2020年11月03日
学校のような劇場をつくる
エデュトリップ3日目
津和野高校魅力化を中心に。
~~~まずは全体像を統括コーディネーター中村さんから
津和野高校ホームページ
http://tsuwano.ed.jp/#HOME
「魅力化ってなんですか?」⇒新学習指導要領が目指す方向=魅力化(島根県では)
「魅力化」を学校だけでやるのか?⇒コーディネーターを配置し、橋渡しをする。
2013年~コーディネーターを配置
★「生徒を増やすことが目的じゃない」⇒どんな子どもを育てたいか?どんな魅力を作っていくか?コンセプト・ビジョンの共有
これまでの高校:「進学」か「部活」かの2軸
⇒田舎にネガティブな印象⇒都会に優秀な人材を送り出している高校
これからの高校:「問題意識」や「あり方」を考え、動き出す。
⇒故郷にポジティブな印象⇒都会でさらに力強く育つために送り出す。
1 地域の魅力:出会いとつながり
2 社会への関心:問題意識
3 価値創造:問題解決能力
個人(マイプロ):自分のテーマ・ペース・時間
↑
部活動(グローカルラボ):チーム・団体でさらに探究
↑
授業(ブリコラージュゼミ・トークフォークダンス):全員が参加・住民が先生・選択制
⇒出口支援:の経験値を使って、町営塾でAO・推薦など多様な進路選択を実現⇒見える成果
コーディネーターの役割:
自分1人では届かない部分もほんの少しの支援が可能性を広げる(ヴィゴッキーの最近接発達領域)⇒つなげることで可能性や選択肢を。⇒学校だけじゃなく地域につなげて学びの可能性を広げる
「つなげる」「橋渡し」をするコーディネーターの役割
1 「現場の課題感」「関係性」から
負担を取る役ではなく、質を深める役、可能性を広げる役
2 「見える化」「視覚化」する
情報を整理して共有する、全体感を持つ、データを取る
3 「コンセプト」「ビジョン」を作る
現場と行政、地域で、目指す方向性の共通認識、目標づくり
コンテンツのつながり⇒コンセプト・ビジョンのつながりがないと抽象化できない。
★持続的に進む仕組みまで設計する
「コンセプト・ビジョンづくり」のプロセス
コンテンツが多くなるだけなので抽象化しないといけない
現場との対話で先生にヒアリングしていくなかで言葉をつかまえる。
「個人の未来につながる学び」と「まちの未来につながる学び」の真ん中につくる
重なる部分⇒学校だけでは育てにくい⇒学校だけではなく地域全体でつくる
~~~続いて、津和野高校魅力化の話をコーディネーター山本さんから
ビジョン
1 最先端の教育レベルに挙げる
2 課題解決人材の育成
3 卒業生の関係人口化
学校:探究 T-プラン(ブリコラージュゼミ+トークフォークダンス)
部活:プロジェクト マイプロ、グローカルラボ
公営英語塾:HANKOH
正解がないし、提示できない。ウロウロできる。
「あなたの一歩に寄り添います」
ブリコラージュゼミ:1年次に年4回行う、毎回6~8講座から選択、地域の方に講師に立ってもらう
トークフォークダンス:1年次に1回行う、地域の方々を生徒と同数だけ集める
選択プロジェクト:2年次に半年かけて実施、自ら選んだテーマで個別ORグループでプロジェクトを行う。
ステップ1 刺激を得る、体験する、地域を知る
ステップ2 自ら考える、プロジェクトに取り組む、地域に出ていく
ステップ3 振り返る、成果をまとめる、進路実現に向けて動く、津和野と関わり続ける
さらなる変化
1 町内生が積極的にが集う・プロジェクトに関わる。中学生も!
2 ICTモデル校 1人1台 打ち合わせ/アンケート
3 卒業生の関係人口化 鈴木くん東大⇒津和野でインターンしてる
津和野高校魅力化の価値とは?
