2015年01月06日
成長し続ける企業は試し続ける企業
「ビジョナリーカンパニー 時代を超える生存の原則」(ジェームス・C・コリンズ 日経BP出版センター)
中村さんが新潟に置いていった本。
実は読んだことありませんでしたので、
読んでみました。
冒頭から面白いですね。
「十二の崩れた神話」と題して、
これまで成功する会社に必要だと言われていること
(すぐれたアイデア、カリスマ的指導者の存在など)
を真っ向から否定する。
いいなあ、こういうの。
「モチベーション3.0」(ダニエルピンク 講談社)
(数々の実験を通して、アメとムチが通用しないことを証明している名著)
を読んだ時のような痛快感があるね。
さて、この本の中で、
大学生から20代に向けてのメッセージとして切り抜くなら、
「第七章 大量のものを試して、うまくいったものを残す。」
だろう。
ダーウィンの進化論はビジョナリーカンパニーにも当てはまるのだという。
~~~本文より一部引用
チャールズ・ダーウィンの偉大な進化論の核心は、
だれに指図されたわけでもなく変異(「遺伝子の突然変異」)が起こり、
それが自然淘汰されて種が進化していくことである。
種には、遺伝子の突然変異によって、
いくつかの個体が環境に適応したものになる「かなりの可能性」がある。
環境が変わると、
その環境にとくに適した変異が「淘汰」で
生き残ることになる。
(これが適者生存と呼ばれる過程である)
生き残った変異は種の遺伝子の全体に占める割合が高くなり、
種はその方向に進化していく。
~~~ここまで一部引用
これらの例として、
アメリカンエクスプレスや
ジョンソン&ジョンソン、
ウォルマートなどの事例を出して、
ビジョナリーカンパニー(成長し続ける企業)は
多数の実験を行い、機会をうまくとらえ、
うまくいったものを残し、うまくいかなかったものを手直しするか捨てている。
人生に似ているな、と思った。
予測不可能な時代を生きていくしかない私たちは、
自分自身を「経営」しなければならない。
だから、安易な精神論的な自己啓発本を読むよりも、
「経営」についての本を読んだほうがいいと思う。
生きるとは、働くとは、
ドラッカーの5つの質問に答えていくプロセスそのものだから。
成長し続けるが
大量のものを試し、うまくいったものを残している。
これは、個人の人生には当てはまらないだろうか?
ズバリ、当てはまるだろう。
試し続けるから、
新しい何かを見つけ、成長し続けることができるのである。
大学時代は、20代は、「試してみる」時期だ。
様々なことを試し、うまくいったものを残し、
うまくいかなかったものを捨てていこう。
著者は、あのポストイットを開発した3M社を例に、
以下の5つの学ぶべきことを挙げる。
~~~ここから一部引用
1 「試してみよう、なるべく早く」
何があっても、じっとしていてはだめだ。
活発に動けば、とくに予想もしなかった機会にぶつかったり、
顧客の具体的課題にぶつかったときに動けば変異をつくりだせる。
2 「誤りは必ずあることを認める」
変異のうちどれが成功するかは、あらかじめ予想することができないので、
進化の過程には誤りと失敗がつきものであることを認めるべきである。
3 「小さな一歩を踏み出す」
企業の戦略的な大転換を図りたいのであれば、
「一歩ずつの革命」を起こし、
小さな目に見える成功の力を利用して、
会社全体の戦略に影響を与える方法がある。
4 「社員に必要なだけの自由を与えよう」
自由があれば、計画によらない変異が起こることが可能になる。
社員が自説を主張できる環境が重要だ。
5 「重要なのは仕組みである。着実に時を刻む時計をつくるべきだ。」
1~4までが重要であることはわかっているが、やれない企業が多い。
3Mはそれを称賛する賞をつくるなど、具体的にしている。
そして何よりも
第6の教訓として、
「基本理念を維持することを忘れてはならない」
と著者は付け加える。
~~~ここまで一部引用
基本理念を維持しながら、
大量の実験を繰り返し、うまくいったものを残す。
これこそが成長する企業の条件である。
だとすれば、
私たちも、基本理念を守りながら、
大量に試していくことを始めなければならない。
ツルハシブックスは、実験です。
みんなの力でコミュニティの核となる書店が
支えていけるかどうか。
だから、大量に試し、うまくいったものを残していこうと思います。
参画者になるということ。
その喜びを一緒に味わっていけたらと思います。
ツルハシブックスでは参画して頂くみなさんを
広く募集しています。
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お客のような「共演者」と心を込めて。
今日という「お芝居」をつくっていこう。