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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年12月19日

僕たちは島で、未来を見ることにした


僕たちは島で、未来を見ることにした
(阿部裕志・信岡良亮 木楽舎)

素晴らしい気づきに詰まった1冊。
読書をしていると、メモ代わりに
twitterでつぶやきたくなる。

チャレコミでお世話になっている阿部さん。
いつも素敵な気づきをいただいている。

この本、300ページを超える超大作(!)
なのだが、最後の方まで読み進めると
どんどん熱くなってきます。

それにしても、
最近、読む本読む本、リンクしてくるなあ。
気のせいかもしれないけど。

阿部さんがよく、
「しごと」と「かせぎ」の話をしていたけど、
それがこの本には大公開(!)されています。

阿部さん、引用させてもらいます!
みなさん、買ってください。ツルハシブックスで。(笑)

~~~
くらし・・・「人と自然のバランス」のこと。
暮らしがどれだけ自分の手の中に収まっているか、
どれだけ自分に生きる力があるのか。
自給経済とも呼べる。

しごと・・・「人と人のバランス」のこと。
昔の農村社会でいう「地域の仕事」のことを指しており、
自分や子どもの世代だけではなく、いつか生まれてくる子孫のために、
周囲の人たちと深い信頼関係を築きながら地域社会にどれだけ貢献しているか。
贈与経済とも呼べる

かせぎ・・・「働き方のバランス」
社会と自分を考察して、納得して社会に自分のやりたいことをマッチングさせる。
そして周りの人が喜ぶ成果を挙げながら必要な金銭的対価を得られているかという、
貨幣経済のことを指す。

この3つのバランスを保とうと意識しているから、
風習や文化を未来に残し、地域コミュニティを良好に保つことができるのです。

~~~ここまで

うーん。深い。
たしかに、田舎に行けばまだまだ「しごと」って
たくさんあるもんね。

トヨタ時代の阿部さんは、
この3つで三角形を描き、
会社で仕事中は「かせぎ」に寄っていて、
休みの日は「くらし」に寄っていたという。
そして「しごと」はほとんどなかった。

それを使い分ける自分に矛盾を感じ、
多くの都市生活者と同様、寂しい気持ちを感じていたのだと言う。

いま、
「くらし」「しごと」「かせぎ」の三角形が
限りなく小さくなり、幸せを感じているという。

なるほど。
深い。

その後につづく、
信岡さんの企業活動への応用の話も、
さらにシビれた。

そして、「心の時代にモノを売る方法」ともリンクした。

産業革命とは、
「よいものをつくれば売れる。」という時代だった。
製造するメーカーが力を持った、「プロダクトアウト」の時代。

それが1970年以降、市場が成熟し、
流通やユーザーが力を持ち始めた。
いわゆる「マーケットイン」の時代だ。

マーケティングの世界で動いているのは
「供給」・・・生産者
「需要」・・・消費者

という2者だけだった。
これで経済がまわっていたときが過ぎたいま、

信岡さんは「しごと」の必要性
「担い手」としての側面を企業が持つ必要があるという。
いわゆるCSR活動はこれに含まれるのだろうが
これを、地域と、住民と、ともに作り上げていくことが重要なのだという。

一方的に環境保全活動などをやるだけではなく、
ともに未来を作り上げていく時代になっているのだと実感した。

そして、それこそが「消費者に支持される企業」を作っていくのだろう。

もうすぐ来る未来へ、示唆に富んだ1冊。
読んでみたくなりましたでしょう。
デザインも素敵です。  

Posted by ニシダタクジ at 09:01Comments(0)