プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2014年08月09日

「場を始める」とは「鳥人間コンテスト」



塩尻「えんぱーく」で開催された
「つくらないことからはじまるコミュニティデザイン」
に行ってきました。
この熱気です。

講師は
「三田の家」などを仕掛けた
慶応大学の坂倉杏介さん。

いやあ、面白かった。
2日前の迫田さんの
「8合目までのデザイン」と通じるものがあって、
ドキドキしながら聞いてました。

冒頭からいきなり。
「場をつくる」プロジェクトをスタートするというのは
「鳥人間コンテスト」のようなものです。

とりあえず、飛び立っちゃう。

そうすると、落ちます。(笑)

しかし、落っこちている間に揚力が生まれて、
ふたたび浮き上がります。

つまり。
場を始めて、落っこちていきそうなときに、
訪れる人が助けてくれるようになります。

これを
坂倉さんは
「創造的欠如」だといいます。

空間の目的や機能が決まりすぎていないと、
そこに「想像力」と「創造力」がはたらきます。

空き家を借りて、
「場」をスタートさせたとき、
「まず住んじゃえ」ということでスタートします。

すると、訪れる人によって、
「ここはカフェだ」と思う人や、
「ここは厨房付きのたまり場だ」と思う人や
「ここはギャラリーだ」と思う人が来ます。

そのような場では、
どんどん人がやってくるので、
相対的に先に来た人がホスト役になっていきます。
こうして人が循環していきます。

いいなあ。
そういう「場」を人は必要としているのだろうと思います。

決めすぎない。
企画書を固めすぎない。

そのほうが想像を超える何かが
生まれるのです。

なるほどね。
鳥人間コンテスト、やらなきゃね。  

Posted by ニシダタクジ at 12:49Comments(0)日記

2014年08月08日

はたらく、とは個人が表現する場


虎の門リトルトーキョー内の小屋BOOKSで買ったshukushuku3号

いいですね。
「はたらく」を問いかけていて。
最後の対談が特に面白かったです。

「はたらく」に正解があるわけじゃなくて、
ただただ、多様であるという真実があるだけなのだけど。

そんな人たちが集まった対談は
心に響く言葉だらけでした。

「働くというのは、人が、個人が
輝ける表現の場であるべきというか、
そうあってほしいと思います。」

「これをやっていければそれでいい」
と思えることが、自分にできているかなと思った。」

などなど。
答えはないのですが、
こういうのを考えるっていうのは楽しいなと。

「働く」と、「哲学」と、「アート」を
同時に考えなきいけない時代なんですね。

  

Posted by ニシダタクジ at 09:39Comments(0)

2014年08月07日

8合目までのデザイン


迫田司さんの地デジの時間83に行ってきました。

久しぶりにインプットの時間。
デザイナーばかりなアウエー空間がちょっと心地よい。
四万十で頑張っているササクラレオくんの
紹介で今回のイベントを知りました。

「地デジ」とは「チデジ」ではなく「ジデジ」
「地・デザイン・ジャパン」の略だそうです。

迫田さんは22年前に
高知県の西土佐村に移住。
10年間、田んぼ、畑、野山をかけめぐり、
徐々にデザインの仕事をしてきたのだという。

最初は、デザインをして、
米やら梅干しやらの現物をもらっていたのだという。

迫田さんいわく、
便利=目的に最短で行くけどお金がかかる。そして道理がわからない。
不便利=お金はかからないけど、時間がかかる。そうすると道理がわかる。
この「道理」っていうのが本質なんだなあと思いました。

