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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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オーナーへメッセージ

2020年02月11日

自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題

文部科学省がH30年に告示した高等学校学習指導要領の
総合的探究の時間の解説文には以下のようにある。

教師の指導も受けながら課題を設定・解決していく小・中学校とは異なり,高等学校では,生徒自身が自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題を自ら発見し,解決していくことが期待されている。

この「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」とは、どのような課題だろうか?
今まで、そんな問いの中にいた。



昨日はマイプロジェクトアワード2019関東サミット。
関東地方(新潟含む)の高校生たちが自分たちの取り組んできたプロジェクトを発表し、全国大会出場を賭ける「学びの祭典」だ。

冒頭の今村亮さんのコメントから。

「どんな未来をつくりたいか?」
答えのない未来に立ち向かってきた「君だけのドラマを語れ」マイプロ関東サミット。
マイプロの「マイ」1人1人の想いから始まっているということ。
「学びの祭典」としてのサミット。
選ばれるということは「学びのロールモデル」になるということ。

プロジェクトの良し悪しではない。どれだけの学びを得てきたのか?が問われる。
1 オーナーシップ:主体性
2 コ・クリエーション:協働性
3 ラーニング:探究性
が評価基準

プレゼンテーションの始まる前に「この場所には味方しかいない」と確認すること。やさしさ。
10分プレゼン5分質疑。プレゼンはPDFで行う。

「学校部門」(授業等)と「個人部門」(それ以外)があり、
学校部門から5プロジェクト、個人部門から3プロジェクトが
全国サミットへの切符を手にする。

午前中に全体プレゼン(予選)があり、
そこから選ばれたものが各ブロックに分かれて
代表プレゼン(決勝)を行う。

その審査中に、
高校生はリフレクション(ふりかえり)の時間があり、
関係者向けには「マイプロ・探究勉強会」が裏で走る。



~~~以下勉強会メモ

society5.0
サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより
経済成長と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会

高校教育の変化(マイプロ・探究)→大学入試変化AO・総合型選抜→未来予測(society5.0)

「主体的な問いと実践的学び」が学力の新しい当たり前になる。

「学びのロールモデル」と
「実践していく方法論の学びあい」

自分の解釈を横に置いておいて、高校生に耳を傾けてみると見えてくる何か。

かえつ有明高校
https://www.ariake.kaetsu.ac.jp/
まずはやってみよう
プロジェクトチーム10名でまずは合宿し、腹の中を見せ合った

30年後にどんな学校になっていたら遊びに行きたいか?

10年後は?

1年後は?

明日は?
っていうバックキャスティング。
そこからはフロー状態になった。

弱みをさらけ出せる関係性。学ぶ前の前提として「存在してもいいんだよ」っていう意識こそが「学校」が存在してる意味なんじゃないか?

1人の個人として守られているホーム。頼り頼られている関係
「進路指導」の前に「存在承認」

桜美林大学の高大連携プロジェクト「ディスカバ」
https://discova.jp/

・outputの機会がない→大学生用の自己分析ツールを出願書類にする
・inputが足りない→サマープログラム
AO入試を10%→30%にする
取りたい人材を取り、入学後にコアメンバーとして活躍してもらう。
対話を重ねて経験を武器にする

~~~ここまで 勉強会メモ

僕が聞いた部屋で全国のきっぷを手にしたのは
東京都文京区「b-lab」のフリーペーパー「CHACHACHA」プロジェクト。

25000部を発行する高校生の挑戦を応援するマガジン。
CHACHACHAとはchance-challenge-changeの頭文字
彼女自身がそれを体現するようなプロジェクト発表だった。

高校を中退し通信制高校に在籍しながら
b-labを利用していた。
そんなとき、スタッフに「人が足りないから入らないか?」
と言われたフリーペーパーの制作プロジェクト。

