2018年02月20日
本のある空間という祈り
「センスオブワンダーを探して」(福岡伸一 阿川佐和子 だいわ文庫)
名古屋のちくさ正文館本店で購入。
いついってもほしい本だらけです。
今回は泣く泣く3冊に絞りました。
そのうちの1冊。
「生物と無生物のあいだ」の福岡さんと
「聞く力」の阿川さん。
対談本ってあんまり得意じゃないのだけど
この本はするする来ます。
序盤のハイライトを紹介します。
阿川さんは、石井桃子さんが始めた私設図書室「かつら文庫」
に子どものころ通っていたが、
ほかの子どもが次々と大作を読破する中で、
さんざん外で遊んだあとに、文字の少なくて絵が多い、
「せいめいのれきし」や「ちいさいおうち」などを読んでいたという。
「かつら文庫50周年の集い」で
石井さんのお弟子さんで、児童文学者の
松岡享子さんの講演で
「子どもの感受性は大人になってからでは取り返しがつかない」
と聞いて、「今から読んでも無駄なんだ」と悲しくなったのだという。
そしてトークショーで松岡さんと一緒になったとき、
思わず言ったという。
~~~以下本文より引用
「私は本当にダメな子でした。
かつら文庫に通っていたほかの子どもたちと違って、
あんまり本を読まなかったし」とお話したら、
「大丈夫よ、佐和子ちゃんはたくさん本のオーラを
浴びて育ったから、それがちゃんと残ってる」
というような言葉で励ましてくださったんです。
~~~ここまで本文より引用
そっか!
本のオーラを浴びるだけでいいんだ。
そのあとに紹介される石井桃子さんの言葉も素敵です。
「子どもたちよ。子ども時代をしっかりと楽しんでください。
大人になってから、老人になってから、
あなたを支えてくれるのは子ども時代の『あなた』です」
うわ~。
そうなんだよね。
子ども時代はちゃんと遊ばないとね。
って。
かつら文庫には、そんな「祈り」が詰まっていたのだろうな。
「本」というものが、著者の「祈り」を形にしたものだとしたら、
「本棚」っていうのは、本棚のつくりての「祈り」そのものだ。
そこからは、
「本のオーラ」が確実に出ていて、
それを感じるだけで、何かが動いていく。
「暗やみ本屋ハックツ」で
暗やみの中にあるのは、
本を寄贈してくれたひとりひとりの「手紙」であり、「祈り」だ。
それを感じることだけでも、何かになるような気がした。
3月4日まで、
東京都練馬区関町図書館(最寄駅:西武新宿線・武蔵関駅)で
「暗やみ本屋ハックツが関町図書館にやってくる!」
を開催中です。
https://www.lib.nerima.tokyo.jp/event/detail/2202
3月4日には僕も行きます。
本のオーラ、感じに来てください。