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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2012年07月23日

オンリーワンとキャリア・デザイン

2002年の夏。
僕は巻の商店街にあるチャレンジショップで
ちょっとしたネットカフェをしていた。

そのときに遊びに来ていた中学生。
ネットゲームのビリヤードに夢中だった。
8月が終わって、9月。

彼はそこに居続けた。
そう。
学校に行っていなかったのだ。

なぜか、それなりにお金を持っていた彼は、
となりにお惣菜やさんでおにぎりを買い、
ネットゲームをして、僕にカラんでくる、
という毎日を送っていた。

そんなときに
「これ、いい曲だよ。」
と教えてくれたのが、
「世界にひとつだけの花。」だった。

2002年の7月にSMAPの15枚目のアルバム
「Drink Smap」の3曲目に収録された1曲。

~~~
そうさ 僕らも
世界に一つだけの花
一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい

小さい花や大きな花
一つとして同じものはないから
No.1にならなくてもいい
もともと特別な Only one
~~~

彼はこの曲を聴きながら、何を思っていたのだろうか。

その後、この曲は静かなブームとなり、
ドラマの主題歌になったことで、
シングルカットされた。

それが翌2003年5月。
あのときのブームは記憶に新しい。
250万枚を売り、紅白歌合戦に出場。

そのとき。
中学生の身に起こっていた大きな出来事があった。

2003年12月2日
「13歳のハローワーク」(村上龍 幻冬舎)
が発売された。

このときに、
「オンリーワン」と「やりたいことを見つける」
が結びついたのではないか、と僕は感じる。

槙原敬之がこの詞にどんな思いを込めたのかは
正確にはわからないけど、
「もともと、存在そのままで、オンリーワン」
だから、そのまま咲けばいい。
ということだったように思うが、

それが「13歳のハローワーク」で500を
超える仕事が紹介されると
「あなたに向いている仕事が必ずあるから、
それを見つけて、努力することこそキャリア形成の道」

だという考えが一気に広がった。

つまり、
子どもたちはそのままではオンリーワンではなく、
「やりたいこと」「天職」が見つかって、
「そこに向かって夢を持って努力する状態」
を良しとされたのではないだろうか。

そしてそれが10年を経た今でも、
「やりたいことがわからない」「夢がない」
ことを必要以上に深刻に悩んでいる状況があるのではないか。
離職の問題もそこに原因の一部があるのではないか。

僕の大好きな「ホスピタルクラウン」(大棟耕介 サンクチュアリ出版)を読むと、
「天職」や「夢」、「やりたいこと」は選択するものではない、
と教えてくれる。

ひとつひとつ、目の前のことを大切に積み重ねたとき、
未来と天職が見えてくる。

オンリーワンなあなたを決めるのは、
「やりたいこと」や「夢」だけではない。
「もともと特別なオンリーワン」だから。

それは、選択によって得られるのではなく、
いつか、たどりつくものだ。
だから、目の前の人、チャンス、出会いを
大切にして、まずはやってみること。

「キャリア・デザイン」から一歩離れて、
「キャリア・ドリフト」する夏をやってみませんか?

世界に一つだけの花を
咲かせる場所はきっとある。

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Posted by ニシダタクジ at 07:04│Comments(0)日記
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