2014年04月07日
誰人もみな芸術家たる感受をなせ
「新しい広場をつくる 市民芸術概論綱要」(平田オリザ 岩波書店)
前から気になっていた本を購入。
前書きは宮沢賢治の言葉から。
「職業芸術家は一度滅びねばならぬ
誰人もみな芸術家たる感受をなせ
個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ
然もめいめいそのときどきの芸術家である」
(宮沢賢治 農民芸術概論綱要より)
1926年。
今から90年も前に書かれた一説である。
なぜ賢治は、
岩手の農民たちに
「誰人もみな芸術家たる感受をなせ」
と呼びかけたのだろう。
著者は言う。
「私は一人ひとりの市民が、芸術家としての感性を持たない限り、
東北の真の復興はなしえないと信じている。」
東北だけではない。
効率化という絶対の正義の中に、
疲弊しきった地方、中山間地、離島、地域商店街、
そしてそこに生きる人々、そして若者、子ども。
芸術とは何か?
それは生きるとは何か?につながる問いなのだと思う。
僕は、大学時代に
「農民芸術概論綱要」
に出会って、大きく気分が高揚した。(ダジャレか)
ひとりひとりが芸術家になる。
そんな時代が来なければならない。
いや、もうすでに来ているのだ。
美しさとは何か?
そんな問いを抱いて、表現し続けながら生きること。
そんな世界が未来に広がっていると信じた。
だから、僕は「まきどき村」を始めた。
「人生最高の朝ごはん」を始めた。
これこそが美しさではないか?
これを豊かさと言うのではないか?
そんな表現のカタチが
僕には音楽でも、絵画でもなくて、
農園コミュニティだった。
いまこそ、そんな時代が到来している。
ツルハシブックスに集まった人たちは、
そんな感性を持った人たち。
ひとりひとりが芸術家である時代に、
僕たちは何を表現していこうか。
楽しみな1冊です。
Posted by ニシダタクジ at 07:38│Comments(0)
│本
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