2017年05月10日
現代の聖職者
「情報の文明学」(梅棹忠夫 中公文庫)
まさかの。
おととい読んでいた本に引用されていたので、
ほしいなあと思っていたら、近所のブックオフにありました。
108円。読書運、まだまだあるね。
まだ読み始めだけど
面白かったので。
情報業の先駆者たち、と題された
「情報産業としての教育、宗教」の項
~~~以下引用
より組織的に、情報を売ることを
業務としてのは「教育」の仕事であった。
現実に、一定の情報を伝達することによって、
伝達者の生活がまかなわれ、
伝達組織が維持されるものである以上は、
基本的構造は同じである。
その意味では、
組織化された教育制度そのものが、
現代における情報産業の先駆型なのである。
その意味からも、
ラジオ、テレビの放送人たちを
「現代の聖職者」とよんでも、かならずしも
見当ちがいではないはずである。
宗教集団とは、
神を情報源とするところの、情報伝達者の組織である。
「神聖化」という特殊処理をうけた
一定のタイプの情報を大衆に伝達すれば、
その伝達行為によって生活をささえることが
できるということを発見したとき、情報業の先駆形態としての
宗教が発生し、職業的宗教家が誕生したのであった。
~~~以上引用
なるほど。
情報産業というのは、現代において生まれたものではなく、
昔から存在し、教育と宗教もそれによって、
職業として成り立つ(すなわち食べていける)としたら
それは情報産業に他ならないのだという。
うむうむ。
まだ読み進めていないので、
どう展開するかわからないのだけど、
そこに近代社会的な「効率化」が加わると、
何かが変化するのかなと思う。
効率化は記号化を生み、
システム化は、提供者と消費者の違いを生む。
これはおもしろそうです。