プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年11月14日

誰のための図書館?

図書館総合展内の
ライブラリーオブザイヤー2015
にお邪魔してきました。


最終候補4団体に
塩尻市立図書館「えんぱーく」と
下北沢のB&Bが最終ノミネートされていました。

塩尻市立図書館「えんぱーく」には、
昨年の7月に「本の寺子屋」で
松井さんとご一緒させてもらって、
その後12月の古本市&クリスマス会でも出店しました。

その時に構想していたのが
「屋台のある図書館」

図書館内で高校生が地元の野菜や果物の
ジュースや加工品を販売するような屋台を
やりながら、それに関連する図書を並べる、
みたいなのができたら楽しいなあと。

今回は大賞だった
多治見市図書館に次いで次点だったのですが、
僕はあらためて、誰のための図書館なのか?
という問いが浮かび上がってきました。

「図書館」を本当に必要としている人は?
その人たちにとって「図書館」の持つ機能とは?
そして「図書館」にとっての成果とは?

まさに
顧客は誰か?
顧客にとっての価値は何か?
成果は何か?
というドラッカーの質問を考えていました。

「地方創生」が叫ばれるいま、
「図書館」が果たすことができる役割として、

中学生高校生が地元のことを好きになる、
ということがあると思います。

そのためには、まず
「安心空間」としての「居場所」があり、
そこを出発点に、地域の人や活動との出会いがあること、

そして活動に参加・参画することで
地域の人や活動を好きになること。

この繰り返しが、
その地域の未来を創っていくのだろうと思います。

一度、出て行ったとしても、帰ってくる。
帰ってこなくても、地域のことにかかわり続けてくれるような
そんな大人を生んでいけると思います。

そういう意味では、
塩尻市立図書館「えんぱーく」は
非常に大きな可能性を持っていると私は思います。

昨年12月に構想していた「屋台のある図書館」
(実現はしませんでしたが)
のために8月に信州大学の杉田さんと
えんぱーく3Fのフリースペースにいた、高校生に話を聞きました。

すると、彼女たちは、
「お菓子を食べに来た」
というのです。

コンビニで買ったお菓子を食べながら、
話をするために、「図書館」にやってきているのです。

僕はその事実に大きな「可能性」を感じました。

~~~以下、「えんぱーく」屋台のある図書館物語(空想の世界)

たまたま、友達と話をしに来た図書館。
そこに、高校生が屋台をやっていたとする。
よく見ると、中学の同級生だ。
「なにやってるの?」と聞く。

おもしろそうなことやっているな、と
自分もやってみることにする。

ぶどう農家さんにインタビューしに行って、
ジュースを試作し、POPをつくる。

屋台当日。
しかし、なかなか売れない。

もっと塩尻のことや売り方のことを
知る必要がある、と感じる。

屋台の隣にあった本を借りて読む。

~~~ここまで、「屋台のある図書館」物語

こうやって、本を読む高校生が誕生していくという仮説です。

塩尻図書館の館長が最後にコメントしていたけど、
本を借りる20%だけではなく、
本を借りない80%の人にもアプローチできる
「図書館」を目指す。

それってストーリーとしてはこんな感じな気がします。

僕たちのやっている「暗やみ本屋ハックツ」も
コンセプトは似ています。

中高生に「手紙」を届ける本屋さん。

100円なのだけど「本を買う」ということが、
その本を「読む」ことにつながります。

大切なのは、
「本を借りること」(貸出冊数)ではなく、
「本を読むこと」であり、「本と出会うこと」
です。

特に中学生高校生にとっては、
その要素は大きいだろうと思います。

「図書館」の顧客を、中学生高校生に設定してみるとします。

彼らがほしいのは、
「偶然」であり、「きっかけ」です。
大人たちが願っているのは、
「本との出会い」で人生が豊かになることです。

そのために、「えんぱーく」のようなハードと
ハックツのようなソフトが組み合わさった
「これからの図書館」が作られていくことを心から願います。

今日も「図書館」では
誰かが1冊の本を待っているし、
1冊の本が、誰かを待っています。  

Posted by ニシダタクジ at 09:03Comments(0)日記