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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2020年07月02日

「創造力」を伸ばすまち


「若い読者のためのサブカルチャー論講義録」(宇野常寛 朝日新聞出版)

オジサン必読の1冊。
(まあ、僕はまだギリギリなってないけどもね。)

いやあ、こういう本、好きなんですよね。
AKBとか乃木坂とか、なんなんだ、みたいなもやもやを
すっきりとある視点から切ってくれる1冊。

京都精華大学の講義を編集したもので、
マンガ、アニメ、アイドルなどの現象を社会学的に解説。
これは面白い。
途中何度も爆笑しました。

いちばん笑ったのは、マンガ「頭文字D」の「ロータリーの高橋兄弟」のくだりですかね。
駅前のロータリーのことではなく、ロータリーエンジンのことです。

「世界でいちばん受けたい授業」ってこれかもしれない。
週に1コマこれがあるだけで、1週間が楽しくなりそう。

敗戦から戦後、そして経済成長、バブル崩壊・・・
と移りゆく時代の中で、サブカルチャーがどのように変化したか。

週刊少年ジャンプの連載マンガや
不良を題材にしたマンガの変遷など、
当時高校生だった時のものもあり、なかなかうなります。

そしてラスト1つ前のAKB現象の解説と、最終回のところは、
いままさに、高校生を取り巻く環境へのヒントが記されていて、インスパイアされました。

いくつかキーワードを。

~~~ここから引用

音楽は、CDからフェスへと市場がシフトしている
つまりコンテンツから「体験」へと価値がシフトしたということ。

「体験」の中でも一番強いのは「人とのコミュニケーション」。
アイドルは直接コミュニケーションがとれるし、「推す」ことによって、その人の人生に貢献できる。

「音楽を聴く(CDを買う)」ことは「推す」という体験を盛り上げる蝶番として機能している

現代のメジャーJ-popは三国志で言えば「蜀」で10分の1の勢力しかない。
「アイドル」と「アニソン・声優・ボーカロイド」で9割。

人々が音楽に求めるものが変わってきている。
「情報」から「体験」へ
「情報」から「コミュニケーション」へ
と音楽消費の重心は変化している。

この数十年間が例外的にサブカルチャーの時代だった。
60年代に革命を掲げたマルクス主義や学生運動が敗北していくと
「世界を変えるのではなく自分の意識を変えよう」という考え方が世界的にも主流になっていく。
そのための手段としてサブカルチャーが浮上していった。

この「自分の意識を変える」という思想が西海岸でカウンターカルチャーから
コンピューターカルチャーへと受け継がれていくなかで、「サイバースペース」
という新たなフロンティアが発見される。
サイバースペースによって「自分の意識を変える」ことをしなくても世界そのものを変えることができるようになった。

虚構の2つ目の役割
「いつかは存在・実現できるかもしれない可能性」を探り出すこと。

~~~ここまでメモ

もっと書きたいのだけど、これ以上ネタバレしてもいけないので。
予告だけにします。

「情報」から「体験」へ。
「情報」から「コミュニケーション」へ。
そして、虚構の2つ目の役割。

「コロナの時代」が問いかけているのは、
「東京」、もしくは「都市」の価値とはなにか?
なのかもしれない。

かつて「都市」には、「情報」があり、「体験」があり、「コミュニケーション」があった。
僕だって茨城時代にはインプットしたくて後半2年は東京からのアクセスのよい土浦に住んでいた。

突然訪れたZOOM(オンライン)時代において、
「体験」や「コミュニケーション」、もっと言えば
実現できるかもしれない「虚構」を創造・構築できるのは、
「機会」のたくさんある地方なのではないかと。

かつて友人が「東京には類トモしかいないからつまらない」と言っていた。
人が多すぎて、同じジャンル(興味関心)の人にしか会えないのだと。
それがつまらなくて東京で働きながら地方でプロジェクトを起こすのだ、と。

「創造力」を伸ばすまち。

そんなまちが若者や前向きな人たちを集めるのだとあらためて実感した1冊だった。  

Posted by ニシダタクジ at 08:41Comments(0)