2020年11月18日
「場」に委ね、「学び」を待つ
山形県立小国高校
2月のSCHシンポジウム@東北芸術工科大学で
もっとも心が揺さぶられたのは、
島根県立津和野高校のフジハラ事務長と
山形県立小国高校の生徒たちとの出会いでした。
この2人は今年中に現場に行こう、と思っていたので、ようやく叶いました。
※小国までは車で2時間弱だったので、実は長岡より少し近い。笑
見学させてもらったのは、
小規模校サミット2020(11月14日に開催)のふりかえりセッション。
全校生徒67名が体育館に机を並べて振り返りました。
サミットで作った「オンラインサークル」の異なるメンバーで活動を振り返り。
(オンラインサークル:スポーツ、コロナ対策、旅行など、お題を決めて話し合うチーム)
~~~以下ふりかえり進行について
1チーム4~5名で
メインファシリテーターとサブファシリがそれぞれ
チームに1名ずついる状態(メインファシリには1年生も2名いる)
ふりかえりの目的:
サミットの成果や感想、気づきを共有し、自他の成長を実感できるとともに、達成感と挑戦する気持ちを高める。
サミットの目的:
全国の小規模高校の生徒が交流し親睦を深めると共に、各校・地域が抱える課題について意見交換し将来それぞれの地域で活躍する資質や能力、協働意識を育成する
サミットの目標:
・自分に自信を持ってもらう
・また参加したいと思ってもらえるサミットにする
・小規模校の良さを改めて知ってもらう
サミットのグランドルール:Orange
O:open 心を開こう
r:repeat 聞いたことを繰り返そう
a:aggressive 積極的に
n:nice reaction 良い反応をしよう
g:gesture ジェスチャーをしよう
e:enjoy 楽しもう
●オープニング
・今日の目標の確認
1 サミットの成果や感想、気づきを共有する
2 自他の成長を実感する
3 達成感と挑戦する気持ちを高める。
●チェックイン:ふりかえりムービー(音楽付き)
●グランドルール説明
●サミット振り返り説明 A4 4分割「サークル名、活動内容、サークルの魅力、仲間にしたい・協力してほしい人」⇒個人で書く⇒発表(朝早く起きた人から)⇒1人2分で説明⇒発表者にいいね!の付箋を書いて渡す⇒全体共有(3名)
(休憩)
●サミットの感想・気付きの共有説明⇒付箋にサミットの感想・気付きを記入(できるだけ多く)⇒1人ずつ付箋を模造紙に貼りながら発表・説明⇒チームファシリテーターがグルーピングしてまとめる。(プロッキーで図解)⇒3チームからチームまとめの発表
●自他の成長の意識化説明⇒A4(すでに印刷済み)に「自分へのグッジョブ、みんなへのグッジョブ、あの人へのグッジョブ、今回のサミットでの自分の変容」を記入⇒共有はせずにチームファシリが集めて提出
●メインファシリ(進行)から感想⇒片付け方法確認⇒記念撮影⇒終了
~~~
このあと、コアメンバーは、放課後、集まって、振り返りをする。
当日ムービーを見て、感想・思いを一人一言回す。(ムービー撮影)
で締めて(花笠シメ)で終わり、コアメンバーは解散
~~~以下、感想メモ
オンラインサークルのテーマは
「地域」×「高校生」×「興味あること」
「小規模校サミット」は、部活動、サークルではなく、「プロジェクト」であること
「プロジェクト」のメリット:
・1年単位で終わりがあるから、自分の時間を計算できる
・短期間であり先輩-後輩みたいなのを感じにくい?
・締め切りがある分、ベクトルを共有しやすい
「ファシリテーション講座」で先輩を見て憧れる
ファシリテーター:絵、イラストをかける人が興味を持ってくれる。
⇒美術部、デザイン系の子の活躍の場にもなっている。
「気づき・感想」という問いの難しさ。
・14日⇒17日で3日経っているだけで忘れている。
・個人の言語化能力の差(つかれた、楽しかった、友達できた・・・)
・ニックネームの効果やチャットの使い方みたいなところに言及してたチームも。
★
「印象に残ったこと」のほうがいいような気がするけど、それを出すには当日振り返らないといけない。
当日中に、「印象に残ったこと」「予想しなかった良かったこと」くらいは振り返ったほうがいいか。
そのメモを元に数日後に時間とって振り返りやるとか。
★
個人の学び⇒場の学びには。なっていた。
出たふせんをすぐにグルーピングしていいのか?
