2013年02月18日
僕たちの前途
古市憲寿さんの本って難しいテーマなのに読みやすいなあ。
編集の力なのかもしれないが。
電車の中で
「僕たちの前途」(古市憲寿 講談社)
を読んでいて、あやうく乗り過ごしそうになった。
これは、おもしろい。
社会学的アプローチをしている方は読むべき1冊。
前回の「絶望の国の幸福な若者たち」(同 講談社)も
かなりシビれる1冊だったが、今回はさらに時代を、若者を切っている。
~~~ここから引用
当たり前の話だが、「起業をしたい」「社長になりたい」
という宣言ほど空疎なものはない。
法人だけなら登記すれば誰でも作れるし、
税金さえ払い続ければ誰でも社長でいることができる。
税収入を増やしたいだけの政府はそれでいいかもしれない。
しかし、起業をして一定以上の成功を収めたいならば、
何らかのビジネスモデルなり、他人がお金を出したいと思うような
「専門性」が必要だ。
中略
だけど、「日本に若手起業家が少ない」「若者よ、もっと起業しよう」
というのは話が逆なのだ。
起業しても食べていけるくらいの人脈も「専門性」もない人に
起業を勧めても無意味である。
政策として行えることがあるとしたら、
「起業しやすい環境の整備」などという
漠然としたものではなく、ましてや起業件数の数値目標を
立てることでもない。まずは起業を可能にするような専門性や場所を
いかに若者に与えていけるかを考えることから始めるべきだろう。
~~~ここまで引用
うーん。なるほど。
うなるね。
おっしゃるとおりでございます。
この本で出てくる
「成功している」と世間で言われている社長が
慶応大学の起業論の単位を落としている、というのが少し面白い。
たしかに。
起業するというのは目的ではなく手段であるのだから、
しかもしれは仕事をつくる、という意味ではなく、
なんらかの社会的課題を解決するために
手段として会社員になるか公務員になるか、起業するか、
ということなのである。
まだまだ読み進めているところだが、
これは楽しみな1冊です。
乗り過ごさないように読もう。
Posted by ニシダタクジ at 06:57│Comments(0)
│本
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