プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2012年11月04日

答えはひとつじゃない

18日の聖泉大学の「学びのフリーマーケット」
で話をする内容を考えていて、
金曜日は男子大学生1人、
昨日は大学生、社会人含めて5人の前で
ミニ講座を開催。

やっぱり実際にしゃべってみると、
話の流れって変わってくるなあと。
リハーサルって大事だ。

「やりたいことがわからない」と
いう現代の若者が抱える悩みに
果敢に切れ込んでいこうと思ってます。

学校教育の現場で
キャリア・デザイン=目標設定・達成
というキャリア理論だけを採用していること、
そのものが若者を苦しめているのではないか、と思うのです。

やりたいことを早く見つけ、
そこに向かって最適化していくことが「キャリアの正解」であり、
それから外れること(=不登校、退学、就職失敗、退職)や
そこに乗れないこと(=やりたいことがわからない)
は生きる価値がないくらいのつらいことになっているのは、
キャリア・デザイン理論だけを教えているからではないのか、と思うのです。

神戸大学の金井壽宏先生は、
「節目にはキャリアをデザインし、そうでないときはキャリアドリフト(=漂流)するべし」
と言っています。

「キャリアドリフト」とは、予期しなかった偶然の出来事を
チャンスと受け止め、その流れに任せて、進んでみる。ということです。

金井先生は

1 キャリア方向感だけを決め、
2 節目ではデザインして、
3 アクションを起こし
4 ドリフトも楽しむ

というモデルを提唱しています。

いずれにしても
「キャリアデザイン」一辺倒なのは、
中学生高校生大学生を精神的に追い込んでいる
と僕は思います。

しかも、時代の流れに合っていないと思います。
この変化の時代に、
「10年後も確実に存在する」と言えるような職業は、
そうではない職業に対して、必ずしも多くないと思います。

つい数年前まで
大手電機メーカーに就職するというのは、
安定を約束されたようなものでした。

工業社会からサービス業社会への変化によって、
企業の寿命、仕事の寿命は確実に短くなっています。
その中で、いちはやくやりたいこと、なりたい職業を決めて、
最適化するのはリスクでさえある時代だと僕は思います。

その違和感。
それを若者は感じているんじゃないか。

もうひとつの違和感、これは決定的です。

自分のまわりにいる「カッコいい」と思える大人が
いましている仕事を、「やりたいこと」だと思った日はいつだろう?
という問いです。

8割以上は20歳を超えてから、あるいは就職して何年か経ってから、
そうだ、これが俺のやりたいことだ、天職だと
思ったのではないでしょうか。

いま目の前にいるカッコいい大人は
小学生中学生高校生、あるいは大学生の時に
「自分のやりたいこと」を見つけたわけではない。

この事実を高い感性で感じながら、
一方で「やりたいことは何ですか?」「なりたい職業は?」と
問われ続けるわけです。

これはつらいだろうなあと思うのです。

キャリア理論=人のキャリアがどのように形成されるか?についての考察
は世界中にたくさんあります。
キャリア・デザインはその理論のひとつに過ぎません。

そんなことを若者にどのように伝えようか。
それが僕の今の座右の問いのようです。

同じカテゴリー(日記)の記事画像
ベクトルの始点を合わせるというチューニング
アンサング・ヒーローの物語を紡ぐ
「自分とは何か?」に応えてくれる活動
演劇のような本屋、劇団のような会社、劇場のようなまち
子どもたちは「仕事」と「遊ぶという行為」を失った
「あそび」の復権
同じカテゴリー(日記)の記事
 ベクトルの始点を合わせるというチューニング (2024-04-10 09:51)
 アンサング・ヒーローの物語を紡ぐ (2024-04-08 07:16)
 SNSとアイデンティティ (2024-03-30 16:45)
 「自分とは何か?」に応えてくれる活動 (2024-03-23 10:07)
 演劇のような本屋、劇団のような会社、劇場のようなまち (2024-03-23 08:10)
 「課題から出発する」のではなく「場」から生まれる「直感」と「個性」から出発する (2024-03-20 08:38)

Posted by ニシダタクジ at 06:32│Comments(0)日記
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。