2015年08月26日
就活システムではこれから生まれていく仕事にアクセスできない。
「仕事の作法」(内田樹 名越康文 橋口いくよ 角川書店)
久しぶりに内田節を聞きたくなって、ブックオフにて購入。
仕事についての雑誌連載をまとめたもの。
こちらからいきなり内田さんのコメントを引用
~~~
社会が変わると必ず新しい仕事が発生する。
いつの時代にもこれまで誰も従事したことがない
仕事が出現してくるはずなんだよ。
そういう新しい仕事を
今のリクルートシステムでは拾えない。
だから、仕事はあるけれど、人が来ないという状態になっている。
今まで誰もやったことがない仕事なんだけど、
誰かやってくれる人いない?
ってアナウンスが流れているんだけど、
パターン通りの就活をしている人たちには、
そのアナウンスメントが聞こえない。
就活している人たちは、
過去の求人情報をベースにして、
それが継続していくという前提で活動しているけれど、
社会ってどんどん変わっていくわけで、
一番面白い仕事って、変わってゆく社会状況の中で、
生まれたばかりの仕事なんだよ。
でもそれは新しい仕事だから
就活的なネットワークに登録されていない。
僕はそれを「コーリング」って呼んでいるの。
就職課の掲示板には出てない。
だから、今の就活システムにはまり込んでいる限り、
本当に新しい仕事、最先端の仕事には構造的にアクセスできない。
~~~ここまで引用
いいですね。
「構造的に」っていつもの内田節が炸裂してる。
そして続けて言います。
▽▽▽ここからさらに引用
自分が何をしたいかわかんないなら、「何か仕事ないかな」って
センサーの感度を上げて待っていればいい。
そういう仕事を探してぼおっとしている人間にだけ
コーリングが聞こえる。
「おまえ暇なんだろ」って。
そういうところからイノベーションが始まる。
オープンマインドでいることが
仕事と出会うためには一番大切なことなんじゃないかな。
△△△ここまで引用
このあとさらに新卒一括採用の弊害として、
多数の会社をおちることによる
自己評価の低下を挙げていた。
それによってひどい雇用条件でも黙って働く人を生んでいると。
まあ、それはともかくとして、
この引用したところは、非常に面白い話です。
こういうふうに「構造的」に見るって好きだなあ。
天職は英語にすると「コーリング(calling)」
つまり、「呼ばれること」だそうだ。
そのコーリングを察知できるかどうか。
それだけオープンマインドを持っているかどうか。
変わりつつある社会の中で、
それでも現在では、テクノロジーと高い感性の持ち主のおかげで、
日本仕事百貨とか、ETIC.のDriveとか、
そういう仕事にもアクセスできる機会も出てきている。
「日本仕事百貨」
http://shigoto100.com/
「Drive」(by ETIC.)
http://www.etic.or.jp/drive/
大切なのは、
オープンマインドと
面白い!を感知する感性。
きっとそれが天職につながっていくのだと思う。
天職とは、仕事の種類ではなく、
「これが私の天職だ」と思える瞬間のことだと僕は思う。
そういう意味では、
コメタクの3人はそれを持っているのではないかなあ。
「Drive」ブログより「お米を炊くことで暮らしの豊かさを伝えたい」
http://www.etic.or.jp/drive/labo/6281