講演はホント面白くって、ずっと笑ってました。

2004年、西土佐のお米「山間米」をデザインし、
グッドデザイン賞を受賞。

2升5号(約5㎏)をパッケージした。
昔は木の枡でコメを図っていたので、

2升5合=枡枡半升(ますますはんじょう)
ということでとても縁起の良い米の量だったのだとか。

迫田さんの作品で
一番心に残ったのは、
「日常を切り取った」ポスター。

単なる村の飲み会を写真にとって、
その真ん中に写った山間米で作ったお酒のポスターをつくる。

この「日常を切り取る」というのが
住んでいる人でないとできない、というのが迫田さんの
作品の魅力だ。

日常を切り取ると、
そこの魅力に、自分も仲間に入りたくなる。

それはその場所に行ってみたい、
ということだったり、
その商品を食べてみたい(飲んでみたい)と
いうことだったりする。

そんな「日常」をデザインし、
どう「日常」を売るか?が迫田さんのデザインの魅力だ。

そしてもうひとつ。
「8合目までのデザイン」

これが迫田デザインの真骨頂だ。
なんとなくよい地域に思えるような8合目までをデザインする。

山はだいたい8合目までは車でいける。
あとの2合目を自力でいけるようにするということ。

西土佐のとなりのまつの町
の雷漬のパッケージデザインをしたときのこと。

キーワードは「てまひま」
労力=手間
時間=暇
をかけたもの、それがてまひま。

あともう一言ほしいんですよね。
と言ったとき、

地元のおばちゃんから
「まつのがおいしい」
と一言。

「待つのが」と「まつの町」を掛けたキャッチコピー。
ここで一同が湧いた。
ああ。
こういう瞬間を生み出すのもデザイナーの仕事なんだなあって。

8合目までつくり、
山頂までの2合を自分たちで登ってもらう。
こういうデザインが世の中に必要なのだろうなあ。

迫田さんからデザインに対する姿勢を学ばせてもらった。
デザイン代は原価に含まれる。
それを何個売ろうと思っているのか、
その本気度が「ブランドプロミス」を生み、
いいデザインを生む。

表面上のテクニックではなく、
根っこを考えたデザイン。
モノを売るのではなく、考え方、思想を売る
デザインがいま、必要なのだなあと感じた。

迫田さんの著者、「四万十日用百貨店」
たしかに痛快です。

素敵な時間をありがとうございました。
  

Posted by ニシダタクジ at 08:02Comments(0)学び

2014年08月06日

なにが欲しいか、は聞かない

久しぶりに朝から万代。
夏休みを実感。

サンマルクカフェでは
朝から充電のできる席は満席。
大きなキャリーバックを持った人たちが
いっぱいでした。
何かイベントあるのでしょうか。

そして、ラブラの紀伊国屋書店へ。
僕はどっちかというとジュンク堂新潟店よりは
紀伊国屋新潟店派なのですが。

昨日は2時間くらい滞在して、
1冊、買ってしまいました。
待ちきれませんでした。


「世界に売るということ」(平野暁臣 プレジデント社)

この著者は
「岡本太郎の仕事論」(日経プレミア)
で読んでいたので、アツイ人だとは知っていた。

(こちらも大学生、20代に特にお勧めしたい1冊です。
大阪万博のときの岡本太郎の気概がわかります)

岡本太郎記念館館長である平野さんの
仕事術的な1冊。

熱いですよ。
いちばんヒットしたのは、
よく言われていることだけど。

思わず買ってしまったのはこの一節。

「何が欲しいかは聞かない」

ヒット商品はユーザーアンケートからは生まれないということ。

「お客さんの好きなものをつくるのではなく、
お客さんの見たこともないもの、
好きになるもの、楽しいもの、欲しくなるものを生み出し、
発信していきたいんです。

いうなればお客さんに聞くのではなく、
「お客さんに教えてあげよう」という超上から目線です。」
(宮脇修一 「好きなことだけで生き抜く力」WAVE出版より)

何を欲しているのかを聞くのではなく考えるということ。
ここから商品は生まれていきます。

かつて、ヘンリーフォードはこう言いました。(本文より)

「もし私が顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう。」

うーん。
なるほど。

その先にあるニーズをいかに想像するか、
そういう時代になっているのですね。

本屋さんにも当てはまる話だなあとすごく思いました。  

Posted by ニシダタクジ at 08:08Comments(0)

