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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2022年07月03日

自ら「自由」と「豊かさ」を定義する

「パターン・ランゲージ」(井庭崇 慶応義塾大学出版会)
第1章 建築におけるパターンランゲージの誕生

昨日に引き続き、この章から。

いやあ、これ2013年の本かよ~、って。
俺のアンテナ折れてたんだなあ、昔の携帯電話みたいに。

いままさにタイムリーなのでいいのですが。
目の前に来た時が新刊って出版社営業のときに教わりました。
井庭先生、ありがとうございます。

~~~以下メモ
パターンに書くのは現状のことではなく、ちょっと先の理想のようなことを書くように心がけました。もちろん、理想を書くといっても、いまどこにも存在しないような夢物語ではなく、これまでにもそういうことをやってきた人はいるけれども、あまり多くの人に共有されていない、そういうコツをパターンに書いていくのです。

パターン・ランゲージとは、経験的なステートメントであるとともに、規範的なステートメントでもある。「実際こういうふうにうまくやっている人がいるよ」という記述であるとともに、「こうするのがよいよ」という記述でもあるのです。パターン・ランゲージとは、そういう二面性を持った言葉を紡ぐということなのです。
~~~

いいですね。「あいだにある言葉」って感じです。
そして、この章でアツかったのはこの後ろ、P96からの「ひとつの美学を確立する」です。

~~~
子どもたちがミュージカルをする中野zeroキッズの活動を通し、大学生になってから言うのは
「私たちが、この活動で一番よかったことは、自分が自由になれたことです。」

自分にとっての本当の豊かさとは何か、本当の自由とは何かを誰もが問う必要があるのです。それは絶対問わなければならないことです。

映画監督になりたかった理由は、作品を通じて観た人に気づきがあったり、物の見方・世界の見方が少し変わったり、勇気をもらって元気になったりする。パターンランゲージを書くということは、僕にとっては映画をつくることと同義です。

ただ、映画と違うのは、最終的な物語はみんながつくるということです。みんなでつくる、と言ってもいい。パターンをつくるというのは、物語をつくる素材をつくって提供するだけで、それを使って物語を紡ぐのは、みんななのです。

もはやパッケージ化された物語を消費するだけの時代ではないと思うのです。どうやって自分たちで自分たちの物語を紡いでいくのか。これが僕が「創造社会」という言葉で言おうとしてる社会観です。

トーマス・クーンの「パラダイム理論」では、ある理論が以前の(他の)理論よりも優れているから勝利するわけではなく、圧倒的多数の人間がそちらのほうが実用的で機能的で便利でかっこいいから使うようになると多数を占めて勝ったように見える。これがパラダイムの転換なのです。
~~~

社会に出る前、高校時代・大学時代に手に入れてほしいのは、「自由」と「豊かさ」の自分なりの定義です。大学生の時に岩波新書の「豊かさとは何か」(暉峻 淑子)を読みましたけど、まさにその「豊かさ」「自由」を問いかけることが大切なのだなあと。

終わりのない問いなんですけどね。

「自由」や「豊かさ」とは何か?という問いに対して、自分なりの暫定解を見出すこと。
そしてそれを表現する方法を試すこと。
それをひとりではなく、「場」で、「チーム」で、「地域」でできないだろうか?
それをコーディネートもしくはデザインできないだろうか?

たぶんそれが僕の問いですね。

僕にとっての「自由」は、ミクロとマクロ、あるいはレイヤー(層)的に視点を行き来できること。で
「豊かさ」とは(参加性などに使える)余白がある状況、なのかなあ。

「自由」と「豊かさ」を定義すること。
それを3年間(大学生なら4年間)の宿題にしたいです。

いや、それこそ「20代の宿題」なのかもしれませんね。  

Posted by ニシダタクジ at 08:02Comments(0)学び日記