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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2014年07月29日

構造的思考

構造的思考
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」(渡辺格 講談社)

昨年話題になった本。
いいタイミングで目の前に現れてくれます。
まだ途中なのですが、
「社会を構造的に見る」ってすごく大切だなあと
思わせてくれる1冊です。

マルクスの資本論をパン屋の実例を挙げながら
分かりやすく解説していく序盤に引き込まれます。

「商品」とは?
「価格」とは?
「労働力」とは?

みたいなことに、
わかりやすく切り込んで行きます。

経済学部必読、というよりも、
これから社会に出ていく人は読んだほうがいいなあと思います。
「あそこはブラック企業だから」
などと言っているだけでは、働き方は見つかりません。

ブラック企業の「構造」を知ること。
これはすごく大切だなあと思いました。

本書よりすこし抜粋。

「商品」の条件

1 使用価値があること
2 「労働」によってつくりだされていること
3 「交換」されること

そして、
「価格」は「労働時間」の長さを基準にして、
「交換価値」としての「価格」が決まる。

「労働力」という商品の特徴

1 買い手は資本家(経営者)に限られる
2 交換価値は給料

「労働力の再生産」とは、
毎日働いて、家に帰ってご飯を食べて休むことができるということ。
これを可能にする給料が設定される。
途上国の給料が安いのは、生活費が安いから。

医者や弁護士のような職業の給料が高いのは
そのために身につける知識や技術の習得がたいへんだから
そのコストが後払いで付加されている。

「利潤」を出そうとすれば、
「労働時間」を長くするのが手っ取り早い。
世にいうブラック企業の誕生だ。

もしくは、「労働効率」を上げる、という方法がある。
「技術革新」で生産性が向上すると、労働時間を延ばすことなく、
資本家は多くの利潤を手にすることができる。

労働者側からすれば、
増えた分の利潤を分けてくれ、と言いたくなるが、
150年前から格段に技術は進歩しているが、
労働者の休みは増えず、当然、給与もそんなに上がっていない。

技術革新が進むと、
資本主義社会の「競争」によって、
価格が下がる。
(1個あたりのコストが下がっているので、値下げすることができる)

そうすると、
まわりまわって、労働者の給与も下がってしまう。
結局最後に笑うのは資本家なのだ。

そして、技術革新によって、
労働が単純化する(誰でもできる仕事が増える)

すると、
「誰でも替えがきく」仕事が増える。

昔であれば、天然酵母をじっくりと発酵させる職人芸だったパンが
イースト(工業生産された、均一化された酵母)の
登場によって、だれでもマニュアル通りにすれば、
同じパンができるようになった。

なるほど。
パンから学ぶマルクス経済学、
すごくわかりやすくて面白いなあ。

こうやって
「構造的に見る、考える」
っていうのがすごく大切なことのように思います。

「腐る経済」。
ドキドキする1冊です。

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Posted by ニシダタクジ at 08:46│Comments(0)
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