プロフィール
ニシダタクジ
ニシダタクジ
 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 107人
オーナーへメッセージ

2015年04月15日

毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす

毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす
「600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス」(上阪徹 角川SSC新書)

いつ読んでも
上阪さんの文章は読みやすい。

最近の僕のキーワードは
「非言語領域」なので、
その一環として買いました、こちらの本。

熱い。
意外に熱いんです、クックパッド。

支持しているのは圧倒的に女性。
この本が発売されたのは2009年であるが、
ユーザーはほぼ女性であり、

その特徴を実際に聞いてみると、
「単一の野菜をいっぱい食べたいときに、
クックパッドで検索する」
と帰ってきた。

なるほど。
農家さんからとか畑やっている人とかって
ダイコンとかキュウリとか、
同じ野菜が大量に収穫されて
食べきれない、とかあるよね。

クックパッドの理念は、
創業者である、佐野社長の言葉によれば

「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」

である。
だからクックパッドは
「料理が楽しくなる」ことだけをして、
それ以外はしない。

広告なども、
すべてこの理念に基づいたものしか掲載しない。
それによって、女性からの圧倒的な支持を受けている。

佐野社長は慶応大学SFCの出身。
学生時代に起業を志し、
起業した先輩のところを訪ねていくと、

就職してから後に独立した先輩は、
半分の人が「就職しないで早くやればよかった」と言い、
半分の人が「社会の基本を学ぶ上で就職したことはプラスだった」と言った。

一方、就職せずにいきなり起業した先輩も意見は真っ二つに割れ、
半分の人が「一度は就職してから起業しないと苦労する」と言い、
半分の人が「すぐに起業したほうがいい、そのほうが楽しい」と言ったという。

つまり確率論的には、(慶応SFC出身で、ある程度成功している起業家としては)
どちらでも同じなのだということだった。

加えて佐野社長は、
「お金の保証」を会社に預けてしまうことの怖さを感じていた。
それは年齢や給与が上がっていくほど増していくので
絶対に辞められなくなると思ったという。

佐野さんはその時に思った。
世の中を動かす要素は
「テクノロジー」と「個人の認識が変わること」と「政策」

そして「政策」というのはよくわからなかったので、
国際NGOに参加し、国際会議に出ることになる。

そこで出会ったカリブ海の小さな島から来た
50歳くらいの男の笑顔にノックアウトされる。

どうしてそんな笑顔になれるのか?
佐野さんは本人に直接尋ねた。

しかし、聞けば聞くほど、
農業政策の失敗や政治の腐敗など、
その国の現状はひどい状態だった。

そのときに気が付いた。
お金やモノ、経済の豊かさは
この人の笑顔とはまったく関係なかった。
自分自身が培ってきた価値観が
完全に崩れ去っていた。

そこから佐野社長は、
アメリカ留学を終えて日本に帰ってきたときの
野菜のおいしさを思い出し、
「料理」をテーマにした事業を構築していく。

つくった料理に「おいしい」と
言ってもらえるということは、
すごくうれしいのに、
実はその機会は意外に少ない。

それは、家族一緒にご飯を食べる機会がなかったり、
そもそも一人暮らしだったりすることだ。

そして「クックパッド」が生まれる。

その理念は
冒頭に書いた通り、
「毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす。」
だ。
クックパッドとは、そんな熱い理念のもとからできている。

以下僕の雑感。

ひとつはクックパッドの活用について、

これ、新潟とか茨城だと、農家がいっぱいいて、
日常的に野菜をもらったりするのだろうから、
それを「リアル版クックパッド」みたいにして、
農家さんとやり取りできたら楽しいかもしれない。
米屋さんがその拠点になりうるかも、と思った。
だってネギとかもらうと大量なんですもの。

もうひとつは、心からの笑顔について、

なんというか、
この文章の中の佐野社長が出会った
カリブ海の50歳くらいの男性の笑顔
みたいなのって、人生においてすごく大切だと思った。

自分の培ってきた価値観が崩れ去るほどの衝撃。

それをいつ、味わえるか、というのが大切だと思った。
できれば大学生時代より前に、って思う。
しかも1回だけとは限らずに、何度でも。

そういう意味では、
人との出会い、本との出会い、
というのはとても大切になってくるのだなあと思った。

そんな出会いの機会をどう作っていくか?
これが僕のライフワークになっていくと思う。

「暗やみ本屋 ハックツ」は、
その第1歩です。

「暗やみ本屋 ハックツ」現在準備中。
寄贈本・参画者を募集しています。
http://tsuruhashi.skr.jp/hakkutsu

同じカテゴリー()の記事画像
ベクトルの始点を合わせるというチューニング
アンサング・ヒーローの物語を紡ぐ
「自分とは何か?」に応えてくれる活動
演劇のような本屋、劇団のような会社、劇場のようなまち
子どもたちは「仕事」と「遊ぶという行為」を失った
「あそび」の復権
同じカテゴリー()の記事
 ベクトルの始点を合わせるというチューニング (2024-04-10 09:51)
 アンサング・ヒーローの物語を紡ぐ (2024-04-08 07:16)
 SNSとアイデンティティ (2024-03-30 16:45)
 「相互評価」ゲームからの越境 (2024-03-27 07:28)
 「自分とは何か?」に応えてくれる活動 (2024-03-23 10:07)
 演劇のような本屋、劇団のような会社、劇場のようなまち (2024-03-23 08:10)

Posted by ニシダタクジ at 06:40│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。