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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2019年01月06日

向き合わずに一緒に本棚を見る

「本の処方箋」というコンテンツがある。


「問診票」を書いてもらい、
話を聞きながら、
3冊ほどの本を提案する。

1つ目が悩みにストレートで応える本
コミュニケーションに悩んでいればコミュニケーションの本。

2つ目が悩みに対して変化球で応える本
こういう見方もできるんじゃないか?っていう本。

3つ目が話とは全然関係ないけど、
話していて頭に浮かんだ本、だ。

夏の長野・木崎湖での
「アルプスブックキャンプ」では好評の企画で
4年連続で処方箋をやっている。
白衣や聴診器といった小道具もある。

僕がこのコンテンツの力を知ったのは、
ツルハシブックスで、初めて来店したお客さんに声をかけたときだった。

大学4年生。
就職活動中。
「いま、本の処方箋っていうのをやっているんで、よかったら」

当然、就職活動の悩みから話が始まった。
ところが、その後、彼女の口から出た言葉に驚いた。

「お姉ちゃんと違って、私は母から愛されていない気がするんです」

衝撃を受けた。
いま、会ったばかりの本屋の店主に、そんな悩みを相談するだろうか。
いや、何より、本屋のおじさんにそんな話をしても、解決するはずがない。

僕はただ、話を聞いていた。
たしか、1冊の本も処方していない。
(まさか「嫌われる勇気」(岸見一郎)とかを差し出せないでしょう。笑)

「すごい。」

と思った。
「本の処方箋」がすごいって思った。

初対面の人にそんなにも話ができるっていうのがすごいって思った。
これは、「オープンマインド」をつくる
コミュニケーションデザインとして非常に優れているツールだと思った。

人に悩みを話す。
その悩みが重ければ重いほど、根源的であればあるほど、話しづらい。
まわりの友人には気楽には話せない。

ところが、
「それを聞いて本を選ぶ」と言ってきた本屋の店主には、それを話すことができる。

それは、本くらいでは、その悩みは解決するはずがないと思っているから。
気分が気楽なのだ。

もうひとつ。
「旅する図書館」という企画で一緒だった岡島さんに言われて、気が付いたこと。

「そうやって若者と向き合ってるんですね。」

「!!!」

気づいた。
向き合ってない。
僕は向き合ってなかったのだった。

話を聞いているフリをしながら、
もう半分の脳は、「何の本にしようかなあ」って
本を選んでいるんだ。

「本の処方箋」のとき、
2人の視線というか感覚は本棚のほうを向いている。
それが重要なのではないかと思った。

「本の処方箋」というコミュニケーション・デザインのチカラ。

1つ目に、その人間関係がインスタント(その場限り)であること
2つ目に、その悩みが本くらいでは解決しないと思っていること
3つ目が、向き合わないで本棚の方向を見ていること

この3つによって、ホントの悩みが引き出せる。
それが「本の処方箋」のチカラではないかと思う。

愛とはお互いに見つめ合うことではなく、いっしょに同じ方向を見つめることである
(サン・テグジュペリ)  

Posted by ニシダタクジ at 07:00Comments(0)かえるライブラリー