1 自然体で自分を深掘りする「探究」
2 「やりたい」と言われたら、地域・社会と接続し、寄り添う・伴走している
3 地域住民、有志団体、企業等が高校生等のチャレンジに前向きに。町内の高校生にまで波及している。
4 教員自らがチャレンジしようという雰囲気を持ち、変革を厭わず、ICTのモデル校としても活動
5 関係人口として関わりたい卒業生が数多くおり、すでに戻ってきて活動する者もいる。
⇒全国レベルのモデルになり得る。
~~~さらにHAN-KOH塾長(元津和野高校校長)より
津和野出身の有識者会議の要望を受け、英語塾になる。
H26年4月に開所、10月から中学生も受け入れ
講師3名+スタッフ2名で
高校内のHAN-KOH(中高生向け)と日原教室(中学生向け)
1F=高校生 2F=中学生が学んでいる
中学生と高校生の接点=ハロウィンパーティーなど
先生からすすめられて来る子(学力支援が必要な人)と
サードプレイス的に使用する人。
★町内の資源を使って授業をつくる:日曜大工=ブリコラージュ:津和野モデル
マイプロに伴走するのも町内の人のリソースを使ったらいいなと
マイプロに締め切りはない。終わり方を決めてない
★報告会では成果ではなく「自分の成長」を語る
★探究伴走者としてのコーディネーターと伝統校としての津和野
ニックネームで呼ぶ⇔「先生」を必ず付ける⇔事務長イズム
教員/指導的立場、評価する人
コーディネーター/話を聴く人、一緒に考える人
6割がAO・推薦で大学進学
勉強も部活も探究の1つですよね?
今年の3年生の進学希望はほぼ全員がAO受けてる
AOで入った子が大学入っても評価が高い
★3年間頑張った子がAO・推薦を受けられる。⇒簡単に受けさせない
~~~最後に役場で保小や小中のコーディネーターとの対話
「ツワトーク」:中学生を含む対話の場づくり⇒本音をなかなか言えない。
子どもの学びをつなげる⇒中学校にカギがある
子どもの学びに向かう力の芽が摘まれないこと
「自分を知る」
・問われる環境がない:自分について考えない
・本音を隠す
・津和野=逃げ場がない=コミュニティがひとつしかない
・自分の意見が言えるようになる
・自分の世界が広がる
~~~ここまでメモ
引っかかったのは「県外生に影響されて津和野の子もだんだんと自分を表現する、やりたいことを口に出すようになってきた」という一節。
県外生に影響された、とはいったいどういうことだろうか?
だって、チャレンジできない理由として大きいのは
津和野=コミュニティがひとつしかない=逃げ場がない
ことだったはずなのに、その原因を解消せずに、
「やりたいことやろうよ」って大合唱したら、急にできるようになる?
もちろん、人間は環境に影響されるし、
その環境の要因として最も大きいのは人間関係だとは思うのだけど・・・
と考えていて仮説が生まれた。
学校空間(探究の授業や地域部活だけかも)そのもののサードプレイス化。
つまり、1/3が県外、1/3が町外からの通いである津和野高校は、
狭い益田のコミュニティとは違う空間となっているのではないか。
だからこそ、心理的安全性があるのかもしれない。
もうひとつ引っかかったのは、
「中学生のやってみたい!をカタチにする」というところ。
それを、日々の学校での発言から先生と一緒に拾う、というところ。
中学生に「やってみたい」が言語化できるだろうか?
もちろん、できる人もいるとは思うのだけど。
やりたいこと(自分の意志)を知る前に、好きなこと(快・不快)を知ること。
他者を理解するためにもまずは他者のやりたいことではなく、快・不快を知ること。
「劇場」だ。
劇場のような「場」をつくることだ。
★自分の好きなこと(快・不快)⇒自分の学びたいこと(意思・意志)を
「場のチカラ」と「地域の大人」で「発見」する営みを「探究」の入り口に置くこと。
場のチカラを体感することで、
・見つけ合い・ふりかえり・場でやればできるじゃん
⇒場の構成員である実感が湧いて、それが承認につながっていくのではないか。
見つけた!という「快」と達成した!という充実感の違い。
学校(教科学習)という伽藍と「探究(地域)」というバザール(市場)
バザールの戦略は試行錯誤を繰り返すこと。(伽藍の戦略は失敗をしないこと)
プロジェクトに締め切りはない⇒「成果」ではなく「自分の成長」を語る
★発見ベースで発表フォーマットをつくるのもいいかも
「個人戦」から「場」へ⇒場にまきこまれる(友人がやっているから)
「自分を知る」=関係性、行動からだんだんとわかる。
★屋号(チーム名)で活動すること
⇒自分とは違うものとして取り組む
旅に出る前のテーマ。
学びの動機を「達成」から「発見」へ
学びの主体を「個人」から「場」へ
学びの成果を「評価」から「承認」へ
その方法論は、「学校のような劇場をつくる」だ。
「演じる」ことを前提に場を設計することだ。
「やりたいこと」の前に「快・不快」を大切にすることだ。
頭ではなく心でふりかえり、感情の揺れにフォーカスすることだ。
バザール(市場)として「探究」の舞台をつくることだ。
「高校生」というフィクションを生きろ
っていう感じかなあ。
学校を劇場に
そしてまち全体を劇場に
「一期一会」の瞬間を生み出す舞台をつくるんだ。
ああ、それなら、少しやったことあるな、と。
