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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2018年09月25日

「夢」や「目標」にアイデンティティを依存しないこと

「やりたいことがわからない」
ことがつらいのは(つらく感じるのは)、

心はやりたいことを決めるべきではない。
(価値を固定すべきではない)
キャリアデザインではなくキャリアドリフト的な
生き方がいいと直感ではわかっているのだけど。

教育によって、
「目標のある人生に価値がある。」
と思い込んでいる(思い込まされている)から、
そのギャップがつらいのと。

もうひとつは、
夢、目標に、自らのアイデンティティ(存在意義・存在承認)
を依存するしかないからだろうと思う。

ひとつに、
「地域」コミュニティの崩壊。
またひとつに、
「会社」コミュニティの崩壊。

それは同時に
「地域」アイデンティティの崩壊と「会社」アイデンティティの崩壊
を意味する。

いまだに町人総出の祭りのある地域の
出身の人たちには、何とも言えない自信がある。
それは「誇り」と呼べるようなものかもしれない。

その要因のひとつは、
「地域」アイデンティティが備わっている人たちだからだと思う。

かつてはどこの会社に勤めているか?
がその人のアイデンティティだった。
ほとんどの会社員が定年まで働くという
状況の中で、会社は家族であったし、会社と自分は一体だった。

2012年3月26日に書いたブログ
「アイデンティティ・クライシス」
http://hero.niiblo.jp/e162894.html

で、若者が直面する最大の危機は
アイデンティティの危機であり、
それは「役割の喪失」からくる、と書いている。

毎週日曜日(冬季のぞく)に
「人生最高の朝ごはん」が開催されている
新潟市西蒲区福井地区。


そこのじいちゃんたちに会い、
「誇り」そして「役割」こそがアイデンティティの源泉だと思った。
だから、「役割」を持たなければならない。と思っていた。

いま、そんな「誇り」や「役割」のあるコミュニティは
数えるほどしかない。

一方、学校社会は、「キャリア教育」の名の下、
早期のキャリア目標の設定を迫る。
親戚のおじさんは、正月に、甥っ子姪っ子に対して、
「将来何になりたいんだ?」と聞く。

いまなら、タカアンドトシばりに「昭和かっ!」
って額を叩いてやりたいところだけど。

まるで、「夢がなければ、人に非ず」
と言っているようなものだ。

そう。
「夢」や「目標」がアイデンティティに直結していること。
それが現代の若者の生きづらさの一つの要因となっていると思う。

その前提を疑うこと。

昨日、「常識を疑うことから始めよう」(ひすいこたろう・石井しおり サンクチュアリ出版)
を読み直していて、「前提を疑う」ことってとても大切だなと思った。


例:
「常識とは18歳までに培った偏見のコレクションである」(アインシュタイン)

教育の奥にあるものを考えること。
「夢」や「目標」にアイデンティティを依存しないこと。

かといって、アイデンティティを「役割」に求めるのは
少しズレてくるように思う。
「役割」には「承認」が必要だから。

6年前のブログにも書いているけど、
「人のためになる仕事がしたい」という大学生の欲求は
「役割を持つことで承認されたい」だと思う。

「承認されたい」という病(というか本能)に気づくこと。
場(プロジェクト)の一員となり、役を演じること。

「役割」ではなくて、「役を演じる」くらいの
軽やかさで、人生を生きていければいい。

「やりたいことがわからない」
とアイデンティティの問題は根深い。

僕はそれを場のチカラで超えていけると思っている。
「アイデンティティ」も「個人」も場に溶けてしまえばいいと思っている。

そういう意味では、「イナカレッジ」という地域と一体化する1か月の
プログラムは、そういう設計になっているのかもしれないと思った。
地域の「誇り」や「地域愛」に包まれる1か月。

そこから始まる何かがあるような気がする。
これ、イナカレッジ参加者に聞いてみたいなあ。




写真は出雲崎・海チーム(2018.9.22)  

Posted by ニシダタクジ at 08:21Comments(0)学び