プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 8人
オーナーへメッセージ

2014年09月30日

コモディティしない漁師になる

売れる本には理由があるなあ、
と思った1冊。


「僕は君たちに武器を配りたい」(瀧本哲史 講談社 2011)

京都大学で起業論を教える
瀧本先生の1冊。

これは面白かったなあ。
今更読むのか?
って言われちゃいそうだけど、読みました。

これは、
将来を考える大学生には必読の1冊かもしれません。
どんなキャリアの授業より、
世の中の動きが手に取るようにわかります。

というか。
キャリアの授業でこういう話をしなきゃいけないんじゃないか、って思いました。

「資本主義」というビジネスモデル
は過去2回のモデルチェンジをしている。
いや、まだ残っているものもあるのだけど。

まず、歴史的に、富を生んだのは次の2つであった。
「略奪」と「交易」だ。

「略奪」はもっとも古くからある富を得るモデルで、
簡単に言えば、力づくで奪う、ということである。

秦の始皇帝やチンギスハーン、あるいは海賊などだ。
あるいは、奴隷を連れてきて、
強制的に労働させたコーヒーなどの
プランテーション農業などが「略奪モデル」だ。

次に起こってきたのが
「交易」モデルだ。

インドにそこらじゅうに自生している
スパイスをイギリスに持っていくと、
宝石のように高く売れる。

しかし、その航海はリスクが高い。
そこで、お金を出す人(資本家・投資家)と
船に乗る人(起業家)でリスクを分散し利益を分け合う
ようになった。このとき、資本主義の原始的仕組みがつくられた。

そして、3つ目に出てきた大きな変化が
「生産性革命」である。
いわゆる産業革命のような、
蒸気機関の発明によって、

機械などの人力以外のエネルギーを用いて、
「同じモノをより多く、より短時間で、より安く」
作り出すことができるようになったことを「生産性革命」と呼ぶ。

そして産業は急速に発展し、
自動車は一般のモノとなり、
多くの人がその恩恵にあずかった。

しかし。
技術革新が進むと、
そこで働く人々の熟練の必要がなくなる。

すると、
「コモディティ化」(交換可能化)してくるのである。
つまり、誰でもできる、代わりがいくらでもいる仕事になってしまう。
これが世の中でいま起こっていることだ。

だから、コモディティ化しないように
キャリアをデザインしていくことが必要だと瀧本さんは言う。

この本では
これを漁師に例えて、説明されている。

儲かる漁師と儲からない漁師だ。

儲からない漁師は、自分で何も考えず、ただ人に使われているだけの漁師である。
彼は単なる労働力としてしか見なされず、いなくなったとしても、代わりの漁師を雇えば、
誰も困らない。つまり、「コモディティ」の漁師だ。

それでは、儲かる漁師はどんな働き方をしているのだろうか?

1 とれた魚を墓の場所に運んで売ることができる漁師=トレーダー

2 一人でたくさんの魚をとるスキルを持っている漁師=エキスパート

3 高く売れる魚を作り出すことができた漁師=マーケター

4 魚をとる新たな仕組みを作り出す漁師=イノベーター

5 多くの漁師を支配下に持つ、漁師集団のリーダー=リーダー

6 投資家的な漁師=インベスター(投資家)

このうち、1のトレーダーと2のエキスパートは
どんどん価値を失っていくだろうと著者は言う。

それはインターネットの普及によって、
モノや情報を運ぶコストが限界まで下がったことや

時代の変化が著しく速いので、
専門的知識を手に入れてもそれが陳腐化するのが
早いことが挙げられる。

だから、これからの大学生は
3~6の漁師を目指していく必要がある。

とまあ、こんなイントロダクションで、
詳しくは本書をお読みいただきたいと思う。

こういうマクロ的に社会を斬る本が好きだなあと感じた1冊でした。
瀧本先生、ありがとう。  

Posted by ニシダタクジ at 07:28Comments(0)学び