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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年03月25日

「商店街」は100年前に発明された

「商店街」は100年前に発明された
「商店街はなぜ滅びるのか~社会・政治・経済史から探る再生の道」(新雅史 光文社新書)

「伝統的な商店街」だから
残していくべき、という論を打ち破る、
商店街の起源に迫った1冊。

これは面白い。

だからこそ商店街は衰退するし、
だからこそ商店街には希望があるのだと実感できる。

第一次世界大戦後くらいから、
近代雇用の仕組みが
親方請負制から企業での直接雇用に切り替わっていった。
いわゆる「新卒一括採用」のはしりである。
しかも当時は学校を卒業してすぐには就職はできないという制度があり、

そのような社会背景から、
農村部から大量の人が都市部に流入し、
そこで手っ取り早く始められる
食品などの小売業を始めることになる。

都市部で小売業が急増し、
もちろん、人口も急増しているので
生活必需品の需給が不安定となり、
物価は乱高下した。

それを都市住民は
小売業の増加のせいだととらえ、
米騒動などが起こる。

消費者側がそれに対処する形で生まれたのが
「協同組合」である。
みんなで仕入れてみんなで買うことで
物価の安定をはかった。

自治体側がそれに対応したのが「公設市場」であり、
場所を決めて決まった業者がものを売れることで、
物価の安定をはかった。

その頃同時期に都市部にできたのが
「百貨店」である。
それまでの「呉服店」のようなところは、
座売り方式といって、富裕層を相手に、
カタログを見せて、それを奥から小僧が持ってくる、
というような商売をしていた。

三井呉服店(いまの三越)は
1900年に座売り方式をあらかじめ商品を見せる陳列方式に変え、
食堂や休憩所などを設け、催し物を開催するようになった。
1923年の関東大震災後には、一般大衆向けに、
日用品の販売をして一定の成功を収めたことで、
店舗面積を拡大し、サービスを多角化していった。

「協同組合」「公設市場」は零細小売商の反発を生んだ。
さらに「百貨店」の登場により、
零細小売商は、自分たちの「テリトリー」を
奪われることとなり、各地で百貨店に対する
不買運動・投石運動などを起こしていった。

このまま零細小売商の危機を見過ごすと、
大きな社会不安を引き起こすことになる。

そこで考え出されたのが
「商店街」だった。

「商店街」のコンセプトは、3つ。

1 百貨店における近代的な消費空間と娯楽性
2 協同組合における協同主義
3 公設市場における小売の公共性

つまり。
当時の最先端の要素が取り入れられたものが
「商店街」だったのだ。

かくして商店街は「組織」化し、
協同して計画的に事業に取り組むことになり、
また専門店が集積し並んでいる
「横の百貨店」として機能し、
それは地域間格差をつくらないという公共性を持っていた。

なるほど。
この本には、ほかにも
家族の近代化と商店街など興味深いトピックが並んでいる。

「商店街」とは100年ほど前に発明された仕組みだった。

ということは、
「これからの商店街」は、
まだまだ発明できるということなのではないか。

僕としては
協同機能と公共性を
NPO等の組織が補いながら、
消費空間としての娯楽性をアップさせる。

その際には、
「ふるさと」としての商店街
「学びの空間」としての商店街を

取り戻していくことがこれからの(というか内野町の)
商店街を作っていくのではないか?
という仮説を持っている。

商店街を学びの場、人にスポットを当てた観光の場として
再構築していくこと。

それがこれからの商店街のつくり方に
なっていくのではないだろうか。

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Posted by ニシダタクジ at 07:39│Comments(0)
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