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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年11月05日

答えはいつも「あいだ」を揺れ動いている

中途半端に価値がある。
そんなことを言ったら袋叩きに
あいそうなのだけど。

計画と無計画のあいだ(三島邦弘 河出文庫)


「本の処方箋」でもっとも処方される本。

人生に迷い、もやもやしている人たちが
「なんとかなるかもな~」と思える1冊。
真実はいつも「あいだ」にあるのだと教えてくれる。

「答えなどない」と人は言うけれど、
実はそうではなくて、
答えはいつも「あいだ」を揺れ動いている。

つまり。
ひとりひとりが「考え続ける」ことでしか
答えにはたどりつけない。

いや。
仮にたどりついたとしても、
それは「唯一の答え」では決してないのだから、
やっぱりそこから「考え続ける」ことしかない。

もやもやしている
悩んでいる

それは素晴らしいことだ。
「考え続けること」の入り口に立っているのだから。

高校生でもそうだ。
「勉強しろ。とにかくいい大学に行くんだ。」
それは、「思考停止して勉強しろ」と言っているのと同じだ。

中学生や高校生、大学生の感性をナメてはいけない。
その先に幸せがないことくらい、みんな感性で分かっている。

「わかりやすさ」に価値がある時代があった。

多くの人に一度に大量に伝達するためには、
「わかりやすさ」が必要だった。

テレビや新聞という大メディアが活躍した時代が確かにあった。
それは大量消費・大量消費という経済成長を支えてきたと思う。

しかし、その先に、幸せは無かった。
おそらくは団塊ジュニアより若い世代は
そう実感しているだろう。
わかりやすく画一化された価値観からは、
ひとりひとりの幸せは生まれなかった。

そもそも、その「わかりやすさ」に依拠したマスメディアによる文化づくり戦略
(こんな言葉はおそらくないだろうが)

が通用したのは、
人口が増加し続け、購買力が増え続ける、
という人類史上例のない前提の下だけだったのではないか。

時代は変わった。
すでに「人口減少時代」に突入している。
それは、大変な時代になるのではなく、
単に「特殊な時代」から元に戻ろうとしているのだと思う。

「わかりやすさ」に価値はないのかもしれない。
一度に大量に同じ情報を伝達する必要は、
災害時などの非常時を除いて少なくなってきているのではないか。

特にひとりひとりの生活を充実させる上で、
テレビや新聞などの大メディアの役割は
だんだんと少なくなってきているのではないか?

ひとりひとりが考え、哲学を持ち、取捨選択して
人生を歩んでいかなくては、幸せは手に入らないのではないか。
それは今だからこそ、ではなくて、
そもそも人生とはそういうものだったのではないか。
そうやって江戸時代以前の人は生きてきたのではないか。

そこには「答え」は存在しない。
おそらくはそのことを中学生も高校生も大学生もわかってる。

だから「もやもや」している。
しかし、「もやもや」をむしろ歓迎しよう。
それは思考の入り口に立っているのだから。

人口が増え続け、経済が成長し続けたように見えた
中高生の親世代は、「わかりやすさ」を求めてくる。

しかし。
もう答えはないのだ。

いや、そのときだって答えはなかったのだけど、
大量生産・大量消費という「仮説」が一時的にうまくいっただけだ
(一時的に、と言っても50年くらい長いのだけど)

中学生・高校生がツルハシブックスにやってくるのは、
きっとそこには、謎の「中途半端さ」が存在するからではないか。

本屋さんのように見えるのだけど、
本を売る気があまり感じられないし、
お店に来ている大人も、
本を買いに来ているみたいじゃないし。

でもなんか楽しそうで、
よくわからないけど、居心地の良い空間。

そう。
ツルハシブックスは「あいだ」に中途半端に
存在している空間。

ビジネスとデザインとアートの
三角形の真ん中をゆらゆらと揺れ動いている空間。

ビジネスの目的は、経済的価値を追求すること
デザインの目的は、課題を解決すること
アートの目的は、ひとりひとりの当り前に問いを投げかけること

それぞれを中途半端に追求している場、
それがツルハシブックスなのだろうと思う。

成功するには「集中力」が必要だとよく言われる。
だからこの中途半端さは、弱みでもある。

しかし、揺れる若者、特に中学生高校生大学生にとっての価値が、
もしかしたらその「中途半端さ」に存在するかもしれない。

そんな仮説を胸に、
昨日のブログに書いた3人の顧客のために、
これからのツルハシブックスを創っていきたい。

「あいだ」にある価値を探しにいこう。  

Posted by ニシダタクジ at 07:09Comments(0)学び