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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年11月22日

「成功モデル」という思考停止

僕が大学時代に環境問題を学んで
もっとも感じたことは、

不幸の源泉は「思考停止」である。
ということだ。

経済至上主義。
大量生産、大量消費、大量廃棄。

その原因は、マスメディアのCMに
多くの人が「消費にこそ幸せがある」
と心動かされ、消費に走ったことだ。

「この微生物技術で、自動車の排気ガスは
環境を汚染しなくなる。」

と言った微生物研究の学者の一言に、
強烈な違和感を感じた。
「えっ。環境問題ってそういう問題なのか?」
と。

大量生産・消費を維持したまま
技術の力で解決すること。
そこに何か意味はあるのか?
それで本当に幸せになれるのか?

そんな強烈な問いを持った。

誰も幸せになってない。
消費にこそ幸せがある、と思い込まされているだけだ。

そこには、巧妙に仕掛けられた「思考停止」の罠がある。
(単なるマスメディアCMだけど)


昨日は長岡市木沢(旧川口町)で焼き芋していました。
「これからの学びの場の話をしよう」という会でした。

そんな中で人はなぜ「移住」するのか?
というテーマに行く。

全国で取り組まれている地域おこし協力隊。
その成功事例について、話をした。

おそらく、現在、地域おこし協力隊の成功事例として
上げられているのは、

3年間の現地生活の後、
そのまま定住して起業・あるいは就職した、みたいな例であろう。
そしてそのために必要なのは、
受け入れ担当者(特に行政担当)のビジネス化への仮説と情熱である。

地元を知り尽くした行政マンが
ビジネス化の仮説を立てて、
そこに向けて必要な人材をイメージし、
その人に向けてメッセージを発する。

その人材が運よくマッチングした時に、
「成功事例」が生まれる。
そんな「方程式」を理想とする。

世の中は極度に「効率化」された。
地域づくり、まちづくりも「科学」になった。

再現率。
費用対効果。
最短時間で最大効果。

しかしそこに罠がある。
「効率化」は「思考停止」につながっているということ。
「わかりやすさ」は「思考停止」につながってしまうということ。

本当はそこにニーズはないのかもしれない。
若い世代は、「考え続けたい」、のかもしれない。

「成功モデル」にならって、プロジェクトを設計して、
明確な課題に挑んでいく。

そこに魅力はないのかもしれない。

もしそこに魅力を感じてしまうとしたら、
おそらくそこには思考停止と並ぶもうひとうの闇である
「承認欲求不全」がある。

承認欲求が満たされない。
それを満たすために「人の役に立つ」
という動機だ。

予測不可能な社会に突入している。
しかし、それは「未曽有の事態」などでは決してなく、
本来の姿である。

予測可能だった奇跡の時代が
60年、あるいは150年も続いただけだ。

予測不可能社会を生きていくために必要なこと。
それはもちろん「考え続けること」と「行動し続けること」だろう。

どこかの地域の「成功モデル」を
真似して、あるいは自分の地域なりにマイナーチェンジして
課題を明確にしてプロジェクトを設計することではない。

そういった意味では、
現在の「野放し状態」の地域おこし協力隊は、
自立型の人材にとっては、大きなチャンスであると言えるだろう。

課題はおそらく、
一緒に考え続ける地元のキーマンと
コーディネーター的第3者の設定なのかもしれない。

「成功モデル」に思考停止してはならない。
考え続け、動き続けること。

その繰り返しで自分と地域と社会の未来をつくっていこう。  

Posted by ニシダタクジ at 05:18Comments(0)日記