2014年08月05日

居心地の良さは、椅子と照明から。

新発田市の設計事務所に訪問。

「LEDで照らされた食べ物はおいしそうに見えない」
から始まった、ちょっとした講座。

飲食店のデザインを多く手掛ける
社長さんの話に引き込まれた。

椅子の高さ。
テーブルとのバランス。
靴を脱ぐのか脱がないのか。

ハロゲンランプとLEDの演色性の違い。
演色性とは、色の再現度合が高いということ。
それを数値化したものが演色評価数である。

スポットライトのような一点光源と
蛍光灯のような違い。
影が出るか出ないか。

なるほど。

空間のチカラ、場のチカラを
考えるにあたって、
とても大切なことを教えていただきました。

「居心地の良さ」は「椅子と照明」から。  

Posted by ニシダタクジ at 06:53Comments(0)学び

2014年08月04日

そこに「愛」と「誇り」があるから

昨日は、新たなる10年の始まりの日でした。
新潟のみなさんは土日に重なる長岡花火に
いったようですね。

僕はというと、
土曜日の19時にお店を早抜けして、
地元の「祭り愛好会」の暑気払いに参加。
まあ、単なる男衆の飲み会なけれですが。

この地域の人たちは本当に
地元を愛し、誇りを持っているんだなあと。

そんな人に包まれる空間は、
やっぱりとても豊かなものだなあと思いました。

24歳の時に、
僕はこの地域にやってきました。

まきどき村の
「人生最高の朝ごはん」の会場となっている
旧庄屋佐藤家を保存するための
「佐藤家保存会」が立ち上がった時でした。

あの飲み会で感じた。
「ああ、この地域の人は地元を愛しているんだなあ」という
あの感覚。

それをまた思い出しました。

翌日曜日は真夏の恒例行事
「魚のつかみ取り」

地元の川をきれいにして、川遊びをしようとする、
「矢垂くらぶ」と若手の集まり「福和会」の主催による、

アユとヤマメのつかみ取りと塩焼き
昨日切った竹でつくった流しそうめんと
子ども会が作る焼きそばという豪華なイベント。

子どもたちは、
川に入って、網で魚を追いかけます。

取った魚を焼きます。
3年目にしてついに、焼き場を担当。



暑いこと熱いこと。
ハンパない汗が流れ出ます。
アサヒスーパードライは飲み放題ですが、
2本が限界です。

またこの焼いた魚がめちゃめちゃ美味いんですよ。
ビールと合わせると夢のようです。
「愛」と「誇り」のあるふるさとは
やっぱり素敵だなあと思いました。
こんな地域で暮らす子どもたちは幸せです。

・文化を創る仕事
・文化をつなぐ仕事
・誇りを取り戻す仕事

をテーマに、新たな10年に向かいます。  

Posted by ニシダタクジ at 06:30Comments(0)日記

2014年08月03日

人生とは自分探しではない。

ひすいこたろうさんが突然の来店。
TBS「いっぷく」に
「名言セラピー幕末スペシャル」が
紹介されたお礼を言われ、うれしかったです。



サンクチュアリ出版の
「常識を疑うことから始めよう」に
サインをしてもらいました。


「常識を疑うことから始めよう」(サンクチュアリ出版)

やっぱこの本が熱いっす。

「人生とは、自分探しではない。自分を創造することだ。」

新しい10年の始まりです。
よろしくお願いいたします。  

Posted by ニシダタクジ at 05:47Comments(0)

2014年08月02日

目の前にある社会を「特殊な社会」だと思えるか?

いま。
僕たちの目の前にある社会は、
「当たり前の社会」なのだろうか。
それとも「特殊な社会」なのだろうか。

「独立国家のつくり方」(坂口恭平)
「目に見えない資本主義」(田坂広志)
「腐る経済」(渡辺格)

あたりを読んでいると、
目の前に広がっている社会こそが
「特殊な社会」なのではないか?という疑問を持つようになる。

就職するために「コミュニケーション力」が重要だ。

と言っている社会は少し不思議な社会だ。

もともとは
コミュニケーションのためにビジネスが始まったのであって、
ビジネスのためにコミュニケーションがあるわけではない。

産業革命は
1800年代前半に起こったとされる。
あれから200年。
富を生み出したのは、おもに「効率化」だった。

もちろん
熱い想いを持って、冷蔵庫やバイクを生み出した
我が国の先人たちもいた。

しかしながら大きい構造でいくと、
「効率化」が富をもたらした。
いや、そうしなければ、
急速に増える人口をカバーできなかった。

「効率化」と「コミュニケーション」は
対立する概念である。

スーパーやファストフード店で店員と長々と、
「今日もいい天気ですね。」とやっていたら、
売り上げはガタ落ちである。

「大量生産」「大量消費」「薄利多売」
のビジネスモデルには
コミュニケーションはむしろデメリットなのである。

だから。
学校ではコミュニケーションを教えない。

日本の学校制度ができたのは、明治以降であるから、
すでに産業の転換が起こり始めてからだ。
そこには「効率化」の思想が大きく取り入れられている。

場の持つチカラは
1 そこを構成する建物(ハード)のチカラ
2 そこを主宰する人(ボス)のチカラ
3 そこに存在する人(学校であれば先生と生徒)のチカラ
から成り立つと思っている。

