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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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オーナーへメッセージ

2013年02月19日

学校はひとつの世界に過ぎない

ソムリエランチに来ていただいた
さとうけいこさんたちとツルハシで熱いトークになる。

4月に立ち上げる私塾「松下問塾」(仮)について。
長岡藩か、新発田藩か?みたいなところから始まって・・・

やはりいちばんのメインにしたい層は中学生・高校生。
入塾資格は10歳以上といったところか。

ライバルになるであろう森塾は8,100円で週1回(中1、中2の場合)
明光義塾は23,100円で週2回(中1、中2の場合)
なるほど。
このあたりから月謝を試算する。

そしてなんといっても売りは、課外授業。
角田山登山とか行かなくちゃね。平日から。(笑)
5月のGWにはいきなり修学旅行で粟島。
島開きのイベントを手伝っちゃったりしてね。楽しいかもしれない。

夏はゴーさんのキャンプに参加して、
冬は栃尾ででっかいかまくら作ろうかな。

なんていう妄想を膨らませていたら、
フェイスブックにメッセージが届いた。

僕の原点となった27歳の冬の出来事。
その当事者、シンタロウからのメッセージ。

2002年1月。
当時15歳、中学3年生だったシンタロウと、
当時会社を辞めて、路頭に迷っていた僕は出会った。

「高校に行かせたいので、勉強を教えてほしい」と
お母さんに頼まれて、勉強を教えることになった。

受験は2月のアタマ。
間に合うか間に合わないか、わからないけど、
僕には時間がたっぷりとある。

その日から毎日、送り迎えされながら、
僕の家で勉強するようになった。
昼間から、夜まで。

そう、シンタロウは学校に行っていなかった。
いわゆる不登校である。

勉強は遅れに遅れていた。
間に合うのか、と不安に思い、勉強合宿を提案する。
今度の3連休、2泊3日で泊まり込みで勉強だ。

その日の朝。
シンタロウは大きなリュックを持ってやってきた。

おおお。やる気だ。

と思ったのだが、カバンを開けた瞬間、笑いに変わった。

ゲーム機が入っていた。

いやいやいや。
そういう合宿じゃないんだけど。(笑)

ということで2泊3日。
僕たちは勉強をして、ゲームもした。

夜ごはんは一緒に作って食べた。
チャレンジャーに買い出しに行って、
すき焼きを作ろうということになった。

シンタロウがキムチを買いたいと言い出したので、キムチを買った。

家に戻って、すき焼きを作って食べた。
最初は甘辛のすき焼きだった鍋が、
いつの間にかキムチすき焼き鍋に変わった。

二人で鍋を口に入れながら
「からっ」
と言って笑った。

あの日。
僕の人生が変わった。

こうやって、中学生・高校生と一緒にすごし、
将来を共に悩み、進んでいく時間。

これを仕事にしたい。
と心から思った。

そして同時に。
学校だけが「教育」を担っている社会システムに疑問を感じた。

シンタロウにとっては、僕のような、いい加減な大人が必要だった。
でも、そうじゃない子どもたちもたくさんいる。

100人の子どもがいたら、100人の影響を与える大人、必要とされる大人がいて、
それが学校にいる大人であるとは限らないのだ。

地域しかない。
多様な大人をストックしているのは地域しかない。

人生に悩む中学生・高校生と地域の大人が
出会えるようにするにはどうしたらいいのだろう?
そんな問いが生まれた。

2002年3月、NPO法人虹のおと(現:ヒーローズファーム)を設立。

まちの風景を題材にした公募型の写真展を企画したり、
小学生と地域のじいちゃんばあちゃんを昔の遊びでつないだり、
大学生と地域企業をインターンシッププログラムでつないだりした。

でも、肝心の中学生・高校生へのアプローチ方法が分からなかった。

10年の時を超え、古本コーナー「発掘~HAKKUTSU」で
その問いの入り口にようやく立つ。

そして、いま。
ふたたび原点に返る。
中学生・高校生のための私塾をスタートしようと思う。
ひとりひとりが学び、問い続ける、そんな塾。

学校はひとつの世界に過ぎない。

もうひとつの世界を、無数に作っていく。
その入り口に再び立つ。

シンタロウからのメッセージがとてもうれしい、冬の夜だった。

誰かがきっと待っている。

4月、僕は私塾をスタートします。
現在絶賛構想中です。  

Posted by ニシダタクジ at 09:08Comments(0)日記