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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年07月18日

夢リテラシー

「夢がなければ人にあらず」

毎日、先生やメディアや自己啓発本から
発せられるメッセージ。

しかし。
大切なのは、「夢リテラシー」
なのではないか、と思います。

夢がないから生きてる価値がない、とか。
夢がある人がうらやましい、とか。

そういうのは
「夢リテラシー」が低いのではないでしょうか。

「夢」ってそういう風に使うのではなくて、
モチベーションを高めるための手段だったり、
キャリアを随所でデザインするためのものだったり、
そういう風に使うのが夢の使い方だと思うのです。

そういう意味では、僕が打破したいのは、
「夢がないと苦しい」
と思うことなのではないかなあと思います。

「夢がないと苦しい」の
最大の原因は、おそらくは2003年の
「13歳のハローワーク」+「世界に一つだけの花」のミリオンセラータッグにより、
「自分にもオンリーワンな天職がある」という幻想を持ってしまったことではないでしょうか。

そしてそれが
当時から続く「キャリア・デザイン」型キャリア教育の流れと
うまく、というか不幸にもマッチして、「夢を持つこと」の大切さが広く伝わったのだと思います。

当時はそれでもよかったのかもしれません。

いや、本当はそうではなかった。
当時からも兆しはあった。

2004年から日本は人口減少社会に突入して、
先の予測は立たなくなった。
「2011年にアメリカの小学校に入学した子の65%は
大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
という予言がリアルに感じられる社会に生きているのに、

学校現場ではいまだに、
早くゴールを見つけて、そこに行く最短距離を目指せ、という。

NPOの業界も
早く「ロールモデル」を見つけて、憧れの人のようになるために、
いまを主体的に生きてもらうために、たくさんのカッコイイ大人と子どもと
出逢わせる機会をつくりたいと思っている。

その2つとも、
正しくないわけではないけども、
「キャリア・デザイン」理論という多くのキャリア理論の中のひとつに過ぎない
方法論であることへの自覚があまりないように思う。

夢を早めに持ち、そこに向かって努力することが唯一の人生を豊かにする方法だとしたら、
中学高校であまり勉強してこなくて、(自分たちが思う)三流大学にしか入れなかった大学生の
人生のお先は真っ暗であるに違いない。

しかし。
周りを見渡してみると、
「早めに人生の夢・ゴールを決めて、そこに向かってコツコツと努力し、小さいころからの夢を叶えました」
というような絵にかいたような人は数えるほどしかいない。イチローに石川遼、渡辺美樹元ワタミ社長くらいではないか。

そしてそうでなかったとしても、
輝いて生きている大人たちはたくさんいる。

この矛盾。
この矛盾に苦しんでいるのではないかと思う。

多くのカッコイイと思える大人は、
人生をその場、その場で生きていて、
そこに全力投球して、たどり着いた仕事が
天職となっているのではないか。

キャリア理論で言えば「キャリア・ドリフト」的な
キャリア形成をしてきているのではないか。
まずはそこの自覚から始まるのだろうと思う。

先の見えないこの時代は
まさに「試作の時代」と呼ぶにふさわしい時代だ。
「やってみる」ことに価値があるのだ。

だからこそ地域の現場の出番だと思う。
中山間地
離島
商店街

先行きの見えないこの場所は誰も答えを持っていないのだから
試作するのにもってこいの場所だ。

そこで問題なのが自信だ。
試作するには自信がないと言う。

しかし、「試作」には自信は要らない。
失敗を前提に試作をしていくからだ。

まったく失敗しなければそれは完成版だから。
試作版でさまざまな角度からテストし、
不具合がでるから、いい完成版ができるのだ。

経験すればするほど自分は成長できる。
そのマインド(成長的知能観)でチャレンジできるようになること。

それを繰り返す中で自分なりの「夢」が見えてくる。
それは勤め先の名称や職業カテゴリではなく、
どんなふうに働きたいか、どんなふうに生きたいか。
そんな問いがあふれてくる。

そんな夢リテラシーを伝える本屋になりたいなあと思います。  

Posted by ニシダタクジ at 06:58Comments(0)思い