プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2015年08月29日

まわしよみ新聞という入会地(コモンズ)をつくる

入会地。
かつて日本の集落に存在した
共有財産としての山や草刈り場のこと。

そこから人々は
薪用の木や屋根葺き用の萱を調達した。
共有財産、共有地としての場所。
誰の土地でもなかった。

しかしそれは、
明治6年の地租改正によって失われる。
国有地か私有地に分けられることになる。


「まわしよみ新聞のすゝめ」(陸奥賢 まわしよみ新聞実行委員会)

またしてもステキな本に出会ってしまった。

まわしよみ新聞についてはこちらから
http://www.mawashiyomishinbun.info/

本の購入はこちらから
http://www.mawashiyomishinbun.info/archives/2672/

まわしよみ新聞。
一言で説明するのが難しいのだけど
新聞を持ち寄って、
気になる記事を参加者各自が切り取って、
プレゼンして、いちばん面白かったものを
トップ記事として編集しなおして新たな新聞をつくる取り組み。

まあ、それは置いておいて、
僕は、まわしよみ新聞に参加したことはないのだけど、
この本にはシビれた。

まわしよみ新聞はコモンズ(入会地)であるということ。
つまり共有の森であり、対話の森であるということ。

などなど、キーワードにあふれている。
僕がビビっと来たのは以下。

・メディアとソーシャルメディアのあいだ。
・僕らの新聞をつくることでコモンズが生まれる。
・新聞を視読聴のメディアにする。
・・新聞は紙のメディアであるがゆえに、回読性、可搬性、可変性に非常に優れているメディアである。
・男性性の会議ではなく女性性のまわしよみ新聞
・学びの場というより遊びの場でむしろスキルは上がっていく
・露天商の秘訣は視界に入らないこと
・まわしよみ新聞はメディア体験の場でありながらアート体験の場でもある。

などなど。
キーワード満載。

特に第4章の寄稿のところが面白い。
まわしよみ新聞を客観的にとらえての各人のコメントには
うなるばかりだ。

さて。
冒頭の入会地に話を戻す。

地租改正により、
入会地と呼ばれていた共有土地は
私有地と国有地に分けられた。

「もはや現代の日本に入会地は見当たらない。
土地やモノは誰かの所有物であり、
誰のものでもないような、誰のものでもあるような、曖昧な存在は許されない。」

この言葉に凝縮されているように思う。
効率化や管理のために「曖昧な存在」を無くしていった
明治期の日本の姿が見える。

ところが、インターネット空間には
入会地が広がっているのだという。

そんな共有地=コモンズを現代にデザインしていく取り組みとして
まわしよみ新聞がある。

いいなあ。
入会地。
たぶんそれは本屋さんでも同じことなのだろうと思う。
墨田のシェアハウスの思想もそうだなあと。

僕たちはいま、コモンズを必要としている。

その方法のひとつとして、
まわしよみ新聞やツルハシブックスやシェアハウスが
存在しているのだろうと思った1冊でした。  

Posted by ニシダタクジ at 07:09Comments(0)学び