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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2013年07月29日

第一志望大学に合格するという価値

第一志望大学に合格することは、
どのくらい価値があるのだろうか?

そんな問いかけをしたことなんて
ないだろうけど。
ちょっと仮説を考えてみた。

企業での実践型のインターンシップや
地域での様々な活動を大学生に紹介している僕は、
そんなことをふと思う時がある。

それは
活動している大学生の多くは
「大学受験を失敗した」と思っていたからだ。

例えば、
新潟ではNo1の国立の新潟大学に
合格した人のなかでも
「勝利者」として入学した人と
「敗北者」として入学した人たちがいる。

「センター失敗しちゃって」
志望校を(偏差値的に)下げざるを得なかった、
みたいな人のことだ。

同じ大学、同じ学部に入学していても
彼らのマインドは全然違う。

自信がより強化されているか、
自信がヘシ折られているか、だ。

数年前に新設され、今年、第1期生を送り出した
公立の新潟県立大学の大学生が元気だ。
もちろんテーマが「国際」という
こともあるだろうけど。

なぜそんなに元気なのか?
を考えていたら、
学生にひとつの共通点があった。

大学受験に失敗していることだ。
いや、失敗したと思っていることだ。

「国際」系を学びたい高校生の
憧れの大学は秋田の国際教養大学
国公立の偏差値ランキングでも東京外語大の次にレベルが高い。

その第二志望として、
新潟県立大学はポジショニングされているようだ。(高校生にとっては)

大学受験に失敗する。
そのときに、こんな風に思う。

「自分は結構いけるはずだと思っていたのに、できなかった。」
「いや、でもそんなことはない。もっと努力すればいけたのだ。」

そう思ったとき。
じゃあもう一浪して、ふたたび第一志望を目指すか、
合格した新潟県立大学に入学するか。
そして入学したとして、何を大学で学ぶか。

そんなことを無意識のうちに考える。

入学大学は変えられないし、
最終学歴も、もはや変えることはできない。
だとしたら、
大学ではないところでの自分を磨くということではないか。

そんなマインドなのではないか。
だから、県立大学の学生のアンテナは高いし、
アクションを起こす。
要するに、第一志望大学に落ちた方が行動する、ということだ。

しかし、僕は単に第一志望大学には落ちた方がいいと言いたいわけではない。

やはり、問題となってくるのは
「才能思考」(固定的知能観)と「成長思考」(成長的知能観)だ。

自分の能力は生まれつき決まっている。と思っているか、
やればやるほど伸びていく、と思っているかどうかが大切だと思っているのだ。

そして、残念ながら、現在の教育システムでは、
「才能思考」の子が数多く育っていく。

先ほどの県立大学の学生で言えば、
大学受験に失敗することによって、
自己評価(他者評価の影響にも大きく影響される)
が低下した大学生がそれを取り戻そうとアクションをしているということになる。

しかし、その目的が、「他者評価(たとえば、企業の社長に褒められる)による自己評価の上昇」にあるとすれば、
それは、ある意味「不健全」なモチベーションだと言わざるを得ない。

他方、
「才能思考」と「第一志望大学合格」の相性はもっとも危ない。

「自分は結構できるんだ」というように
自己評価(他者評価による)は高いところで止まってしまうからだ。

すると、何が起こるか。

人間の本能は現状維持なので、
「他者評価を高いところで維持しようとする」

そのためにもっとも賢い選択は、
「チャレンジをしない」ことだ。

やったことがないことにチャレンジする、
というのは失敗をしに行くようなものだ。
そんなことをして、他者からの評価を下げても、
何の得もない。

それを本能的に分かってしまうから、
なかなかチャレンジできなくなるのではないか。

そんな仮説を考えてみた。

だから、取り戻すべきもっとも大切なものは
失敗すればするほど成長する「成長思考」であり、
これは、大学に合格しようが、落ちようが、
すべての大学生に必要な思考であると思う。

もし、この仮説が正しければ、
方法は2つだ。

ひとつは、
中学生、高校生の段階から「成長思考」を実感させていくこと。
これは、中学・高校の先生に共感を得ることが必要だ。

もうひとつは、
大学の初年次に、地域活動に放り込み、
「行動」⇒「失敗」⇒「仮説」⇒「挑戦」⇒「失敗」⇒「改善」⇒「成功」
という一連のプロセスを実感させること。

これが北九州市立大学眞鍋先生や聖泉大学有山先生が
取り組んでいる、初年次教育の効果なのではないか。

まずは「成長思考」を取り戻すこと。

それができるなら、
まさしく、大学受験に受かろうが落ちようが全然関係のないチャレンジブルな人生が
待っている。

現状の「才能思考」のままでは、
第一志望大学に合格するということは
価値よりもリスクのほうが高いと言わざるを得ない。

そして、地域にとっても、大学が、そして大学生が果たすべき役割は大きい
として、どんどん地域×大学の取り組みが進んでいくとしたら、
まずは初年次に「成長思考」を取り戻すことからスタートしていくことが
大切なのではないだろうか。

そのためのプログラムや機会の提供をやっていくこと。
そこにコーディネート団体の使命がきっとある。

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