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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2017年12月08日

美意識とクリティカル・シンキング


世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
経営における「アート」と「サイエンス」 (山口周 光文社新書)

いやあ、ホント、いい本。
僕にとってめちゃめちゃ刺さる。
グサグサくる。
ドキドキするわ、ほんとに。

昨年の「コミュニティ難民のススメ」以来の衝撃。
タイムリーな本をありがとうスタンダードブックストア。

~~~今日のメモ

「イノベーションが競争の鍵だ」ということを誰もが言うようになったということは、
つまりすでにイノベーションは競争の鍵ではない、ということでもあります。

競争戦略というのは差別化を追求するわけですから、
皆が同じ目標を掲げて走っているという現在の状況の先に、
大きな見返りがあるとは考えられない。

問題になるのは「イノベーションのその先」に何を追求するか、ということです。
このパースペクティブを持たないままに、
「イノベーションの実現」だけをゴールに走るのは非常に危険だと思います

世界観とストーリーは決してコピーすることができない。

デザインとテクノロジーはコピーできるが、ストーリー性だけは、
コピーされてもオリジナル価値が揺るがない最後の価値である

アカウンタビリティとは要するに「言語化できる」ということであり、
言語化できることは全てコピーできるということです。

ノート型パソコンというイノベーションを生み出したのは東芝でした。
優れたイノベーションは、それが優れていればいるほど、即座にコピーされることになります。
デザインとテクノロジーはサイエンスの力によって容易、かつ徹底的にコピーすることが可能だからです。

人生を評価する自分なりのモノサシを持ちなさい

これからのビジネスリーダーの素養として、最も重要な要素は何か
それはセルフアウェアネス=自己認識である。
つまり、自分の状況認識、自分の強みや弱み、
自分の価値観や志向性など、自分の内側にあるものに気づく力のことです。

「システムに良く適応する」ということと、「より良い生を営む」というのは、全く違うことだからです。

「誠実性」というコンピテンシーを高い水準で発揮している人は、
外部から与えられたルールや規則ではなく、
自分の中にある基準に照らして、難しい判断をしています。

「悪とは、システムを無批判に受け入れることである。」ハンナ・アーレント

「悪」というものが、システムを受け入れ、それに実直に従おうとする「誠実さ」によって、
引き起こされるものだとすれば、私たちは、「悪」に手を染めないために、どうすればいいのか?

「システムを相対化すること」しかありません。

自分なりの「美意識」を持ち、その美意識に照らしてシステムを批判的に見ることでしか、
私たちは「悪」から遠ざかるすべはないのです。

一方でシステムから排除されてしまえば、社会的な成功を収めることは難しい。
ここに私たちが向き合っている大変難しい問題があります。

「システムを批判的に対象化する」ということは、
そのまま「システムを全否定する」ことを意味するわけではありません。

システムを修正できるのは、システムに適応している人だけです。
つまりエリートの役割なのです。

~~~ここまで今日のメモ

やっとタイトルの意味が分かった。
エリートこそがシステムを修正できる。
そしてそれに気づくのは美意識の力だ。

オウム真理教事件が引き起こされたのは、
システムへの過度の適応と美意識の欠如だった。

美しさを鍛えながら、
クリティカル・シンキングというか、
相対的にシステムを見ることが必要だ。

本を読み、美意識を磨き、
目の前のことをどう感じるのか、
表現していくこと。

それは本当ですか?
と問いかけること。

たとえば、
「自分に自信がない」っていうのは
ダメなことだと思えるけど、
それは本当にダメなことなのか?

ひとりでは何もできない。ということは、
言い方を変えれば、
必ず誰かと一緒にやるということ。

それっていま、むしろ求められてるんじゃないの?
そういう発想。
フラットな関係性の中でプラスを掛け合わせていく。

そういう中で「美しい」に出会うこと。
「美しくない」と思うことはやめること。

その繰り返しで、
自らの「美意識」を鍛えること。
それが一番、大学時代に必要なことなんじゃないのか?

本棚で世界観を表現しあい、
ときに本を売り、ときに人と出会う場となり、
ミーティングファシリテーションを学び、
さまざまなプロジェクトを生み出し、
美しいかどうか振り返り、
その繰り返しによって、
未来が創られていくような、

そんな本屋をつくりたい。  

Posted by ニシダタクジ at 08:38Comments(0)