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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2022年09月19日

焚き火のような本屋



昨日は西会津町の「いとなみ」にお邪魔してきました。
佐々木さん、ほんと素敵な人だなあと。
https://www.100itonami.com/

今日はこの1冊を紹介します。

「ことばの焚き火」(大澤真美 中村一浩 植田順 野底稔 ハンカチーフブックス)

期せずして昨日の「本が届く場をつくる」の続きになった。
これだから読書は面白いなと。

春先に手にはしていたのだけど、読むべきタイミングがなかなか来なくて。
今朝、目の前に飛び込んできて(昨日の言葉で言えば呼ばれて)読んでました。

対話(ダイアローグ)がテーマの本。

新型ウイルスは「世界がつながっている」つまり「世界はひとつ」だということを自覚させてくれた。
そんなつながっている感じを味わいながら、生きていけたらいいと思う。

ここで面白かったのが対話は波紋の広がりというイメージ。
そこで出てくるのが「焚き火」のメタファーなのだけど。

大澤さんは、
「焚き火にあたりながら、薪をくべるように、場に声を出す」という表現をする。

誰に向かうでもなく、火を見ながら、ポツリポツリとことばを出していくように思う。そして、人のことばだけでなく、火の揺らめきや、鳥の声、木々の音も耳に入ってくるだろう。

暖かい火にあたって、からだがゆるんだ状態でいると、こころもゆるむ。だから、誰かのことばや、何かの音や匂いをきっかけに、自分の中から普段は見えない声が立ち上がって来て、うっかり口をつくことがある。

その時のそのメンバーだからこそ、その場だからこそ、その時間だからこそ、出てくることばがある。対話の一回性、再現不可能性、唯一無二性は、まさに参加型の即興ライブだ。それに気づくと、本当にワクワクするし、「人」と「場」と「時間」との一期一会が尊く感じられる。
~~~

わー、それそれ。
昨日の「本が届く場をつくる」ってそういうことじゃないかなと。

そこに本もある、みたいな。
「対話」というのを言葉だけじゃなくて、本の背表紙や本棚の並びも、本屋にやってきた人たちの存在も。

隣の温泉で心身を解放して、高校生ともおしゃべりして。
この高校生っていう存在が、また一期一会感を強くしてくれるんだ。

焚き火に薪をくべるように、「場」に、発言を、本を、自分という存在を置いてくる。
自らも構成員としてたしかにありながら、空間に委ねているような「場」。

そこから生まれてくる何か。それを見てみたい。
だから今日も、僕は焚き火に火をくべるように、本棚に本を置き、本棚という表現をつくり、対話する空間をデザインする。

そんな「焚き火のような本屋」になれたらいいな。  

Posted by ニシダタクジ at 09:21Comments(0)学び日記