プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年11月23日

農業の「六次産業化」が必要な理由

長岡市栃尾、一之貝。
ここに、豊かなランチがあります。

おそらく。
ワンコインランチとしては
日本最高峰。

まず。
遠い。
新潟市からは1時間強。
長岡市中心部からも車で20分。

それだけの距離を越えて、
たどり着かなければいけません。

昨日は、
デザイナーの荒木さん
ダイドコの山倉さん
と3人の初コンビで行ってきました。

長岡市からのトンネルを越えると、
そこは、神様のふるさとのような、
神々しい紅葉が広がっていました。

雨にもかかわらず
息をのむほどの美しさでした。

そして、
一之貝「UNEHAUS」
に到着。
ランチの時間です。

地域のおばあちゃんが手作りしてくれたランチを
地域活動支援センターの利用者の人、地域の人、ボランティアの人。
たくさんの人たちが同時に食べます。



豊かです。
あったかいです。
涙が出ます。
こんな豊かな500円ランチは新潟市にはありません。

ここを運営するNPO法人UNEが実現を目指すのは
「農障高連携」で社会的弱者も暮らしやすい地域づくりを実現すること。

農業+製造業+サービス業
が連携することを「農商工連携」と言いますが、
一之貝では、

農業
障がい者
高齢者
をコラボさせて仕事をつくっていこう、というテーマでやっています。

僕がこのプロジェクトに関わりたいのは、
ここに、若者の雇用問題の本質がひとつあると思うからです。

日本で一番大切にしたい会社(坂本光司 あさ出版)
という本があります。


みんなから愛される素晴らしい会社を集めた本です。
その多くが障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。
いま、第4巻まで発行されています。

これを読み直していて、
衝撃的な事実に気づきました。

第4巻まで取り上げられている25社のうち、
製造業が16社、つまり64%を占めているのです。

ご存じのとおり、
いま、日本の産業従事人口は
第三次産業(サービス業等)が67%、
第二次産業(製造業等)は25%
第一次産業(農業、漁業等)は5%
となっています。

これは何を意味するか?

「製造業では、人に合わせて、仕事をつくることができる」
ということです。

サービス業は、
目の前に「お客様」が存在します。
すると、当然、サービスは「お客様」に合わせて
行わなければいけません。

他方、製造業は、目の前にあるものに
ひとつひとつ同じように、分量を調整して、
同じように混ぜて、同じように焼く能力が必要なのです。

そしてそれを得意とする人たちが
障がい者の中にはいるのです。

僕は、
引きこもりやニート問題も本質はそこにあると思います。

つまり。
彼らが「働けない」のではなく、
社会が高度にサービス業化された結果、
働く環境のキャパシティがどんどん狭まっていて、
それによって、働く機会を得られない若者がいるのだと思います。

だとすると。

彼らを訓練して、
サービス業社会に適応させる、というのも必要ではないとは言いませんが、
(唯一生き残るのは「変化できる者」ですから)

根本的な原因を考えれば、
「製造業に仕事をふたたび作っていく」というのが
人間的な解決法ではないかと思います。

そこで、重要になってくるのが
農業の六次産業化です。

地域で獲れる農産物を加工し、販売する。
その加工部門はもちろん「製造業」です。
しかも、単調な作業です。
気を遣うようなコミュニケーションの必要はほとんどありません。

そこに仕事を作っていくこと。
そしてそれに高付加価値を付けて販売していくこと。

それは、栃尾・一之貝も目指している
これからの共生社会に必要なものです。

地域はもう一度復活します。
それには、農業の六次産業化は大きな力となるでしょう。

しかしそれは、
「農業者の所得向上」というような共感が得られない物語ではなく、

高齢者も
障がい者も
子どもも
若者も

一緒に生きていくための「六次産業化」となっていくはずです。

その最前線に栃尾・一之貝はなっていきます。

そんなワクワクを感じられた訪問でした。

荒木さん、山倉さん、ありがとうございました。  

Posted by ニシダタクジ at 06:45Comments(0)思い