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ニシダタクジ
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 ツルハシブックス劇団員。大学在学中、「20代サミットメーリングリスト」に出会い、東京王子「狐の木」に育てられました。豊かさとは、人生とは何か?を求め、農家めぐりの旅を続け、たどり着いたのは、「とにかく自分でやってみる。」ということでした。
 10代~20代に「問い」が生まれるコミュニケーションの場と機会を提供したいと考えています。



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2015年07月21日

「居場所」とは、「評価」なき「承認」が得られる場所

「プレーパークには目標がない。
感性を大切にやりたいことをやる。
だから楽しい。」

2月1日に参加した水戸市のネットワークフォーラムで
同席した水戸でプレーパークを準備中の方の言葉だ。

目標がない。
だから楽しい。

この言葉は重い。
居場所の本質を表しているように思う。

「居場所」のもっとも大切な機能は、
安心できる空間であること。

それには、
目標のない場所が必要なのかもしれない。

部活で言えば、
「全国大会出場」とか掲げていなくて、
「趣味程度に楽しくテニスやりましょう」というサークル的なもの。

これを「承認」と「評価」というキーワードで読み解く。

「中学生高校生のとき、ただ、話を聞いてほしかった。
そんな場所をつくれたらいいなと思う。」

とハックツに関わっている大学生が言っていた。
このときの彼女の欲求は「承認欲求」であると思う。

ただ、話を聞くこと。

これが親や先生には難しい。
あまりにも当事者すぎるからだ。
言いにくい「悩み」は親や先生には
必然的に言わなくなる。

話を聞いてあげる、ということは、
「承認する」ということ。
そして、「居場所」とは、もしかしたら
「承認」のある場所のことなのではないか。

現代社会は、
「承認機会」の減少にひた走ってきたように見える。

大家族を解体し核家族化し、
地域コミュニティは「非効率的」で「しがらみ」が窮屈だと
機能不全に陥った。

そこで失われたものは、
子どもに対する「承認機会」なのではないか。

おばあちゃんが無償の愛を孫に届ける。
地域のお年寄りから声をかけられる。
八百屋のおっちゃんが「元気あるね!」と言われる。

大切なのは、承認機会は、
その子にとって「当事者ではない大人」から
もたらされることが多いということ。

そして、多くの場合、学校以外の空間でそれが起こるということ。

冒頭の話に戻ると、
「学校」空間には、目的と目標が存在している。
だから、機能的に「評価」を前提をした仕組みになっている。

しかし、プレーパークのような居場所には、
目的や目標がない。

つまり、
子どもが自由に遊べる場所をつくる、という目標はあるが、
個別の成長目標(たとえば、ブランコをつくれるようになる、など)はない。
したがって「評価」の機会はない。

そこが大切なのかもしれない。

ツルハシブックスをやっていて、思うのは、

「居場所」には「いいかげんな大人」が必要であるということ。
テキトーな大人がテキトーな言葉を投げかけること。
これこそが
子どもの「承認」欲求を満たしていくのではないか、と考えられる。

いいかげんな大人は、中学生を「評価」しない。
ただ、話を聞いてあげて、テキトーなアドバイスをする。

真剣に恋愛相談に来た高校生に対して、
「おまえ、今こそ詩をかけ」ってヒドイ話だ。(笑)

しかし、そこには、たしかに「承認」が存在する。
そしてそれは「評価」なき「承認」だ。

中学生や高校生は、
そんな場所を、大人を、必要としているのではないだろうか。

そんな「承認」のきっかけとなる
コミュニケーションの入り口をどう作っていくか?

そういう意味で、
本というのは、ひとつの有効なツールなのだろうと思う。

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Posted by ニシダタクジ at 06:55│Comments(0)学び
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