イメージができてきた4日間でした。
さいごに津和野高校を劇場化している
ドラえもん事務長との1枚を。
津和野高校魅力化を中心に。
~~~まずは全体像を統括コーディネーター中村さんから
津和野高校ホームページ
http://tsuwano.ed.jp/#HOME
「魅力化ってなんですか?」⇒新学習指導要領が目指す方向=魅力化(島根県では)
「魅力化」を学校だけでやるのか?⇒コーディネーターを配置し、橋渡しをする。
2013年~コーディネーターを配置
★「生徒を増やすことが目的じゃない」⇒どんな子どもを育てたいか?どんな魅力を作っていくか?コンセプト・ビジョンの共有
これまでの高校:「進学」か「部活」かの2軸
⇒田舎にネガティブな印象⇒都会に優秀な人材を送り出している高校
これからの高校:「問題意識」や「あり方」を考え、動き出す。
⇒故郷にポジティブな印象⇒都会でさらに力強く育つために送り出す。
1 地域の魅力:出会いとつながり
2 社会への関心:問題意識
3 価値創造:問題解決能力
個人(マイプロ):自分のテーマ・ペース・時間
↑
部活動(グローカルラボ):チーム・団体でさらに探究
↑
授業(ブリコラージュゼミ・トークフォークダンス):全員が参加・住民が先生・選択制
⇒出口支援:の経験値を使って、町営塾でAO・推薦など多様な進路選択を実現⇒見える成果
コーディネーターの役割:
自分1人では届かない部分もほんの少しの支援が可能性を広げる(ヴィゴッキーの最近接発達領域)⇒つなげることで可能性や選択肢を。⇒学校だけじゃなく地域につなげて学びの可能性を広げる
「つなげる」「橋渡し」をするコーディネーターの役割
1 「現場の課題感」「関係性」から
負担を取る役ではなく、質を深める役、可能性を広げる役
2 「見える化」「視覚化」する
情報を整理して共有する、全体感を持つ、データを取る
3 「コンセプト」「ビジョン」を作る
現場と行政、地域で、目指す方向性の共通認識、目標づくり
コンテンツのつながり⇒コンセプト・ビジョンのつながりがないと抽象化できない。
★持続的に進む仕組みまで設計する
「コンセプト・ビジョンづくり」のプロセス
コンテンツが多くなるだけなので抽象化しないといけない
現場との対話で先生にヒアリングしていくなかで言葉をつかまえる。
「個人の未来につながる学び」と「まちの未来につながる学び」の真ん中につくる
重なる部分⇒学校だけでは育てにくい⇒学校だけではなく地域全体でつくる
~~~続いて、津和野高校魅力化の話をコーディネーター山本さんから
ビジョン
1 最先端の教育レベルに挙げる
2 課題解決人材の育成
3 卒業生の関係人口化
学校:探究 T-プラン(ブリコラージュゼミ+トークフォークダンス)
部活:プロジェクト マイプロ、グローカルラボ
公営英語塾:HANKOH
正解がないし、提示できない。ウロウロできる。
「あなたの一歩に寄り添います」
ブリコラージュゼミ:1年次に年4回行う、毎回6~8講座から選択、地域の方に講師に立ってもらう
トークフォークダンス:1年次に1回行う、地域の方々を生徒と同数だけ集める
選択プロジェクト:2年次に半年かけて実施、自ら選んだテーマで個別ORグループでプロジェクトを行う。
ステップ1 刺激を得る、体験する、地域を知る
ステップ2 自ら考える、プロジェクトに取り組む、地域に出ていく
ステップ3 振り返る、成果をまとめる、進路実現に向けて動く、津和野と関わり続ける
さらなる変化
1 町内生が積極的にが集う・プロジェクトに関わる。中学生も!
2 ICTモデル校 1人1台 打ち合わせ/アンケート
3 卒業生の関係人口化 鈴木くん東大⇒津和野でインターンしてる
津和野高校魅力化の価値とは?
1 自然体で自分を深掘りする「探究」
2 「やりたい」と言われたら、地域・社会と接続し、寄り添う・伴走している
3 地域住民、有志団体、企業等が高校生等のチャレンジに前向きに。町内の高校生にまで波及している。
4 教員自らがチャレンジしようという雰囲気を持ち、変革を厭わず、ICTのモデル校としても活動
5 関係人口として関わりたい卒業生が数多くおり、すでに戻ってきて活動する者もいる。
⇒全国レベルのモデルになり得る。
~~~さらにHAN-KOH塾長(元津和野高校校長)より
津和野出身の有識者会議の要望を受け、英語塾になる。
H26年4月に開所、10月から中学生も受け入れ
講師3名+スタッフ2名で
高校内のHAN-KOH(中高生向け)と日原教室(中学生向け)
1F=高校生 2F=中学生が学んでいる
中学生と高校生の接点=ハロウィンパーティーなど
先生からすすめられて来る子(学力支援が必要な人)と
サードプレイス的に使用する人。
★町内の資源を使って授業をつくる:日曜大工=ブリコラージュ:津和野モデル
マイプロに伴走するのも町内の人のリソースを使ったらいいなと
マイプロに締め切りはない。終わり方を決めてない
★報告会では成果ではなく「自分の成長」を語る
★探究伴走者としてのコーディネーターと伝統校としての津和野
ニックネームで呼ぶ⇔「先生」を必ず付ける⇔事務長イズム
教員/指導的立場、評価する人
コーディネーター/話を聴く人、一緒に考える人
6割がAO・推薦で大学進学
勉強も部活も探究の1つですよね?