付箋の中身を聞くこと、掘り下げることをもってやれるのでは?
詳しく聞く⇒ふせんを増やす、みたいなタームも必要?
・自己紹介とかリアクションとかへの感想
・名札を紹介する時間が取れなかった
⇒コミュニケーションへの関心の高さ
もともとは岩手県立花泉高校からの交流会の誘い
⇒せっかくなら全国サミットやっちゃうか?みたいな。
「生徒を人足扱いするのをやめよう。」
手伝わなきゃいけない、感謝されない、そういうのやめよう
地域の団体にボランティア欲しいなら「プレゼンに来い」って言う。
どんな役割があり、どんな学びがあるのか、を説明してもらわないと。
単位もらわなくてもやりますっていう生徒を送らないと。
振り返り⇒輪になって一人一言⇒動画に残す⇒来年度募集へ
1年生は無茶ぶりで成長する
成功体験、達成感?
先生からのメッセージに差が。
1 自分の思ったことを言う。(わたしはこう思った、みたいな)
2 教訓を言う(辛いときにこそ頑張る、とか仲間がいる、的な)
ラストのA先生のメッセージ、よかったな。
みなさんから学ぶことがたくさんあった。
質問されてもすぐには答えなかった。
「誰に、どうなってほしい?」と聞き返した。
悩んで、考えて、いまここにいる。
その後の対話の時間でもN先生が言っていた
「先生はすぐ先生になっちゃう」っていうのも象徴的だった。
「先生」っていうのは、評価者であり、導く人だ。
「先生」が安易に活動から得られる教訓(学び)を語っていいのだろうか?と思った。
それは、その通りなのだろうけど。
その教訓こそ、生徒が自ら、いや場のチカラによって、辿り着かなければ、身に付かないのではないか。
総合型選抜(AO)や推薦入試の志望理由書に書かれるであろう
「活動を通しての自分なりの学び・教訓」は、ふりかえりによって得られた方が
リアルだからこそ心に響くだろう。
サミット前の小国高校の話も聞いた。
僕的に言えばやっぱり「存在の承認」が大事だ、と。
サミットによって、たくさんの人からのフィードバックがもらえること。
友達でも先生でもない人、つまりナナメの関係の人からのフィードバックをもらうこと。
そして、話を聞いてもらえること。
小国高校では、校長先生が生徒1人1人と面談しているし、
ふだんからよく1対1で話をしているのだという。
そっか、校長先生は先生だけど、評価者じゃないのか。
もはや、「ひとり保健室」じゃないか、校長。(笑)
全体として思うのは、生徒1人1人へのリスペクトがあったなあと。
地域団体のボランティアの募集の時の「高校生は人足じゃない」っていうのもそれを象徴していて。
「高校にプレゼンに来て、募集して」っていう対応は、地域団体をも育てると思った。
高校生にどんな役割を持ってもらい、どんな学びがあるんですか?って。
「進学校はシンプルなんです。勉強させて、成績上げて、偏差値の高い大学に行かせる。それだけです。でもこの高校の生徒の進路は様々なので、ゴールがひとりひとり違うし、かつそのゴールも明確じゃないんです。」
そこにこそ地域の出番がある、と僕は思った。
1人1人をリスペクトし、「場」を信じて、「場」に委ね、
フラットな関係性の中でそこにいる大人も含め、ともに学ぶ。
結論や教訓を言って「学び」を奪わない。「学び」を待つ。
ひとりひとりにとって、価値のある「学び」は異なるのだから。
フィードバックする。フィードバックし合う。
そんな場をつくれないだろうか。
最後に、体育館の床でフィードバックシートを書く小国高校の先生たちの様子を。
フィードバックを真剣に書きたくなるような場、僕たちもつくりますね。
心揺さぶられる現場と実践を見せていただきました。ありがとうございます。
2月のSCHシンポジウム@東北芸術工科大学で
もっとも心が揺さぶられたのは、
島根県立津和野高校のフジハラ事務長と
山形県立小国高校の生徒たちとの出会いでした。
この2人は今年中に現場に行こう、と思っていたので、ようやく叶いました。
※小国までは車で2時間弱だったので、実は長岡より少し近い。笑
