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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年06月19日

「役」を取り戻すコミュニティデザイン

公開講座の最終回でした。

高齢社会にシニアはどう生きていくのか?
という問いかけ。
非常に面白い時間となりました。

~~~ここから講義メモ

5 家族との別れ

多世代世帯⇒後継ぎがいる
核家族⇒最後は一人になる

老いる⇒「血縁」「地縁」「職縁」「友縁」が変化する
1980年⇒2002年調査「あなたにとって家族とは?」(神栖市)
3世代同居家族の中でも祖父母が家族と認識されなくなった。

幼稚園児に
「ままごとするとき、どんな役がいるのか?」たずねる。
1 お母さん
2 友だち
3 お父さん
4 ペット
5 おばあちゃん
6 おじいちゃん
※祖父母の役割が消えてきたことを示している

かつて、大切なことは祖父母から伝えられた。
「隔世遺伝」

昔話がなぜ「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。」
と始まるのか?

読み手がおじいちゃんおばあちゃんだったから。
大切なこと=人間としての基本は祖父母から孫へ伝えられた。
・お金がすべてじゃない
・人には親切にしないといけない
・うそをついてはいけない
※学校がなかったから。

かつては役割であふれていた年寄りたち。
現在は家族の中に役割がない。
⇒地域のおじいちゃんおばあちゃんとして役割を持つ。

6 健康との別れ

・西洋の健康観:アトミズム(分節的)、臓器的に見る。
・東洋の健康観:場=ネットワーク、悪いところとバランスを取りながら生きていく。
「風水」=地理学であり、病理学。

「風」=呼吸、「水」=血流
東洋:生気が流れている。気脈⇒病気⇔元気

3つの健康
1 身体
2 精神
3 縁

縁が切れていく⇒キレる子どもたちを生む。

7 情報との別れ

宮崎県のとあるNPO法人の言葉
「お年寄りが一人亡くなるということは、
小さな図書館がなくなるのと同じだ」
聞き取る⇒次世代に渡す。

☆2つの世界をどう生きるか。

「職の世界」⇔「役の世界」
お金とモノ⇔愛と縁

※ボランティアの世界

1 無償性:お金の機能を限定する
お金:比べる道具
ボランティア⇒お金を否定するのではなく、
「比べる」ことを否定する。
人間は比べられない

2 公共性:みんな
人は一人では生きられない。
コモンズの掟=サバンナの木陰
共有・総有

3 自主性・自発性
組織⇔個人
組織があって個人があるのか
個人があって組織があるのか
会社人間として生きる=自分を無くすこと

組織の中に入るのではなく、
ひとりひとりの個がネットワークをつくる

大豆食品組織論

豆腐:1粒1粒すりつぶして真っ白になる⇒すぐつぶれる
がんもどき:大豆以外が生かされている。変わったヤツが役割を果たす:つぶれない
納豆:1粒1粒が生きている。活動すると糸を引く⇒虹色納豆ワーク(ネット)

ボランティアの意味
・福祉ボランティア:人は一人では生きられない
・学習ボランティア:人は本能だけでは生きられない。学ばないと生きられない
・環境ボランティア:食物連鎖の頂点に立つ人間としての責任。地球上で生き残れない
・国際交流ボランティア:人類として連帯しないと生きられない

「職の世界」と「役の世界」のあいだにNPO・ソーシャルビジネスという世界がある
そこに商品をつくっていくこと。

~~~ここまで講義メモ

なるほど。
核家族化は経済の要請だったと思うが、
それによって、年寄りは「高齢者」と区分され、
被支援者となった。

しかし。
本当の支援とは、介護予防の運動をさせるようにするのではなく、
ひとりひとりの「役」を復活させていくことではないだろうか。

それは高齢者ばかりではなく、
「東北オープンアカデミー」のときにも感じたことだが、
働く全世代に必要なことではないだろうか。

ツルハシブックスや暗やみ本屋ハックツ。
そして、これから始まっていく米屋のプロジェクトは、

地域の中でひとりひとりが「役」を取り戻していくという
コミュニティデザインの実験場になっていくのだろうと
強く予感した講座であった。  

Posted by ニシダタクジ at 08:55Comments(0)学び