今年の3年生の進学希望はほぼ全員がAO受けてる
AOで入った子が大学入っても評価が高い
★3年間頑張った子がAO・推薦を受けられる。⇒簡単に受けさせない
~~~最後に役場で保小や小中のコーディネーターとの対話
「ツワトーク」:中学生を含む対話の場づくり⇒本音をなかなか言えない。
子どもの学びをつなげる⇒中学校にカギがある
子どもの学びに向かう力の芽が摘まれないこと
「自分を知る」
・問われる環境がない:自分について考えない
・本音を隠す
・津和野=逃げ場がない=コミュニティがひとつしかない
・自分の意見が言えるようになる
・自分の世界が広がる
~~~ここまでメモ
引っかかったのは「県外生に影響されて津和野の子もだんだんと自分を表現する、やりたいことを口に出すようになってきた」という一節。
県外生に影響された、とはいったいどういうことだろうか?
だって、チャレンジできない理由として大きいのは
津和野=コミュニティがひとつしかない=逃げ場がない
ことだったはずなのに、その原因を解消せずに、
「やりたいことやろうよ」って大合唱したら、急にできるようになる?
もちろん、人間は環境に影響されるし、
その環境の要因として最も大きいのは人間関係だとは思うのだけど・・・
と考えていて仮説が生まれた。
学校空間(探究の授業や地域部活だけかも)そのもののサードプレイス化。
つまり、1/3が県外、1/3が町外からの通いである津和野高校は、
狭い益田のコミュニティとは違う空間となっているのではないか。
だからこそ、心理的安全性があるのかもしれない。
もうひとつ引っかかったのは、
「中学生のやってみたい!をカタチにする」というところ。
それを、日々の学校での発言から先生と一緒に拾う、というところ。
中学生に「やってみたい」が言語化できるだろうか?
もちろん、できる人もいるとは思うのだけど。
やりたいこと(自分の意志)を知る前に、好きなこと(快・不快)を知ること。
他者を理解するためにもまずは他者のやりたいことではなく、快・不快を知ること。
「劇場」だ。
劇場のような「場」をつくることだ。
★自分の好きなこと(快・不快)⇒自分の学びたいこと(意思・意志)を
「場のチカラ」と「地域の大人」で「発見」する営みを「探究」の入り口に置くこと。
場のチカラを体感することで、
・見つけ合い・ふりかえり・場でやればできるじゃん
⇒場の構成員である実感が湧いて、それが承認につながっていくのではないか。
見つけた!という「快」と達成した!という充実感の違い。
学校(教科学習)という伽藍と「探究(地域)」というバザール(市場)
バザールの戦略は試行錯誤を繰り返すこと。(伽藍の戦略は失敗をしないこと)
プロジェクトに締め切りはない⇒「成果」ではなく「自分の成長」を語る
★発見ベースで発表フォーマットをつくるのもいいかも
「個人戦」から「場」へ⇒場にまきこまれる(友人がやっているから)
「自分を知る」=関係性、行動からだんだんとわかる。
★屋号(チーム名)で活動すること
⇒自分とは違うものとして取り組む
旅に出る前のテーマ。
学びの動機を「達成」から「発見」へ
学びの主体を「個人」から「場」へ
学びの成果を「評価」から「承認」へ
その方法論は、「学校のような劇場をつくる」だ。
「演じる」ことを前提に場を設計することだ。
「やりたいこと」の前に「快・不快」を大切にすることだ。
頭ではなく心でふりかえり、感情の揺れにフォーカスすることだ。
バザール(市場)として「探究」の舞台をつくることだ。
「高校生」というフィクションを生きろ
っていう感じかなあ。
学校を劇場に
そしてまち全体を劇場に
「一期一会」の瞬間を生み出す舞台をつくるんだ。
ああ、それなら、少しやったことあるな、と。
イメージができてきた4日間でした。
さいごに津和野高校を劇場化している
ドラえもん事務長との1枚を。