プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2012年07月09日

キャリア・ドリフト

2人の大学生から、同じことを聞いた。
「いろいろアクションを起こしているのだけど、
それがどのように自分の将来につながっているのか、わからない。」
それが「もやもや」の原因だという。

そうか!
行動しない大学生もつらいだろうけど、
行動していても、もやもやしている大学生ってたくさんいるのかもしれない。
そこに何らかの新しい視点を与えてみたい。

~~~ここから

経済成長の過程で、
大量生産・大量消費のビジネスモデルが選択され、
「より速く、より大量に」
つまり、「効率的に」というのが絶対の価値観になった。

規模の経済により、大企業はより強くなっていった。
自動車や家電製品業界を中心に、大規模化が進んだ。

しかし、
モノを作って売る製造業よりももっと効率的なビジネスがあった。

サービス業。
モノではなく、サービスを売る。

テレビやDVDプレイヤーを作るよりも、
DVDをレンタルして1日何回転もさせてほうが
効率的だし、在庫を持つ必要もなかった。

あるいは、
海外の人件費の安いところで大量に生産されたものを、
船で運んできてワンコインで大量に売るほうが、ビジネス的に効率がよかった。

こうして、
現在の日本の企業の75%は第3次産業(サービス業)になった。

このような流れの中で、
商品寿命が短期化するとともに、
企業の寿命は急激に短くなってきた。

そして、仕事は多様化した。
情報化社会を受けて、多様な仕事が可能になった。
それが現在である。

だから、企業が求める人材は当然ながら、
端的に言うと、「仕事が生み出せる」人材である。
企業や役所が言っている言葉で表現すれば、
「自分で考え、自ら行動できる」人材である。

このような人材になるために、
何をしたらいいのか?

ここに2つの理論がある。
「キャリア・デザイン」「キャリア・ドリフト」
だ。

「キャリア・デザイン」は
日本でもおなじみの考え方で、
目標を決めて、その達成を繰り返すことで
キャリアは形成されるという理論である。

この理論に基く最高の生き方は
イチローや石川遼のように、
小学校のときに自分の目標を決めて、
そこにコツコツ努力して向かっていくような生き方。

カッコイイ。
誰もがそう思う。
自分のやりたいこと、夢を見つけ、
そこに対して最大限の努力をし続け、夢を達成すること。

素晴らしいと思う。

しかし。
この「目標設定・達成型」の「キャリア・デザイン」が機能するのは、
「小学校6年生のときに思い描いた職業が10年後も存在していること」
が前提条件となる。

確実になくならない仕事、
たとえば学校の先生とか、保育士さんであるとか、プロスポーツ選手とか。
そういうのであればいいのだが、
まちの駄菓子屋さんとか、携帯電話の販売をする人だったりすると、
その仕事がなくなっているか、明らかに市場規模が減少しているということは
10年後にはあり得ることである。

だから、「キャリア・デザイン」だけで突っ走るのは、少し危険だ。

そこで「キャリア・ドリフト」が必要になってくる。
「ドリフト」とは漂流する、ということ
文字通り、気分の赴くままに、様々なことにチャレンジして、
出会いを大切にして、そこで出会った人からまた誘われて、
そこにまた飛び込む、そんな繰り返しのことである。

これはスタンフォード大学のクランボルツ博士が提唱する
「計画された偶発性」理論(planned happenstance theory)であり、
博士は個人のキャリアの8割は偶然の結果だと言っている。
そして、その偶然を起こすために、準備をしろというのだ。

たしかに。
世の中でカッコよく生きている人は
イチローや石川遼だけでなく、周りにもたくさんいる。

その人たちに聞いてみれば、
「小学校からこの仕事になりたかった、目指していた」
なんて人はあまりいなく、「あのときのあの出会いが人生を変えた。」
って人のほうが多い気がする。

だから、キャリア・ドリフトも大切なのではないか、
と僕も思う。

冒頭の大学生の話に戻るのだが、
彼、彼女は、まさにいま「ドリフト」しているのだ。

そしてそれが
自分の「キャリア・デザイン」につながっているかどうか
わからなくて、なんだかもやもやしているのだ。

そしてそれは、
幼き頃から、学校でも社会でも
「効率的に生きろ」と教えられて来たから、

このイベントに参加するという「ドリフト」が
きっと将来に「効率的に」つながっている
という実感がないと不安になるのではないかと思う。

これは仕方のないことだと思う。

しかし。
効率性という呪縛を、外せるものなら外せたほうが、
人生はもっと楽しくなると思う。

そんなドリフトの中で、運命的な出会いがあり、
「こんな人になりたい」「この人を応援したい」と思い、
短期の目標があるプロジェクトに参加する。

それが「キャリア・デザイン」の練習になる。
いつか、自分の目標や夢ができたとき、
それを叶える訓練になるのだ。

僕たちが提供しているのは
本屋やカフェという空間での偶然の出会い「キャリア・ドリフト」と
夏休みにチャレンジする目標あるプロジェクトでの「キャリア・デザイン」の練習なのかもしれない。

~~~ここまで

「大学時代に手に入れるべきたったひとつのもの」
次回は7月12日(木)19:00~20:30
場所:カフェ・コポコポ(ツルハシブックス2F)

クランボルツ博士の「キャリア・ドリフト」理論に迫ってみようと思います。
キャリアドリフトのための5つの心構えをお伝えします。

参加無料です。
いや。
ジンジャーエール付 200円とかにしようかな。
どちらでも。
僕のライフワークです。

同じカテゴリー(就職)の記事画像
コナトゥスを意識する
「就活」と「手紙」
コードネーム「耳をすませば」
「早く進路を決めろ」という呪縛
「機能」としてでなく、「人間」として就職する。
企業も、乗り物
同じカテゴリー(就職)の記事
 やりがいは何か?という愚問 (2020-09-07 06:24)
 コナトゥスを意識する (2019-03-14 16:46)
 「就活」と「手紙」 (2019-01-14 08:21)
 コードネーム「耳をすませば」 (2019-01-13 09:08)
 「就活」というフレームワーク (2018-12-19 07:03)
 「有用かどうか?」という思考の罠 (2018-10-07 11:02)

Posted by ニシダタクジ at 07:08│Comments(0)就職
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。