大手出版社に著作権の許可を取ったり、
いろんな場所に電話をしたり、
大人のルールをやってみることで、彼女はどんどん変わっていった。

そして素敵な人との出会い。
「土下座してだもいいからやりたいってことをやる。
恥ずかしいからやらないっていうのはもったいない。」
そんな言葉に刺激を受ける。

そして彼女は「他人っておもしろいな」と思ったという。
そしてフリーペーパーを通して、それを伝えたいのだと。

淡々とした口調でしゃべる彼女は等身大で、
だからこその成長度というか、ああ、このプロジェクトがあってよかったなあと思えた。

そしてもうひとう。
全国には残らなかったけど、印象に残っているのは、
山梨県富士吉田市の高校生が発表した
「高校生に織物の魅力を届ける~通学路を照らすギラギラバッグ~」プロジェクト。

彼女は父親が地域を元気にするような仕事で、
母親が名産である織物のPRをするような仕事をしていた。
そのため幼いころから地域イベントや織物の企画などに参加していたのだという。

織物の工場見学にいったとき、職人さんたちに話を聞いたら、

・後継者不足が心配
・職人は誇りをもって取り組んでいること
を実感した。織物の魅力と熱意を届けたいと。

もうひとつ彼女が気にしていたのは、
同級生たちの地元への思いだった。
卒業すれば東京の大学に進学するのが当たり前の進学校。
そこに富士吉田の出身だという誇りは感じられなかった。

そこで彼女は、
工場見学で存在を知ったB反(刺繍のズレなどがあり、出荷できないもの)
を使用したバックをつくることにした。

同級生を観察すると、
長い上り坂の通学路重いリュックを持って歩いていた。

丈夫でかわいいバッグをつくったら、
使ってもらえないか?
と友達のためにB反を利用したトートバックを制作することになる。

そこで立ちはだかる進学校の葛藤。
先生方は勉強こそが大切だという。
同級生も懸命に勉強している。

私はどうしたらいいんだろう?

それでも彼女は地域の人たちの応援もあり、
バッグをつくり、友達に渡して使ってもらったりした。
そんな活動をしていたら、彼女は地元に残りたくなり、
今春からは地元大学に進学するのだという。

いまも、彼女がつくったバッグは友人たちに使われ、
学校の中に地元を感じるのだという。

これか、って思った。
「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」とはこのことだろう、と。
これは、彼女にしかできないプロジェクトだ。
そしてこれからも、大学生として活動に取り組むだろう。

マイプロ関東サミットを聞いていて、やはり首都圏の高校のほうが
プロジェクトによる「学び」が深いように思った。
それはきっと、場の設計・設定とサポートする人たちの問いかけによるのだろうと。

しかし、題材という点においては、
東京では「一般的な(SDGsにあるような)社会課題を自分なりに切り取る」ことが主になってしまうが
山梨県のような地方はオリジナルな題材に出会う機会が多いように思う。
あとはそれをどのようにフォローするか?っていう大人の存在、場の設計が重要になってくる。

学習指導要領がいう、
「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」を見つけること。

それは、「キャリア教育」と呼ばれる何かが言ってきた、
やりたいことを見つける、とか、自分に向いている仕事を探す、とかいうことよりもはるかに重要なのだろう。

その課題に出会うということ。
そのために、地域や大人との「経験」が必要で他者や自分との「対話」が必要になる。

京都・綾部で「半農半X研究所」を立ち上げた塩見直紀さんは、
「使命多様性」の時代が来ている、と言っていた。

「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」とは、
その「使命」のことだと思った。

ひとりひとりにその「課題」があり「使命」があり、
それをひとりの力ではなく、周りの力を借りながら、
果たしていく、ということ
そのプロセスの中にこそ学びがある。

織物プロジェクトの高校生のプロジェクトは、こう締めくくらられた。

スライドには「人に頼ってもいいんだ」の文字。

そしてコメント。
「お世話になった人への感謝を忘れずに、
そして、人に頼ることを恐れずに、これからも進んでいきたい。」

「人に頼ることを恐れずに」か。
いい言葉だな、と。

閉会式。
全国サミットへの切符を手にした8プロジェクトの発表。



グッと来た。
躍動する生命がそこに確かにあった。

「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」に
チャレンジする高校生の姿に、問いかけられる。

あなたの使命はなんですか?  

Posted by ニシダタクジ at 07:00Comments(0)学び日記