見学させてもらったのは、
小規模校サミット2020(11月14日に開催)のふりかえりセッション。
全校生徒67名が体育館に机を並べて振り返りました。
サミットで作った「オンラインサークル」の異なるメンバーで活動を振り返り。
(オンラインサークル:スポーツ、コロナ対策、旅行など、お題を決めて話し合うチーム)
~~~以下ふりかえり進行について
1チーム4~5名で
メインファシリテーターとサブファシリがそれぞれ
チームに1名ずついる状態(メインファシリには1年生も2名いる)
ふりかえりの目的:
サミットの成果や感想、気づきを共有し、自他の成長を実感できるとともに、達成感と挑戦する気持ちを高める。
サミットの目的:
全国の小規模高校の生徒が交流し親睦を深めると共に、各校・地域が抱える課題について意見交換し将来それぞれの地域で活躍する資質や能力、協働意識を育成する
サミットの目標:
・自分に自信を持ってもらう
・また参加したいと思ってもらえるサミットにする
・小規模校の良さを改めて知ってもらう
サミットのグランドルール:Orange
O:open 心を開こう
r:repeat 聞いたことを繰り返そう
a:aggressive 積極的に
n:nice reaction 良い反応をしよう
g:gesture ジェスチャーをしよう
e:enjoy 楽しもう
●オープニング
・今日の目標の確認
1 サミットの成果や感想、気づきを共有する
2 自他の成長を実感する
3 達成感と挑戦する気持ちを高める。
●チェックイン:ふりかえりムービー(音楽付き)
●グランドルール説明
●サミット振り返り説明 A4 4分割「サークル名、活動内容、サークルの魅力、仲間にしたい・協力してほしい人」⇒個人で書く⇒発表(朝早く起きた人から)⇒1人2分で説明⇒発表者にいいね!の付箋を書いて渡す⇒全体共有(3名)
(休憩)
●サミットの感想・気付きの共有説明⇒付箋にサミットの感想・気付きを記入(できるだけ多く)⇒1人ずつ付箋を模造紙に貼りながら発表・説明⇒チームファシリテーターがグルーピングしてまとめる。(プロッキーで図解)⇒3チームからチームまとめの発表
●自他の成長の意識化説明⇒A4(すでに印刷済み)に「自分へのグッジョブ、みんなへのグッジョブ、あの人へのグッジョブ、今回のサミットでの自分の変容」を記入⇒共有はせずにチームファシリが集めて提出
●メインファシリ(進行)から感想⇒片付け方法確認⇒記念撮影⇒終了
~~~
このあと、コアメンバーは、放課後、集まって、振り返りをする。
当日ムービーを見て、感想・思いを一人一言回す。(ムービー撮影)
で締めて(花笠シメ)で終わり、コアメンバーは解散
~~~以下、感想メモ
オンラインサークルのテーマは
「地域」×「高校生」×「興味あること」
「小規模校サミット」は、部活動、サークルではなく、「プロジェクト」であること
「プロジェクト」のメリット:
・1年単位で終わりがあるから、自分の時間を計算できる
・短期間であり先輩-後輩みたいなのを感じにくい?
・締め切りがある分、ベクトルを共有しやすい
「ファシリテーション講座」で先輩を見て憧れる
ファシリテーター:絵、イラストをかける人が興味を持ってくれる。
⇒美術部、デザイン系の子の活躍の場にもなっている。
「気づき・感想」という問いの難しさ。
・14日⇒17日で3日経っているだけで忘れている。
・個人の言語化能力の差(つかれた、楽しかった、友達できた・・・)
・ニックネームの効果やチャットの使い方みたいなところに言及してたチームも。
★
「印象に残ったこと」のほうがいいような気がするけど、それを出すには当日振り返らないといけない。
当日中に、「印象に残ったこと」「予想しなかった良かったこと」くらいは振り返ったほうがいいか。
そのメモを元に数日後に時間とって振り返りやるとか。
★
個人の学び⇒場の学びには。なっていた。
出たふせんをすぐにグルーピングしていいのか?
