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ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年01月08日

「人」を好きになるのは勇気がいるけど、「地域」に恋をするのは比較的容易だ。

ETIC.チャレンジコミュニティプロジェクトに参画した2006年から9年間、
大学生と関わることをしてきた経験から、
大学生が何らかのプロジェクトに関わるとき、
成功するものと失敗するものがあるのを見てきた。
(あるいは、大学生にとって成長があるのか、ないのか。)

もちろん、成功するのは
時の運も大きく関わってくるのだが。

まず確実に失敗するもの。

1 主催者側に当事者意識がないもの。
いわゆる「報告書のためのイベント」など、
大学生が参加して何かやったということに意義があるもの。
アリバイ作り。これに当たってしまってはきつい。
ほぼ得るものがない。学生にとってのメリットは「知り合いが増える」ことだけ。
「友達」ではなく、あくまで「知り合い」レベルの。

2 大学生は単なる駒のひとつにすぎないと思われているもの。
「学生何人か、動員できないかな?」みたいな、
「女子大生がいたほうが華やかだから」みたいな、
たんなる賑やかしのために学生が必要だから、呼んでほしいというもの。
こちらも、「大学生」というスペックが呼ばれているわけであって
それ以上を望んでいないので、大学生もそれ以上を得ることはできない。

しかし、主催者の当事者意識という観点からは、
1よりはマシだと思われる。
大学生は少しだけ素敵な大人に出会える可能性がある。

3 成功イメージがない。
「大学生の新鮮な発想で新商品とか新サービスを考えてほしいんです」
みたいな言い方をする人。
だしかに、そのプロジェクトは重要で、やりがいがありそうに思える。
しかし、多くの場合、その成功イメージがない。

たとえばこういうのを、みたいな、事例研究をしていない。
コンビニの弁当を栄養学部の学生が考えました、レベルの記事などを見て、
うちもこういうのやったほうがいいんじゃないか、ということ。

これもいいところなら商品開発プロセスを学べる、
などのメリットがあるかもしれないが、
大学生に当事者意識が育たないので、学びは少ない。
一緒にプロジェクトを成し遂げるという点では、
学生同士の交流は大きくなり、「知り合い」レベルではない「友達」ができる可能性がある。

これらを踏まえて、
成功するプロジェクトの必要条件(十分条件ではない)を
考えてみる。

ポイントは、
1 受け入れ側の本気度(当事者意識)
2 大学生のモチベーションと当事者意識
3 ある程度の成功イメージ(仮説)も持っている。

ということになるだろう。

なので、プログラムとしては、
まず最初に徹底した受け入れ側のヒアリングによって、
受け入れ側の本気度を高める課題をあぶり出すということが求められる。

次に参加する学生のモチベーションを高める必要がある。

大学生が地域で活動するメリット(大学生が感じるメリット)とは、
いったいなんだろうか?

1 実力がつく(就活で使えるかも)プログラムな予感がする。

コミュニケーション力、プレゼン力など、
大学生がほしいと思っている力がつくということ。

2 友達ができる

普段は昼食中もスマホをいじっている彼らは、
将来とか就職とかまじめな話をほとんどしない。
しかし、潜在的にはそういう熱い話ができる場を望んでいる。
※場合によっては、異性の友人ができるかもしれない、というモチベーションも当然ある

3 楽しそう

なんか地域でやるって楽しそうだ、と思えることがすごく大切だ。
これはどちらかというと女性のほうに多いのだけど、
「なんとなく、楽しそう」という動機づけもあると思う。
参加者の声などを集めて、そんな動機づけをしていく。

これらを大学で仕込んでおいて、
いよいよ地域プロジェクトへ参画していく。

ここでのポイントは、
大学生の当事者意識の向上、これに尽きる。
自分ごとのように思えるかどうか?

そのためには、
「課題共感」をどのように作れるか?
ということになる。

なぜ、この課題を解決しなければならないのか?
について、頭と心に深く落とし込むこと。

それと並行して、
あるいはその前に、かもしれないけど、
「好きになる」ということが必要だ。
人は誰しも好きな人のためにはがんばりたい。

それは「人」ではなくて、「地域」であっても同じだ。
好きになったから、行動が起こる。

僕は「自信がない」という人は
まず好きになることだと思う。
「人」を好きになるのは勇気がいるけど、
「地域」に恋をするのは比較的容易だ。

好きになって、
その地域が持っている課題に共感する。
心から「なんとかしたい」と思う。

それがそろった上で、
はじめて、
3の成功イメージに向かっていけると思う。

実は、成功イメージ(仮説)は
必ずしも必要ではないのかもしれない。

大学生がヒアリングを重ねるうえで、
新しい気づきや視点が見えてくる。

ここで重要なのは、
「ヒアリングを重ねるうえで」ということだ。

「大学生の新鮮な発想で」とか簡単にいう人は、
大学生の脳はアイデアの固まりで、
お題を出されただけで、笑点の大喜利よろしく、
新商品や新サービスがポンポン出てくるような
イメージを持っているが、
そんな例を見たことは僕は一度もない。

大学生の価値は、
行動力とイノセンス(無邪気さ)
であると僕は思う。

だから、ひたすら現場ヒアリングを行う。
そしてイノセンスを武器に質問して、
新たな気づきを得る。

それをアイデアに昇華させていく
というプロセスが必要である。

ヒアリングを重ねることで、
当然「課題共感」と「恋愛度」が深まっていくし、
そこでようやく成功イメージを作っていく
ということが長期のプロジェクトであれば可能になるのかもしれない。

「うちのまち なじみのお店 ものがたり」は
そういう意味では、なかなかよい設計となっているプロジェクトに
なっているのかもしれない。

「人」を好きになるのは勇気がいるけど、「地域」に恋をするのは比較的容易だ。
http://niigata-repo.com/fooddrink/post-3609/
「にいがたレポ」より。

地域の人たちの当事者意識と
大学生の行動力が合わさったとき、
生まれてくる何かを、僕も見てみたい。

「地域」に恋をしてみたい大学生はいませんか?

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Posted by ニシダタクジ at 08:14│Comments(0)日記
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