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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年05月25日

キャリアは「目標」ではなく「習慣」がつくる

キャリアは「目標」ではなく「習慣」がつくる
「スローキャリア~出世を急がない人のためのビジネス論」(高橋俊介 PHP文庫 2006)

高橋俊介さんの本。
2004年の単行本の文庫化なので、
書かれたのは10年以上前になる。
10年を経ても色あせない。

というか。
10年前からちゃんとこういう本が出ているのに、
どうして未だに「将来の夢は何か?」「やりたいことは何か?
と問いかけているんだろう。

さて、7つの誤解

その一
キャリア形成には具体的かつ長期的目標が必要?
⇒世の中の変化のスピードが速すぎるので目標は要らない。

その二
夢を実現する力こそ重要?
⇒夢というのは方向感であり、夢を持つことで現実を見据えることができる。

その三
やりたいことは職種名で考える?
⇒職種というのは手段にすぎないし、職場によって求められる能力や性格が異なる

その四
好きなことを仕事にする?
⇒好きというのは単なるタイプだが、結婚が日常生活であるように、就職も日常生活である。

その五
やりたいことが見つからないから就職しない?
⇒フリーターではなく、自律性のある仕事を選び、失敗を繰り返すことで登るべき山が見えてくる。

その六
やりたい仕事にまっすぐ向かうべき?
⇒やりたいこととは違う分野でキャリアの幅を広げておくほうが本当にやりたい仕事に就いたときうまくいく。

その七
過去の経験を活かせる職業を選ぶべき?
⇒過去の経験を活かせるというより、未来を切り開けるかどうかで仕事を選ぶ。

なるほど。
これ、いまだに多くの中学生高校生大学生が
陥っている思考かもしれない。

「やりたいことがわからない」と
真剣な顔をして悩みを相談しにくる
就活生がツルハシブックスにやってくることは何度もあった。

高橋さんは
この本で「スローキャリア」を提唱する。

上昇志向や達成志向が
いまいち自分にはピンと来ないなあという人のためのキャリア。
そのための7つのポリシーを紹介する。

1 根源的自分らしさへのこだわり
⇒自分の動機や価値観を大切にする。
「動機」とは、社交動機(他人と仲良くしたい)や感謝動機(他者から感謝されたい)
など、その価値観を自分自身で理解することが大切である。
これはおそらく現在も就活生の自己分析などで行われているだろう。

2 変化への柔軟な対応と経験からの学習
⇒特定の職種や専門性にとらわれず、状況の変化に対応し、
新しいことに積極的にチャレンジする
「動機」というのも絶対ではなく、何かの出来事で変わることもあるからだ。

3 目標ではなく個性あるキャリア
⇒出世や収入、企業のブランドのような外的なものさしではなく、
仕事の質、自分らしさや個性を大切にする

4 人生のフェーズによる使い分け
⇒キャリアや人生のフェーズ(局面)によって、
仕事8家庭2など比率を変えていくが長期的にバランスをとる

5 損益分岐点の低いライフスタイル
⇒生活費の中で家賃固定費を上げてしまうと、
給料の理由でやりたいことをあきらめてしまうことになる。

6 組織と対等で潔い関係
⇒組織に依存しない。貸し借りをつくらない。魂を売らない。
会社と個人がお互いに誇りを持って言いたいことを言える組織で働く。

7 スローキャリア社会の実現
⇒スローキャリア社会を自らも創っている一員であると自覚し、
そのような働き方ができる個人や会社を応援する

なるほど。
この本では、「動機」という言葉がよく出てくる。

そこで高橋さんが講演で話した
動機の話をちょっと抜粋してみる。
http://hr-conference.jp/report/r01/basic.html

動機にはおもに3種類あり、
コミットメント系動機:「達成動機」「影響欲」「賞賛欲」「闘争心」など⇒リーダーに多い
リレーションシップ系動機:「社交欲」「理解欲」「伝達欲」「感謝欲」など⇒
エンゲージメント系動機:「抽象概念志向」「徹底性」「切迫性」「自己管理欲」など⇒職人に多い

自分はどんな動機でやる気が湧いてくるのかを理解し、
自律的にキャリアを形成していくことが大切だと高橋さんは言う

個人のキャリアは偶然の出来事によって
大きく左右される。

そのときに、どんな判断をし、どう生かしていくか、
が重要になってくる。
つまりキャリアは「目標」がつくるのではなく「習慣」がつくるのだ。

なによりも
「学び続ける」という姿勢が大切だと高橋さんは言う。

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Posted by ニシダタクジ at 06:11│Comments(0)
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