフェがないんですよね。
だから、カフェ作ってほしいんです。」

な、なんと!

この人は郡山で行きたいカフェがあまりなくて、
それがあったらいいなあと思うから、
ヴィレッジヴァンガードでカフェコーナーを
気合入れて作っている、そういうことですか?

衝撃。
「本屋さんってそんなことできるんですか!?」
と何度も頭の中で繰り返した。

その半年後、ふたたびこのお店を訪れる。
店長さんが笑顔で言った。

「カフェ、2つできました。」

それがヴィレッジヴァンガードのお客さんで、
そのコーナーで見たことがきっかけとなって、
カフェができたかどうかは分からないが、
とにかくカフェができた。

店長は僕にとっての本屋の可能性を無限に広げてくれた。

「本屋で世界は変えられる」

いま、自信を持って言えるのは、あのときの衝撃のおかげだ。

そう。
本屋とはまちを創れる。人にアプローチすることで、
世界を変えられる、そんな仕事なのだ。

そんな誇りを持って棚を並べる本屋さんでありたいと思う。  

Posted by ニシダタクジ at 08:28Comments(0)学び

2012年12月10日

志のある本屋2 本を通じて人と人がつながる

志のある本屋さん2 本を通じて人と人がつながる。

僕は「本好き」ではない。
本屋さんが全員本が好きとは限らない。
ちなみに一般的に「本」というのは小説のことである。

「本」好きというのは「小説」好きっていう意味だ。
なので、そういう意味では僕は本好きではない。

ここ10年でちゃんと読んだ小説は、3冊くらいだ。
「いま、会いにゆきます」・・・あれは映画でも号泣
「限界集落株式会社」・・・これは、設定の描写がイメージできたので読みやすかった
「かもめ食堂」・・・今井店長にオススメされて、初めて読み切った1冊。あたたかい本です。

こんなもん。
なんというか、小説の世界に旅ができない。
これってやっぱり幼稚園~小学校の頃の読書習慣によると思う。

そんな僕が大学生になり、
本屋さんに行くようになったのは、
より深く環境問題の現状を知り、農業というアプローチで何ができるか
考えていたからだった。
行く本屋さんは決まって紀伊國屋書店新潟店。シルバーホテル2Fにあったころだ。

そのころ、僕は大学で農業サークルを立ち上げ、
実践をしながら、全国の農家に話を聴きに回っていた。
その合間に紀伊国屋の農業・環境コーナーに行っては、
難しそうな本を立ち読みして、なんとか読めそうなものを購入し、移動中の電車の中で読むという日々を送っていた。

あるとき。
僕に運命の出会いが訪れた。

いつものように、農業コーナーからレジに向かう途中、
目の前に飛び込んできた1冊の本。

それは「経営」のコーナーにあった福島正伸先生の
「起業家に必要なたった一つの行動原則」(ダイヤモンド社 絶版)

「起業家」って?みたいな状態だった僕だが、
なぜか心惹かれて、その本を手に取った。
中を開いた瞬間、体が止まった。

「成功者は思いを5分ごとに確認する。」

熱い。
即購入。
僕が買った最初の「ビジネス書」だった。

その数日後、奇跡が待っていた。

農家巡りのための情報収集をしていた僕は京都に行ったとき、
「たねっと」の塩見直紀さんにお会いしていた。

在来種を交換するネットワークだったたねっとを
やっていた塩見さんはのちに会社を退職して
綾部に戻り、「半農半Xという生き方」を出版する。

その塩見さんからもらったメールの最後、つまり署名に
見覚えのある一言が書いてあったのだ。

「成功者は思いを5分ごとに確認する」

塩見さんっ
僕も数日前にその本、買いましたよ!!!
と興奮気味に返信。
なんとも言えない運命を感じた。

そして、なんと。
驚くべきことが続いた。

塩見さんから宅配便で段ボールが届いたのだ。
なにやら小さいのにずっしりと重い。
開けるとそこには10冊の本。
塩見直紀さんがセレクトした10冊の本が入っていた。

そのうちの1冊が
「種をまく人」(ポールフライシュマン/あすなろ書房)
であり、あれを見たときに僕の人生の方向が決まった。

タイミングというか、運命というか。
本にはそのくらい、人をつなぐ力があるのだと思った。

そんな空間と瞬間をツルハシブックスは創っているんだ。  

Posted by ニシダタクジ at 08:14Comments(0)学び

2012年12月10日

志のある本屋1 1冊の本で人生は変わる



「本屋さんで本当にあった心温まるお話」の著者
川上徹也の電撃来店から2週間。

いただいた小冊子
「お金をかけずに知恵をかける売り上げが上がる書店のストーリー戦略」
を読みました~。
おもしろい~~!!!
そして熱い!!!

まずは「志」を持つ。
いいね!
あらためて言われてもやっぱりいい。

ツルハシブックスの「志」
はもちろん「地域と人生の小田原中継所」と
なることなんですけど。
もっと簡潔にならないかなあ。
うーむ。

やっぱりこの3つのエピソードかな。

1冊の「本」で人生が変わる。
「本」を通じて、人と人はつながる。
本屋さんは「本」と「人」を介して、まちを創ることができる。

僕の人生を変えた本は
マンガ「SHOGUN」と「沙漠緑化に生命を賭けて」
だったと思います。

あれを高校生の時に読んでいなかったら
農学部には進学していないだろうと思います。

1988年4月10日
中学校2年生の時。
衝撃的なテレビコマーシャルを見た。
バブルの絶頂期。大手ゼネコンはうなるほど儲かっていた。

まあそんな社会の構図などしらない中2男子が見たCM
瀬戸大橋開通。
作業着を着たお父さんが瀬戸大橋と夕日をバックに
5歳くらいの子どもに誇らしげに言う。
「お父さんがこの橋を作ったんだ。」

うおっ。
カッコいい。

そしてトドメを指す一言キャッチコピー
「地図に残る仕事」

参った。
参りました。大成建設さん。
いや、電通さんなのか博報堂さんなのかわかりませんけど、まいりました。

この一言で僕の将来の夢は「地図に残る仕事」
でも方法論がわからなかった。

そんな僕に方法論を与えてくれたのが
「沙漠緑化に生命を賭けて」
鳥取大学農学部の遠山先生が中国のゴビ沙漠に木を植えて
緑化しようというお話。

本が記憶とつながる。

「沙漠緑化」って地図に残る仕事なのではないか!?
よし、俺も農学部に言って、「地図に残る仕事」やるしかねえ。
と受験勉強を開始した・・・

と。
そんな話はあまりないかもしれないけど。

たしかに、1冊の本で人生を変わる。
だから、本屋さんには新しい人生が転がっているのだ。

本屋さんとは、そんな人生のワンシーンを演じる
舞台装置のようなものであると思う。

つづく

あと2話、エピソードを語りますね。お楽しみに。  

Posted by ニシダタクジ at 07:48Comments(0)学び