学校はとくに1の部分に「効率化」の思想が
入りすぎているのではないかと思う。

進学校に行けば、
2と3も「効率化」で進学というゴールに向けてひた走るので
そこに、生徒一人一人の人生が入り込む余地はなかなかない。

そして、コミュニケーションは最小限になる。

ところが。
産業革命から200年が経ち、
ビジネスそのものに変化が訪れた。
わが国では、人口も減少し始めた。

「モノをつくればつくるほど売れる」
という夢のような時代は過去のものとなった。

「価値観の多様化」「ニーズの多様化」と言われ、
お客さんが求めているものがわかりにくくなった。

そこで、「コミュニケーション」が必要となった。
相手のことを思いやり、想像し、提案することが
必要になった。

しかしながら、
「コミュニケーション」は「効率化」の対抗概念であるから、
高度に「効率化」された社会では、
コミュニケーション力を育むのは非常に難しい。

だから。

若者は、(いや、若者ばかりではないのだが、オッサンも。)
コミュニケーション機会を増やし、
本を読まなければならないのだと思う。

もし。
目の前にある社会が「特殊な社会」であるとしたら、
この先はどのような社会になっていくのか?

もしかしたら、未来を予測することと
過去を学ぶことは非常に近いのかもしれない。  

Posted by ニシダタクジ at 07:28Comments(0)日記

2014年08月01日

休みとは、休むためではなく感性を磨くためにある


田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」(渡辺格 講談社)

読み終わりました。
いやあ。
参った。

これです。
売りたかった本は。

ツルハシブックスのど真ん中に天井まで
積み上げたいくらいの本。
そこから放射状に本棚を作っていきたいと思えた、そんな本。

アーティストなパン屋「タルマーリー」。

「天然酵母」
っていう意味を初めて知りました。

1つ400円とかいう高いパンがなぜ高いのか?
というのも知りました。

古民家のパン屋さんが
なぜ増えているのか?を知りました。

「タルマーリー」の挑戦は、
「効率化への挑戦」だけではなく、

「資本主義」という構造的な矛盾の連鎖に
立ち向かうこと。

つまり

~~~ここから一部引用

技術革新によって
「商品」の価値が下がると、
それによって「労働力」の価値が下がる。

するとそれによって「商品」の価値がふたたび下がり、
さらに「労働力」の価値が下がる。

これが「腐らない経済」の宿命だった。

タルマーリーでは、
「職人」が技術と感性を磨き、
「労働力」の「交換価値」を高く保つ。

そして「職人」である生産者がつくった
「交換価値」の高い原材料(商品)を仕入れる。

こうしてひとつひとつの「商品」を丁寧につくり、
「商品」の「交換価値」を高く保っていくことが、
「小商い」が「小商い」であり続けるために必要なことなのだ。

パンに含まれる「使用価値」と「交換価値」を
不当に大きく見せることもなく、
不当に貶めることもなく、
「誰が」「どんなふうに」つくり、
そこにどういう意味があるかを丁寧に丁寧に伝えていく必要がある。

~~~ここまで一部引用

熱い。
静かに熱いなあ。
「価値観」を広げるってこういうことを言うのだろうなあ。

そしてなんといっても、
僕が目を開いたのはここだ。

タルマーリーの営業日は木曜日~日曜日(週4日)。
水曜日は仕込みの日。
月曜日と火曜日はお休みだ。

それはなぜか。
感性を磨くためだと渡辺さんは言う。

「パンに打ち込み、技術を高めていくことは大切。
でもパンしか見えなくなって、世の中が見えなくなってしまうと、
どういうパンを届けるべきかが見えなくなる。

料理や酒、工芸品、音楽など、
ほかのつくり手から刺激を受け、パンづくりのアイデアに活かす。

パン以外のものに触れるこうした時間が、
職人としての感性を磨き、人間としての幅を広げ、
奥行きを深め、見聞を広め、社会の動きを感じとる目を養っていく。

時代に求められるパンをつくり続けるために、
仕事と生活が一体となった暮らしにも、
休みの時間が必要なのだ。」

ううう。
言葉が出ない。

感性を磨いているか?
人間の幅を広げているか?

いい問いかけ。
そういうことのために休みがあるのであって、
休むために休みがあるのではない。

いいなあ。

渡辺さん。
1年たってしまいましたが、
ツルハシブックスは、渡辺さんのタスキ、
たしかに受け取りました。

売りますよ~。  

Posted by ニシダタクジ at 06:34Comments(0)日記