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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年11月26日

時給800円という罠

green drinks 新潟内野
毎月第四月曜日19:00~開催。
テーマは「働き方」

昨日のゲストは、
阿賀野バクハツプロジェクトの土井一心太さん。
魂が震えるお話、ありがとうございました。
ああいう話を大学生が聞ける機会は貴重だなあと思いました。

印象に残ったのは、
やはり高校時代の話。

おじいちゃんに言われていた教え。
義務教育が終わったら、年齢×1万円以上の収入を得なければならない。

土井さんはこれに真剣に取り組んだ。
まずは時給の高いアルバイトを探した。
選んだのが「ガソリンスタンド、時給900円」

しかし。
どう考えても16万円に届かない。
(178時間/月、働かなければならない)

そこで、
彼はまず、店長に相談。

「歩合にしてほしい」と言った。
ワイパーやオイル交換を受注すると、
その歩合が入るようになった。
お客さんの車を覚え、セールストークを磨いた。

それだ!
って僕は思った。

田坂広志さんは、
仕事には5種類の報酬があると言った。

1 マネーリターン:働いた対価としてお金をもらう。
2 ナレッジリターン:業界の知識、働くときの知恵、経験を得る。
3 リレーションリターン:人間関係、人脈が将来役立つ可能性がある。
4 ブランドリターン:個人がひとつのブランドとして、どんな仕事をしてきたか?のひとつになる。
5 グロースリターン:人間としての成長が得られる。

時給800円のアルバイトの報酬は、
お金(マネーリターン)だけではない。
知識、人間関係、ブランド、成長
たくさんのリターンを返してくれる。

そのためには、
土井さんのように、
「どうやったらもっと価値を生めるのか?」
と問いかけ、実践をすることが必要なのだと思う。

そして土井さんは
仲間と3人で中古バイクのネットでの販売をするようになる。

3万円で仕入れたバイクを
5,6万かけてチューンアップして、塗装して、
オークションにかけて20万前後で売る。
利益を三等分した。

土井さんは主に全体デザインと営業、バイクの引き渡し
他の2人が塗装とチューンアップを行った。

うれしかったのは、
納品した瞬間に相手が喜んでくれたこと。
そしてそれを仲間に伝える時。

「つながった!」
そんな瞬間がうれしかったのだという。

いま。
土井さんは主に広告の仕事をしている。
新潟の職人が好きなのだという。

いいものをコツコツ作っているけど、
営業が得意じゃなくて、あまり世に出ていない。
それを世に出していくのが土井さんのいまの仕事だという。

今回の話を聴いて、
仕事とは、「好きを原動力にして価値を生むこと」だとあらためて感じた。

在庫リスクを負って、
好きな人の商品を仕入れて、全力で売る。
そんな商売の原点を感じた。

きっとこれは、
大学生、高校生、中学生、いや小学校高学年であれば
できるだろうと思う。

高いものを仕入れる必要はない。
いや、田舎であれば、海に落ちている流木を売ったっていい。
自ら仕入れ、価値を生み、売るということ。

時給800円で働く前に、
そんなことを体験しなければいけないのではないか。
いま、世の中の若者たちが最初にする仕事は、アルバイトだ。

時給650円と時給800円を比べて、
800円の方がいいなって思う。

そこに罠がある。

「報酬とは、時間が過ぎればもらえるもの」だと思ってしまう。

そうじゃない。
価値を生まなければ、報酬は手に入らない。

それは、田坂広志さんの言う他の4つの報酬も同じだ。

「お客さんを喜ばせたい。」
そんな思いから始まる仕事を、
中学生のときから始めなければならないのではないか。

まずはどんな小さくてもいいから個人事業を始める。
何かを仕入れて、全力で売ってみる。

そこから、人生が拓いていく。  

Posted by ニシダタクジ at 06:55Comments(0)就職