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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年06月18日

「課題解決」の前に「課題共感」

「課題解決」

高齢社会。
少子化。
消滅可能性都市。

課題先進国ニッポンの中で、
盛んに「課題解決」が叫ばれている。

課題解決の手法もたくさんある。


「地域を変えるデザイン」(筧裕介 英治出版)

僕が主に学んできたのは
コミュニティデザインやソーシャルデザイン
という手法。
つまり、「デザイン」の力で解決するという手法だ。

たとえば、高齢者のひとり暮らしの課題がある。
彼らの安否確認を、民生委員が一軒ずつ家を訪問してやるには限界がある。
そして孤独の中でテレビを見ていると、どうしたって、足腰も脳も衰えていく。

それを何とかしようと思った時に、
他の課題、たとえば、子どもの教育課題である「地域の教育力」という観点から
それらをミックスするのだ。
地域の居場所、あるいは学校に子どもと年寄りを集め、昔の遊びを楽しむ。

このように「組み合わせることで2つの課題が同時に解決できる」
という手法を考えていかなければならない。

もちろん、目の前に見えている課題は
表面上の課題なのであって、
それの本質を突き詰めていかなければならないのは言うまでもない。

僕がこの10年取り組んだ課題は、
「やりたいことがわからない若者」問題であった。
「自信がなくて動けない若者」問題でもあった。
あるいは、「よくわからないけどなんとなく不安である中高生」問題であった。

それらの原因は、
突き詰めていくと、
「夢至上主義という経済社会の要請」
「学校教育という自信を失われるシステム」
「中高のキャリア教育のキャリアデザイン志向」
ではないか?と思っている。

そのひとつひとつに対し、
これから対策を練って実行していくステージにいる。
ツルハシブックスや暗やみ本屋ハックツは、その方法論のひとつだ。

大切なことは、「課題解決」の前に
「課題共感」があることだと思う。
自分ごとになる、と言い換えてもいいかもしれない。

27歳の時、不登校の中学3年生に出会い、
地域の大人との接点が必要だと思った。

本屋をやっている中で、
「やりたいことがわからない」という悩みをもった
就活生に何人も出会った。そしてかなり深刻そうであった。

「行動しなければ自信はつかない。しかし、自信がないから行動できない」
という矛盾の中で、苦しんでいる若者を見てきた。

なんとかしたい。

そう思った。
これが「課題共感」である。

地域課題でも同じだ。
地域に入り込み、対話をし、その課題に共感をする。
そこからしか始まらない。

共感するからこそ、モチベーションが上がり、
課題解決へのエネルギーが湧き、その分、学びが多くなる。

表面上こういう課題を抱えています。
じゃあどう解決しますか?
という手法が大切なのではない。

いや、もちろん解決するのはいいことなのだけど、
大学生がアイデアを出して、単に課題を解決することは
大学生にとってどんな価値があるのだろうか?

地域の課題は、「この場所でどう生き続けていくか?」ということ。
大学生にとっての課題は、「これからどう生きていくか?」ということ。
これらをうまくデザインすることがコーディネーターには求められる。

地域の課題に共感し、寄り添うだけではなく、

大学生の人生の課題、
「自分はこれからどう学び、どう生きていくか?」
「自分は世界とどう対話していくのか?」
「自分はどこからきて、どこへいくのか?」
そんな課題に共感し、寄り添い、プロジェクトをつくっていくこと。

先の見えないこの時代。
誰もが先頭を走っているかもしれないこの時代。
そんな時代に生まれた。
そのことに大学生も僕も
感謝できるようなプロジェクトを生んでいこうと思っています。  

Posted by ニシダタクジ at 07:22Comments(0)思い