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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年02月19日

楽しい仕事、とは興味を持てる仕事のこと


「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」(小暮太一 星海社新書)

いいですね。
経済学部の大学生必読の1冊。

ウソです。
すべての大学生が就職活動前に
読んでおいたほうがいい1冊です。

「使用価値ではなく価値を上げろ」
(=これはマルクスですね。経済学部の人は学んでいるのかも)

「損益分岐点は逃げていく。」
(=働けば働くほど支出が増えるので、満足は得られない)

「成長産業はすぐに技術が陳腐化するので
スキルが積み上がっていかない。」
(=変化が遅い業界のほうが積み上げにより「価値」が上がる)

などなど。
いろんなことが書いてあります。

注目すべきは
自己内利益を増やす。
ということ。

給料の金額がどのように決められているか?というと、
原則として、明日も同じように労働力を再生産してくれる
ギリギリのライン。

で設定されています。
だから、東京では当然、給料が高い。
家賃や食費、交通費など、
労働力を再生産(明日も元気にいってきまーす)
するためのコストが高いからです。

したがって、
東京で働くのと地方で働くのとでは、
「必要経費」が異なるので、給料が変わってくるのです。
つまり。
どちらにしても、金銭的余裕は生まれないということです。
再生産できるぎりぎりの給料でやっているのですから。

したがって、このような状況の時に
がむしゃらに頑張って、成績を上げようとするのには
あまり賛同できないと著者は言います。

なぜなら、頑張るほど、
再生産コスト(ストレス解消で飲みに行ったり、服を買ったり)
が上がっていくからです。

つまり、がんばっても、精神的余裕は生まれなくて
苦しいままです。

では、どうすればいいのか?
著者は「自己内利益を上げろ」
と言っています。
つまり「必要経費」を世間相場よりも下げるか、
「必要経費」を変えずに満足度を上げる

という方法が考えられます。
どういうことか?

世間相場よりも自分が精神的苦痛を感じない仕事
を選ぶということです。
つまり、ストレスを感じない仕事です。

それは「得意な仕事」をする、
というわけではありません。

得意な仕事は作業効率が上がってしまうので、
人の何倍も仕事ができてしまいます。
すると、会社はあくまで時間で雇っているので、
もっとたくさんの仕事がやってきます。
「給料分働いたので、休んでいいです」とはなりません。

企業としてはいい人材を雇ったと思い、
クビになることもないでしょう。
しかし、それで必要経費が下がるわけではないのです。

そして、それは
「好きな仕事」をするという意味でもありません。

「仕事を楽しめ」とよく言われますが、
実際は仕事は仕事であって、遊びではないからです。

ここでこの本のクライマックス(だと僕が思っている)
に突入します。

「楽しい仕事」というのは、「興味を持てる仕事」のことです。
「仕事を楽しもう」、というのは、「仕事に興味を持とう」ということです。

な、なるほど!!

楽しそうに仕事をしている人は、
仕事をゲームのように楽しんでいるというよりも
仕事に興味を持っています。

「このクライアントはどんな課題を持っているのだろう?」
「他社の商品はなぜあれほど売れているのだろう?」
「クレーマーにはどう対応すればスムーズに解決できるだろう」

反対に仕事をつまらないと思っている人は

「クライアントの課題なんて知らないよ。注文されたものを納品すればいいんでしょ」
「他社の商品なんでどうでもいい。自社の担当商品が問題なく売れて、怒られなければ」
「クレーマーとは一切かかわりたくない。担当ちがうし。」

この意識の差が仕事を面白いものにするか
つまらないものにするかの境目なのです。

ネガティブな要素がひとつもない仕事などありえません。
「楽しい仕事をしなさい」と言うと、
嫌なことがひとつでもある仕事は「楽しくない」ので
「そういう仕事はやめていい」となってしまいます。

そうではなく、
「仕事に興味を持つ」ことで、
世間相場よりも必要経費を下げていく。
それによって、自己内利益が確保されるのです。

うーむ。
いい。
全文読みたい方は是非ご購入を。  

Posted by ニシダタクジ at 07:41Comments(0)就職