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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2014年01月17日

「本屋」という「双方向」メディアの可能性

「ツルハシブックスは何を売っているのだろう?」

昨年6月。
スターバックスコーヒーの岩田松雄さんの本の一節
「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。」
にガツンとやられて、始まった問い。

「本屋」という「双方向」メディアの可能性
昨日、函館蔦屋書店に行ってきた。
朝7時からここに連れて行ってくれた道場さん、ホントにありがとう。

函館のアニこと道場さんに再会したのは
昨年8月のマイクロライブラリーサミット。

まちライブラリー礒井さんのオーラに
魅了されているふたりが15年ぶりに再会。
道場さんは当時、僕がコーナーをしゃべっていた
ラジオ局のディレクターだった。

いまでもラジオをど真ん中にして、
移動式カフェ「クローバーカフェ」
コワーキングスペースでの小さなコーヒースタンド「bar 311」を
やっている。楽しんでるなあ。

函館蔦屋書店
北海道の友人たちが絶賛しているので
気になって、青森から足を延ばした。

その途中に読んでいた本。

「本屋」という「双方向」メディアの可能性
文化の樹を植える。「函館蔦屋書店」という冒険(ネコパブリッシング)

この本のラストにシビれた。

「本は生活提案の最高のメディアである」
題されたところの一節

~~~ここから引用

そして日本最大の書店チェーンとなった責任を胸に、
私はより一層強く思っている。
ー本を売るつもりはないー、と。

(中略)

そこに売られているのは、、単なる書籍や雑誌という物体ではない。
私はいつも「提案」を店内に陳列したいのだ。それはこの先も変わらない。

~~~ここまで引用

TSUTAYAが伸びたのは、
「本」ではなく、「提案」を売っていたから。

だから、本好きな人が「通」ぶって、
「TSUTAYAなんて本屋じゃないよ」、と批評するのは、
ある意味で当たっている。

でも、もし。
多くの人々が求めているのが
「本」ではなかったとしたら。

ここに僕は、TSUTAYAがどんどん増えていって、
本屋がどんどん消えていく理由を見るような気がする。
「本」が欲しいのではない。
「人生をよりよく、より楽しく、よりエキサイティングに生きること」が欲しいのだ。

だとしたら。
逆説的ではあるが、本屋は、まだ、やれる。

それは「本」こそがこれから求められていく、
「人と一緒に何かを創っていく」ときの最高のツールになり得るからだ。

代官山蔦屋は、
「完成されたオトナの蔦屋」だ。
知的好奇心をくすぐる棚構成に、
その人にピッタリの本を見つけ出してくれる
「コンシェルジェ」がそこにいる。

たしかに、ここには、
「生活提案」があふれている。
ワクワクが詰まっている。

では、函館蔦屋はどうか。
代官山の棚構成を踏襲した本棚。

しかし。
空間は広々としている。
キッチンのある料理書コーナーは全国でもなかなかないのではないか。

函館蔦屋書店という「冒険」と名付けられたように、
この店舗は、本屋としての「双方向メディア」の可能性を示していると思った。
料理やイベントを通して、人と人が双方向のコミュニケーションをすること。
そんな実験をすることになるのだろう。

「完成版」よりも「試作版」のほうが
「コミュニケーション」を生む。

そういう意味では本屋の「棚」
というのは、最高の双方向メディアなのだと改めて思う。

そんなことを書いていると思い出すひとつのエピソードがある。
僕の本屋の原点と言えるヴィレッジヴァンガード郡山アティ店での
サンクチュアリ出版地方営業のときのエピソードだ。

「カフェをはじめる人の本」や
お菓子作りの本、マグカップやランチョンマットなど
カフェづくりをしたくなるようにキレイにディスプレイされたコーナーを
帰り際に見つけ、営業トークで「このコーナー、いいっすね。」と軽く言った僕に
返ってきた言葉は、

「郡山にカフェをつくろうと思ってるんです。」

え?
なんですか、それ?

「僕が気合を入れて、カフェの棚をつくれば、読んだ人が
カフェを創るんじゃないかと思って。
僕、東京から来たんだけど、郡山にくつろげるカフェがなくてさ。」

なんと!?

そんなことができるんですか!
本屋ってそんなことができるんですか!

と、ものすごい衝撃を受けた。

その半年後。
営業でふたたび訪れたとき。
店長は笑顔で言った。

「西田さん、カフェができました。2軒。」

スゲー。
本屋ってスゲー。
街を自由自在に創れちゃうんだって。
あのときに僕はいつか本屋をやろうって強く思った。

それを改めて振り返ると。

郡山アティの店長がやっていたことって、
まさに本屋というメディアなんだなあと思う。

そのお店で、
カフェやお菓子作りの本を買ったかどうか、は
実は問題ではないのだ。

「郡山にカフェがあったらいいな」
「あなたが創ってくれたらうれしいな」
というメッセージを本棚を通じて表現した。
その表現が時空を超えて誰かに伝わったのだ。

これからは、「本」ではなく、
「本屋」自体がメディアになる。

そして本棚は、本屋は、
インターネットをはるかに凌ぐ
魅力的な双方向コミュニケーションツールとなるだろう。

それは、本棚も、本屋も
「未完成」で「試作型」だからなのかもしれない。

「未完成」であるということは、
たくさんの人が関われる可能性があるということ。
「試作型」であるということは、
たくさんの実験ができるということ。

そしてそれこそが、いま、世の中の人が、
いや社会が求めていることなのではないだろうか?

「本屋の時代」
それは、確実にすぐそこまで来ている。
そして僕は、それを
中学生高校生大学生のためにやりたいのだ。

「未完成」だから「双方向」のコミュニケーションを取りながら
「試作」し続けること。
これこそが「生き方」「働き方」の
つくりかただと思うから。

まずは移動ブックカフェ「ツルハシ号」という「メディア」を持とうと思う。
中学生高校生大学生に「機会」と「メッセージ」を届けるために。

☆ツルハシブックスでは「寄附サムライ」を募集しています☆

ツルハシブックスでは2014年より「本屋」を届けるプロジェクト、
移動ブックカフェ「ツルハシ号」を始動いたします。
そのための車の購入・改修費として資金を集めています。
昨年の改装費用20万円に引き続き、寄附サムライを募集します。
車両取得・改修費などとして、目標額は50万円です。
(昨年は100名以上の方に寄附サムライになっていただきました。ありがとうございました。)

寄附額と特典は以下の通りです。
1,000円寄附:寄附サムライ認定缶バッチ
3,000円寄附:寄附サムライ名刺
5,000円寄附:バッチ+名刺+本の妖精が選ぶこの1冊
50,000円寄附:バッチ+名刺+あなたの街で出張ツルハシブックス2日間(日本全国対応)
他となっております。

「本屋」という「双方向」メディアの可能性
☆函館にも寄附サムライが誕生しています。浪川さん、ありがとうございます☆

寄附サムライになる方法は、以下の3つです

1 店頭寄附
ツルハシブックス店頭で受け付け用紙がありますので、
そちがにご記入の上、お申し出ください。

2 地域応援クラウドファンディングFAAVO新潟で寄附
https://faavo.jp/niigata/project/185

3 直接振込で寄附

事前にメール等で、氏名、住所、連絡先電話、メールを記入の上、

郵便振替口座 00580-2-92404 加入者名 NPO法人ヒーローズファーム
または
第四(ダイシ)銀行内野(ウチノ)支店(普)1858245
口座名義 NPO法人ヒーローズファーム 代表理事 西田卓司
へお振込みください。

あなたも、寄附サムライになって頂けませんか?

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