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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年07月09日

「誇り」という観光資源

http://www2.hokurikutei.or.jp/lib/shiza/shiza09/vol22/topic2/
「北陸の視座 vol22 2009年5月より)

農山村で起こっているのは

人、土地、ムラの空洞化であると言う。
人の空洞化が「過疎」、
土地の空洞化が「中山間地域」、
ムラの空洞化が「限界集落」
という言葉を生んだ。

明治大学の小田切先生によれば、
この根底にあるものは、
「産業政策」や「農業政策」はもちろんであるが、
何よりも

「誇りの空洞化」であるという。

農山村に住んでいる人たち自身が、
自分自身が住み続ける誇りを失い、
子どもたちを都会に出してしまう。

それでは、
誇りとは、いったいなんだろうか。

「人生最高の朝ごはん」が開催される
新潟市西蒲区福井の旧庄屋佐藤家
に参加する地域のじいちゃんたちには、
「誇り」があるように感じられる。

だから、旧庄屋佐藤家は
居心地のよい空間ができるのだなあ。

僕は、まきどき村を始めた1999年。
その翌年の2000年に、それを体感することになる。

まきどき村開墾ツアーという
合宿を開催した。

2泊3日、盛りだくさんのスケジュールで
まきどき村のすべてを体感してもらった、はずだった。

ところが、
東京から来たUさんが、感想で言った一言にびっくりした。
「佐藤家のかや刈りが一番楽しかった」

そうまきどき村体験ツアーの数日後、
彼女だけ旧庄屋佐藤家のイベント、
かや刈りに参加。

屋根の葺き替えのためのかやを刈って、
終わってから酒を飲む、という田舎にありがちなイベント。

なんにもプログラムされていない。
しかし、Uさんはそれが一番楽しかったのだという。
彼女は1年後、再びそのイベントに来た。

観光資源とは、
もしかしたら、「誇り」そのものなのではないか?
地域の人からにじみでる「誇り」を体感したとき、
人はまた来たい、と思うのではないか。

すなわち、
「地方再生」とは、
まず、「誇り」を再生することなのではないか。

この前、常陸太田市の里美で、
折橋地域の人たちがやっている
酒造のリノベーションプロジェクトに参加したとき、
同じような空気感を感じた。
まずは、誇りを体感すること。

うんうん。
この方向性、いけそうだな。

小田切先生の本、読んでみようっと。


「農山村は消滅しない」(小田切徳美 岩波新書)  

Posted by ニシダタクジ at 07:43Comments(0)日記