2017年08月19日
まちゼミという問い
「第4回首都圏まちゼミ交流会」に参加してきました。
ミスターまちゼミの松井洋一郎さんと
ツルハシブックスもご紹介いただいた「商業界」
の笹井清範さんに会いたくて行ってきました。
「商店街はなぜ滅びるのか?」著者の新さんと
中小企業基盤整備機構の長坂さんと
豪華メンバーのパネルも熱かったっす。
まちゼミについては、コチラの本を。
まちゼミ(松井洋一郎 商業界)
現在全国300地域以上で行われているまちゼミ。
「まちゼミ」とは、店主やスタッフたちが講師となって、
店内で少数の受講者を相手に行う無料講座です。
(「まちゼミ」より)
僕が松井さんの話を初めて聞いたのは、
2012年の12月、村上市だった。
「モノを売るのは、こんなにも美しい」
http://hero.niiblo.jp/e220280.html
(2012.12.14)
その後、2月に内野の商工会でも講演をお願いした。
2年前からあなたの店で買おうと決めていた
http://hero.niiblo.jp/e235086.html
(2013.2.7)
内野町でもまちゼミをやりたい!
と思いましたが、なかなか各商店主さんを
巻き込んでやるのは難しかったので、
2014年3月に、大学生だった野島さんを中心とした実行委員会で
「うちのまち なじみのお店 ものがたり」として
10店舗10講座を実施した。
味噌を買いに商店へ(2014.3.16)
http://hero.niiblo.jp/e380403.html
「ものがたり」のものがたり(2014.3.17)
http://hero.niiblo.jp/e381128.html
いま思うと、
この講座から、飯塚商店さんや大口屋さんとの
関係性を深まって、コメタクやいろんなコラボが
生まれたんだなあと。
そんな原点を思い出させてくれる松井さんの講演でした。
「まちゼミ」をやるとどうなるか?
・新規顧客との出会い
受講生の約2割がお客になってくれる。
・離店客の防止
新規よりも5分の1の労力で来店してくれる。
・マーケティング・経営革新
お客様の声を聴き続けることで必要とされる店になる。
・自身の学び、自己実現
お客さんに教えること、得意なことを考えることで新しい自分になる。
・よい店としてのチラシでPR
チラシに講座が載るだけでもPRになる。
・連携・仲間づくり・コラボ
個店同士が連携してお客さんを紹介しあうなど。
印象に残った事例がとあるピアノ教室の話。
はじめてまちゼミに取り組む店主から、
まちゼミって興味はあるけど、何をやったらいいの?
って質問されるときが多いのだという。
そんなとき、
「何が得意なの?好きなの?」
って問いかける。
そのピアノ教室の先生は、
「ピアノ教えてるけど、実は歌を歌うのが好きなの」
って。
それで、歌の講座を開くことになった。
受講したのはおもに60代の女性。
たいへん好評で、
なんと、週1回歌の教室も開くことになったのだという。
松井さんは、講演でも著書の中でも言います。
~~~ここから「まちゼミ」より引用
店をなんとかしたい、なんとかできると信じ、
行動し続けることが「店の活性化」です。
昨日よりも今日一つだけでも新しい売り方を
試してみた、わずかだけれど、経営革新を試みてみた。
-それをやり続けることが「店の活性化」です。
なんとかしたいと前に進み続ける店が集まったとき、
本当に求められる商店街ができあがります。
「自分には地域のためにまだまだやれることがある」
と信じる店が数多くできて蓄積したとき、商店街活性化は
現実のものとなります。
そして、まだまだやれることがあると思える人たちが
まち全体に増えれば、それが「まちの活性化」になるはずです。
地域の人たちに必要とされ、
新しい価値をつくり続けられる店を運営していくことが
「店の活性化」です。
必要とされる店が集まったとき、「商店街の活性化」が実現します。
そして、一つひとつの店が地域全体に思いをはせ、
地域の人たち一人ひとりがお互いの幸せを
心から願うようになれば「地域の活性化」が実現するでしょう。
人が意欲を持ち続けることこそが「活性化」なのです。
~~~ここまで「まちゼミ」より引用
そうそう。
そうそうって。
まだまだやれることがある。
その通りだなあって。
まちゼミは、
ひとつの問いなんだなって。
活性化って何?
商店街って何?
お客さんが求めていることは?
商店主としてできることは?
ほかの店と連携できることは?
活性化のその先に、何があるの?
パネルディスカッションで笹井さんが言っていた。
業績がいい店に共通するのは、
「何のために商売をするのか?」という問いを
考え続け、答え続けていることなのだという。
店の価値は安い、便利といった「生活必需の店」から
付加価値、個性、コミュニケーションといった「人生充足の店」
へとシフトしている。
まちゼミとは、その「人生充足の店」の何かを作るのだと。
そして、それを
自分ひとりではなく、仲間と一緒に学びあい、
高めあいながら探していくこと。
「連携」というのは、「共に学ぶ」ことなのだと感じた。
そのミッション。
「学びあいで希望は生まれる」
僕が29歳の時に吉田松陰の「野山獄」のエピソード
でもっとも衝撃を受けたこと。
松井さんは、
まちゼミというツールを使って、
そんな「場」を全国に作っていっているのだろう。
交流会で
「商店街はなぜ滅びるのか」(光文社新書)の
新雅史さんが松井さんと話しながらこんなことを言っていた。
「模倣」じゃなくて、「感染」。
松井さんには感染力がある、と。
そうそう。
僕もそれに感染されたひとり。
まちゼミは、答えじゃなくて、モデルじゃなくて、
「問い」そのもの。
商店街って必要ですか?
あなたのお店のお客さんにとって価値はなんですか?
活性化ってなんですか?
どうやってそれを実現しますか?
そんな問いだらけの事業、それがきっとまちゼミなんだな。
やっぱ、カッコよかったっす。
いってよかった。
ありがとうございました。