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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2016年05月03日

コミュニティ・デザインからコモンズ・デザインへ

「まわしよみ新聞」をスタートさせた陸奥賢さんの
「近代国家社会とコミュニティの限界」
についての言及が面白くて、
大阪でイベントをすることになった。

私たちが日本国民であると当たり前に思っているような
「近代国家社会」は、実は明治時代以降の話である。

たしかに、豊臣秀吉の日本統一から江戸時代になって、
日本は国という単位の統治のもとに社会を動かしてきた。

しかし、
そのときの国は「藩」であり、
他藩に旅をするのは、今でいう海外旅行のような
ものだった。

したがって、日本全体を我が国、
他を外国と認識するのは、近代国家社会の成立後、
つまり戦争をするようになってからである。

その境目で、
日本は「強い国をつくる」というスローガンのもと、
国に権限を集中し始める。

学校制度をつくり、
工場と軍隊で働ける人を大量に生み出した。

一方で、これまでの農村コミュニティは
だんだんと切断されていった。

それは戦後、さらに大きくシフトする。
コミュニティではなく、国家が人を守る。
国民皆保険。
義務教育。

これらも仮説にすぎない。
そしてその仮説は、人口が増え続ける、
という必要条件のもとにのみ、機能する。

だから、人口減少社会に転じたいま。
機能しなくなってきている。
タックスヘイブンの存在がそれを証明している。

「生き延びるために何をするか?」
これは動物の本能である。

会社が「法人」であるとすると、
生き延びるために何をするか?
たとえ国家が倒れても
「法人」として生き延びようとするだろう。

そんな近代国家社会が終わりつつあるとき、
僕たちはどうやって生き延びるのか?

ひとつは、
コミュニティを強化すること。

いまの「コミュニティ・デザイン」の流れはおそらくそうだ。
コミュニティをもう一度つなぎ直し、
自分たちのセーフティネットをふたたびつくっていこうとする動き。

しかし、残念ながらコミュニティはその性格上どんどん閉じていく。
構成員を守るためには、閉じることがもっとも有効だからだ。

しかし、この変化の時代、いや人口減少社会において、
閉じていくことは、生き延びれないを同時に意味している。

だから、コモンズ(共有地)が必要なのではないか?
と陸奥さんは言う。

コミュニティの内と外をつなぐ共有地が
必要なのではないか。

「ゲストハウス」ってそういう場所なのではないか、

いや、
ツルハシブックスもまきどき村もそういう場所なのではないか、
と。

ということで、また今度まとめてみます。  

Posted by ニシダタクジ at 06:55Comments(0)日記