プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2014年10月07日

そう思った瞬間、本屋の景色が変わった


「重版出来」(松田奈緒子 ビックコミックス)
一箱古本市で買いました。

出版社の仕組みがわかる1冊。
熱いっす。

思い出してしまいました。
サンクチュアリ出版の営業。

1998年11月。
王子のバー「狐の木」の地下、「王子小劇場」で
サンクチュアリ出版主催のお芝居を偶然見に行って、
僕はサンクチュアリ出版に出会った。

「こんなアツイ本が新潟に売ってないなんて、ダメだ。」
と書店営業を志願して、2001年に
「LOVE&FREE」(高橋歩)で営業デビュー。

2004年の「夜回り先生」の大ヒット以降、
「サンクチュアリ出版」の名前は広く知られることになった。

その後、
僕はモチベーションを失っていった。
「サンクチュアリ出版」という会社をほとんど知らない
書店員さんにその存在を熱く伝えることこそ
僕の仕事だと思っていたからだ。

それを変えたのが、
2006年の「イツモイツマデモ」(高橋歩)の
新刊営業ミーティングでの、担当編集、滝本洋平の
言葉だった。



「凛とした感じを出すために、
このフォントで、このバランスで編集しました。」

今思えば、
当たり前のことなのだとと思うのだけど、

あの瞬間。
「そんなにも丁寧に本は作られているのか!!」
と思った。

著者である高橋歩さんの思いを
どうやって読者に伝えるか?
を考え、レイアウトし、本に仕上げていく。

それが編集者の仕事だ。
そしてその編集者の思いを受け取り、
書店員さんに渡すのが営業の仕事だ。

その思った瞬間。
本屋に並んでいる本が
前とは違って見えるようになった。

いままで。
本屋で本を選び、買うということは、
「著者の思い」に直接触れていると思っていた。

でも、そうじゃない。
そこには間に3人の「思いのリレー」を経て、
目の前にあるのだ。

著者の思いを受け取り、
それがどうやったら伝わるかを考え、
編集する編集者。

編集者の思いを受け取り、
どうやって書店に置いてもらうかを考え、
書店を回る営業。

営業の熱い話を聞いて、
お客さんにどうやったら手に取ってもらえるかを考え、
書店に並べる書店員。

この3人の「思いのリレー」を経て、
本たちは目の前にあるのだ。
そんな本だから、光って見えるのだ。

本という「生き物」が
売れるということはきっとそういうことだ。

だからこそ本屋という空間は魅力的なのだと思う。

ツルハシブックスは、
思いをリレーする本屋になりたい。

そしてその先をつくる本屋になりたい。

「劇団員」という仕組みは、
思いのリレーの先をつくっていくことになるのだと思う。

各地域にいるツルハシブックスの劇団員ひとりひとりが、
思いのリレーの最終走者として、
またその思いを誰かにつないでいく。
地下古本コーナー「HAKKUTSU」はきっとそういう仕組みだ。

そんな人たちが
劇団員パスポートを持って、各地を旅する。

そんなことが生まれていったら面白いと思う。

ツルハシブックスは、劇団員第1期生を募集しています。
締め切りは10月31日まで。
詳しくはHPをご確認ください。

http://tsuruhashi.skr.jp/boshu

※NHK総合「ドキュメント20min」の再放送が決まりました。
10月13日(月祝)4:40~5:00(早朝です)
全国放送ですので、皆様のチェックをお願いいたします。

寄贈本も募集しています。  

Posted by ニシダタクジ at 06:03Comments(0)思い