2014年03月29日
メディアに期待するものは情報ではなくコミュニティとコミュニケーション
3月29日(土)付朝日新聞新潟版に
唐澤さんのにいがたレポと一緒に
「うちのまち なじみのお店 ものがたり」が
掲載されています。
(僕ものぞいているところ、映ってる。笑)
「メディア化する企業はなぜ強いのか」(小林弘人 技術評論社)
久しぶりに2年ほど前の本を引っ張り出して読んでみると、
いま、まさに起こっていることが書いてある。
かつて、「雑誌」とは、情報を得るために存在した。
いや、いまもそうなのかもしれない。
しかし。
誰もが実感しているように、
インターネット常時接続(死語)時代を迎え、
個人が手にする情報は飛躍的に伸びた。
いや、もはや管理できないレベルに溢れた。
雑誌に限らず、
あらゆるメディアは、
もはや、「情報を届ける」だけでは、
十分ではない。
図は、上記の本に出てくる、
メディア空間の拡張と期待役割の変化である。
~~~ここから引用
図1-5を見てください。
図の中の左側は、ちょっと昔の話です。
情報を届けることが換金化手段であり、
情報を届けてから、メディアの外部にコミュニティが誕生しました。
しかしメディア空間が拡張されたおかげで、ユーザーは情報を手にするだけでは
飽き足らなくなりました。欲求が拡張したのです。
図1-5の右側は、メディア内にコミュニティが組成された場合を指します。
たとえば、そこでユーザーはメディアが届けた情報以外に、
自分たちも情報を発信でき、さらに共有します。
そこで何を求めるのかというと、もはや、メディア側が
発信した情報だけではありません。
むしろ、ここでの情報は、
コミュニティを接合するためのネタにしか過ぎないと言っても過言ではありません。
(中略)
このコミュニティの参加者たちは何を欲して、ここに集うのでしょうか?
彼ら/彼女らはいったいメディアに何を期待しているのでしょうか?
あるいは何を期待していないのでしょうか?
~~~ここまで引用
この後、本の中では
バイクの愛好者たちのコミュニティを例に、
イギリスのメーカーと交渉して、
部品などを販売仲介することが換金化の方法だと説く。
これは面白い。
換金ポイントの変化。
変化というか拡張。
これがこれからもメディアの難しさと面白さなのだと思った。
そして何より、
おそらくはユーザーがメディアに求める最大のものは、
コミュニティとコミュニケーションなのではないかと僕は思う。
「情報を届ける」ことだけが使命であるメディアは
徐々に終焉していく。
これからはコミュニティとコミュニケーションを伴った、
換金ポイントの多様なメディアだけが支持されていく。
そしてそれを自前で持つことが
企業が伸びていく条件だ。
ツルハシブックスのメディア化というお題、
唐澤さんと一緒に考えてみたいです。
Posted by ニシダタクジ at 07:08│Comments(0)
│本
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