付箋の中身を聞くこと、掘り下げることをもってやれるのでは?
詳しく聞く⇒ふせんを増やす、みたいなタームも必要?
・自己紹介とかリアクションとかへの感想
・名札を紹介する時間が取れなかった
⇒コミュニケーションへの関心の高さ
もともとは岩手県立花泉高校からの交流会の誘い
⇒せっかくなら全国サミットやっちゃうか?みたいな。
「生徒を人足扱いするのをやめよう。」
手伝わなきゃいけない、感謝されない、そういうのやめよう
地域の団体にボランティア欲しいなら「プレゼンに来い」って言う。
どんな役割があり、どんな学びがあるのか、を説明してもらわないと。
単位もらわなくてもやりますっていう生徒を送らないと。
振り返り⇒輪になって一人一言⇒動画に残す⇒来年度募集へ
1年生は無茶ぶりで成長する
成功体験、達成感?
先生からのメッセージに差が。
1 自分の思ったことを言う。(わたしはこう思った、みたいな)
2 教訓を言う(辛いときにこそ頑張る、とか仲間がいる、的な)
ラストのA先生のメッセージ、よかったな。
みなさんから学ぶことがたくさんあった。
質問されてもすぐには答えなかった。
「誰に、どうなってほしい?」と聞き返した。
悩んで、考えて、いまここにいる。
その後の対話の時間でもN先生が言っていた
「先生はすぐ先生になっちゃう」っていうのも象徴的だった。
「先生」っていうのは、評価者であり、導く人だ。
「先生」が安易に活動から得られる教訓(学び)を語っていいのだろうか?と思った。
それは、その通りなのだろうけど。
その教訓こそ、生徒が自ら、いや場のチカラによって、辿り着かなければ、身に付かないのではないか。
総合型選抜(AO)や推薦入試の志望理由書に書かれるであろう
「活動を通しての自分なりの学び・教訓」は、ふりかえりによって得られた方が
リアルだからこそ心に響くだろう。
サミット前の小国高校の話も聞いた。
僕的に言えばやっぱり「存在の承認」が大事だ、と。
サミットによって、たくさんの人からのフィードバックがもらえること。
友達でも先生でもない人、つまりナナメの関係の人からのフィードバックをもらうこと。
そして、話を聞いてもらえること。
小国高校では、校長先生が生徒1人1人と面談しているし、
ふだんからよく1対1で話をしているのだという。
そっか、校長先生は先生だけど、評価者じゃないのか。
もはや、「ひとり保健室」じゃないか、校長。(笑)
全体として思うのは、生徒1人1人へのリスペクトがあったなあと。
地域団体のボランティアの募集の時の「高校生は人足じゃない」っていうのもそれを象徴していて。
「高校にプレゼンに来て、募集して」っていう対応は、地域団体をも育てると思った。
高校生にどんな役割を持ってもらい、どんな学びがあるんですか?って。
「進学校はシンプルなんです。勉強させて、成績上げて、偏差値の高い大学に行かせる。それだけです。でもこの高校の生徒の進路は様々なので、ゴールがひとりひとり違うし、かつそのゴールも明確じゃないんです。」
そこにこそ地域の出番がある、と僕は思った。
1人1人をリスペクトし、「場」を信じて、「場」に委ね、
フラットな関係性の中でそこにいる大人も含め、ともに学ぶ。
結論や教訓を言って「学び」を奪わない。「学び」を待つ。
ひとりひとりにとって、価値のある「学び」は異なるのだから。
フィードバックする。フィードバックし合う。
そんな場をつくれないだろうか。
最後に、体育館の床でフィードバックシートを書く小国高校の先生たちの様子を。
フィードバックを真剣に書きたくなるような場、僕たちもつくりますね。
心揺さぶられる現場と実践を見せていただきました。ありがとうございます。